2015年08月06日

利便性と安全のバランスこそ

【C飛行場、禁止の「遊覧飛行」常態化か】
 東京都C市で小型プロペラ機が墜落し、8人が死傷した事故で、小型機が利用していた調布飛行場では、観光目的の飛行が禁止されているにもかかわらず、操縦技術維持のための「慣熟飛行」と称した「遊覧飛行」が常態化していたことが分かった。安全・騒音対策で、都と地元の3市が1997年に交わした覚書では、自家用機の慣熟飛行は認め、遊覧飛行は禁止している。国土交通省によると、慣熟飛行に法的な定義はなく、飛行目的の限定はC飛行場特有のルール。都は「慣熟飛行に同乗できるのは、操縦免許を持つ人か、免許取得を目指す人が操縦を見学する場合」と説明する。しかし都に提出する「空港使用届出書」には、同乗者の免許の有無や年齢などは記載する必要がなく、書類では同乗者の飛行目的は確認できない。
(読売新聞、一部伏せ字、7月31日)

私の家と同じ市内の事故ということで、関係者の皆さんにはご心配をおかけしました。実際には、私の家は中心部を挟んで反対側にあり、距離にして4km近く離れているので報道で知るまでは全く感知しませんでした。
被害に遭われた方、ご遺族の方にはお悔やみ申し上げます。

本事故を受けて「市街地の飛行場は危険」という元からあった反対運動が勢いを増しているようだが、実際のところはどうだろうか。
昨年実績で、離着陸数は1万6024回に上るが、「トラブル」と呼べるものは、飛行場内で胴体着陸したケースが一件ある程度。「事故」に近いものは10年前に西東京市の高校の校庭に緊急着陸したものが一件。確実に事故であるのは、1980年にC市内の中学校校庭に墜落したケースだけだろう。これらの全ては機体のトラブルに起因するものであって、飛行場の位置や管制などによって引き起こされたものではない。要は自動車などよりもはるかに安全であり、機体の安全性に100%が無い以上はリスクとして受け入れられるかどうか、という話になる。これは、暴走車が民家に突っ込んで火災が起きたからと言って、道路を撤去しようという話にはならないのと同じだ。

ただ、自家用機等の小型機はどうなのかという話はあるだろう。これも、昨年の離着陸数で、自家用機と外来機の合計は1645回と全体の10分の1を占める程度で、その目的は慣熟飛行、調査(撮影)飛行などに限られている。現実には様々な名目で実質「遊覧」飛行がなされていたことは、多少飛行場と関係のある者の間では暗黙のうちに了承されてきた。反対派やマスコミは、これを「不正使用」として騒ぎ立てているが、重要なのは商業利用による遊覧飛行が認められていなかったことであり、それ故に自家用機の利用が大きく制限されていた点にある。
日本の場合、ただでさえパイロットの人数が根本的に不足している問題があり、その一因として自家用機の利用が大きく制限されている事情がある。事故を理由に、ただでさえ少ない飛行場利用の裁量部分を厳格化し、自家用機の利用を大きく制限してしまうことは、望ましくないと考える。
posted by ケン at 12:27| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする