行きは中山道から京に入り、帰りは大和路から奈良に入って、東海道を経て伊賀名張へ。
デザイナーの山崎さんと懇談しながらGMT「Holland '44」をプレイ。
マーケット・ガーデンものは超久しぶり。
Combat Commanderのシナリオはプレイしたけど、それは別にして。
前にプレイしたのは、「Monty's Gamble」だけど殆ど並べただけ。はるか昔にHJ社「マーケットガーデン作戦」をプレイしたのが最後かも。
本作の元ネタと言える「Hell's Highway」は無理ゲーっぽかったので未プレイ。
色々と評判の良い作品である。
シモニッチ作品なので、「Ardenne '44」「France '40」などのシステムが援用されているが、近いのは「Normandy '44」なのか。どれも同じ系統のシステムなのだが、微妙にルールが違うところがむしろややこしい。ラテン語とイタリア語とスペイン語みたいな関係だ。
しかも、「France '40」と比べると細かいルールが多く、ルールを読んでいるだけで、「これを全部間違えずにプレイすることは無理では?」と思えてくるほど、特殊ルールが多い。将来的にはAIが審判をしてくれるようになるのだろうが、まだまだ先の話だろうし。
1ユニット=中隊〜旅団(概ね大隊か)、1ターン=6時間(夜間は12時間)、1ヘクス=約2km。
キャンペーンシナリオは全20ターンで、マーケットガーデン作戦の6日間をシミュレートしている。
他の二人は経験者だが米英(英30軍団+英空挺、米空挺)を担当され、初めての私がドイツ軍を担当。
まぁこれくらいのバランスの方が本作では良いのだろう。もともと「遠すぎた橋」なのだから。
ルールを確認しながらプレイするが、例外事項や特殊な選択肢が多すぎて、ルールとにらめっこしている時間がやたらと長い。
第一ターンの英30軍団による突破は「それっぽく」成功したものの、ルールの解釈ミスもあって、独軍はダメージを受けつつも整然と退却していく。
3個の空挺師団は概ね降下に成功するも、アルンヘム鉄橋に対する攻撃に失敗し、いきなり危険な状態に。
ドイツ軍による橋梁爆破は、第一ターンはペナルティが入っているものの、どういう訳か重要なところでは必ず成功し、最初から暗雲が立ちこめる。

第一ターン終了時のアルンヘム
第三ターン(二日目朝)と第六ターン(三日目朝)には、ドイツ軍(私)の気象兵器が炸裂して、「大雨、曇天」となり、後続部隊が「待機児童」と化した上、航空支援が1個だけという悪夢のような展開。
しかも、アルンヘム鉄橋が独軍に抑えられているため、援軍がスルスルとすり抜けて、ナイメーヘンに突入、ドイツ軍がアルンヘムもナイメーヘンも抑え続けるという、「話が始まりもしない」展開に。
正面攻撃を担当する英30軍団も、独軍の遅滞戦術にはまって、損害を続出させた上、遅々として進まず、第六ターンにようやくアイントホーフェンに到達するというレベル。
これが事前演習であれば、「はい中止」で皆助かっただろうに。。。
第六ターンには、30軍団と接続できていない空挺部隊は全て補給切れになってしまうため、「これは無理」ということに。

第5ターン終了時のアイントホーフェン

第6ターン終了時の英第一空挺師団
10時半くらいから始めて、18時までプレイして第六ターンの連合軍まで(独軍が後攻)。
いくら私が初めてとは言え、とても良好なプレイアビリティとは言えない。慣れても、せいぜい10ターンまでが良いところで、20ターンまでの設定はかなり無理がある感じ。
しかも、終わってみると、抜けている(忘れていた)ルールがいくつも発見された。
いや、確かに雰囲気は良いし、史実再現性も高そうで、決して悪いわけではないのだが、いかんせんルールが細かすぎる上、見るところが多すぎて、どうしても時間が掛かる。
連合軍は、英30軍団のほか、三個空挺師団それぞれ別の戦線として管理する必要があるし、それはドイツ軍も同じだからだ。実質的に戦線が4つあるようなものなのだから、全体のルールはできるだけシンプルにすべきだったのでは無いだろうか。
まぁ本来の作戦計画が「72時間以内にアルンヘムに行く」だったので、本作的には「第9ターンまでにアルンヘムに届かなければ負け」ということなのだろうが、であれば20ターンまである「キャンペーンシナリオ」の設定は何なのかという疑問が生じる。
シモニッチ氏の気持ちは分からんでも無いが、色々盛り込みすぎて、管理が難しくなってしまった観が強い。決して悪くは無いのだが、なぜ「フランス'40」レベルにできなかったのだろうか。