2015年08月21日

朝鮮半島で緊張度上昇

【<北朝鮮砲撃挑発>北、2回にわたり砲撃…韓国軍、30余発で対応】
北朝鮮軍が20日、西部戦線で対北朝鮮拡声器を狙って砲撃を加えたのに続き、48時間内に対北朝鮮心理戦を中断しなければ軍事行動を取ると威嚇した。また、北朝鮮朝鮮中央通信は21日0時40分ごろ、「党中央軍事委員会非常拡大会議が緊急招集される」と伝えた。韓国政府の関係者は「金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が砲撃挑発に関する議論を行うために会議を招集したもの」と述べた。
韓国国防部当局者は「北朝鮮軍総参謀部が午後5時ごろ、国防部宛てに電話通知文を送ってきた」とし「『今日(20日)午後5時から48時間内に対北朝鮮心理戦放送を中止し、すべての手段を全面撤去せよ。これを履行しなければ軍事的行動を開始する』と主張した」と明らかにした。この当局者は「現時点では対北朝鮮放送を継続していく」と述べた。
これに先立ち、北朝鮮は午後3時53分と4時12分の2度にわたって、京畿道漣川郡中面(キョンギド・ヨンチョングン・チュンミョン)一帯に14.5ミリ高射砲と76.2ミリ直射砲を撃ち、韓国軍は155ミリ自走砲で対応射撃を行った。南北が砲撃戦を行ったのは、2010年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃戦以後4年9カ月ぶり。国防部当局者は「北朝鮮軍が高射砲を撃った直後、味方の対砲兵探知レーダーで砲弾の軌跡を捕らえた」とし「軌跡を分析している間、北朝鮮軍が直射火器で攻撃を行った」と述べた。
この当局者は「正確な原点は把握できなかったが、北朝鮮軍が非武装地帯(DMZ)の中に重火器を持ち込み攻撃したものと承知している」と付け加えた。北朝鮮軍の1回目の砲撃である高射砲弾は、この地域を管轄する韓国軍6軍団の射撃場近隣の山に落ち、直射砲はDMZの中に落ちたため軍や民間人に被害はなかった。
合同参謀本部は北朝鮮軍の砲撃直後に該当地域の対北朝鮮警戒態勢を強化し、全軍に非常警戒態勢を維持するよう指示をした。軍関係者は「人命被害が発生していないことから、休戦ライン(MDL)の北側500メートル地点に北朝鮮軍にわが軍の報復意志を示すために30余発の自走砲を撃った」とし「北朝鮮軍の射撃原点打撃には失敗した」と話した。同日砲撃戦が繰り広げられた地域には対北拡声器が設置されているという。北朝鮮は「南側が36発の砲弾を発射した」とし「そのうち21発は味方の哨所付近に落ちた」と話した。
朴槿恵(パク・クネ)大統領は同日午後6時ごろ、青瓦台(チョンワデ、大統領府)で国家安全保障会議(NSC)緊急常任委員会を主宰して「断固として対応し、軍は万全の対備態勢を維持すると同時に住民の安全と保護に万全を期すように」と指示した。
(中央日報、8月21日)

南北ともに対内的理由から小規模紛争を望む空気があり、意外と戦闘が本格化する可能性を秘めている。北は軍に対する統率強化、南は政権求心力維持への欲求が強いだけに、「ちょっとくらいの戦闘はむしろ好都合」という思惑が働くからだ。
北朝鮮では、この間旧体制派(金正日の側近)に対する粛清が続いており、それが一段落して新体制下で党・軍内における求心力を高める「何か」が欲しいところと考えられる。
韓国は韓国で、朴大統領の求心力が低迷しているだけでなく、対日関係が完全に冷却化しており、米国との関係(米側の対韓関与の現実性)も微妙になっている。ここで北との小規模紛争が発生すれば、小規模な限りにおいていずれの問題も、一時的にではあるが解決する可能性が高いだけに、朴政権にとっては魅力的な選択肢になっている。さらに韓国経済が低迷する中で、軍事産業からも兵器をアピールする機会が望まれている。

史実で言うなら、盧溝橋事件や上海事変、あるいはノモンハン事件や金門紛争(1958年、台湾海峡)などが状況的に類似している。武力を有する二者が緊張状態にあり、かつ両者がともに低強度の紛争を望んでいる(望む有力な勢力が存在する)、という状況である。この場合、偶発的な戦闘が勃発した際にブレーキ機能が非常に弱まるため、本格的な武力紛争に発展する様々な要素が浮上することになる。

常識的に考えれば、「朴大統領は中国(抗日戦争式典)に行くな!」という北朝鮮側のサインなのだろうが、もう少し裏がありそうだ。近々、中国軍による何らかの軍事行動があるのかもしれないし、ウクライナ紛争が再燃するのかもしれない。そこは分からない。ただ、各国諜報機関が「8月24日に大事件が起きる」と血眼になって情報を集めているという話もあり、何かしらの関係があるのかもしれない。
posted by ケン at 12:53| Comment(4) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする