2016年01月04日

ねずみ達と魔法使い

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“Mice and Mystics” Plaid Hat Games(2012)

年末の「ゲーム納め」は「ねずみ達と魔法使い」となった。ドイツゲーム全盛の今日ではやや珍しくなった米国製ボードゲーム。骨格的には「ディセント」に近い、ファンタジーRPGを基盤としているが、専属のゲームマスターは置かず、モンスター(配下)はルーチンに従って自動的に動く仕組みになっている。

国王が遠国から後添いとなる王妃を城に迎えたところ、実は魔女で私兵をもって王城を占拠し、王と側近を幽閉、主人公となる王子らも牢に入れられてしまう。そこで王子は魔法使いの助けを得て自らの姿をネズミに変えて危機に対して立ち上がる。

キャラクターは、王子コリン、鍛冶屋ネッズ、医者チルダ、魔法使いマギノス、ならず者(盗賊)フィルチ、弓手リリィの6人で、この中から4人を選んでプレイに参加する。一方、敵方(魔女側)は、ネズミ兵士、巨大クモ、ムカデなどが主人公の前に立ちふさがり、さらに城中を徘徊する獰猛な雌猫がキャラクターに襲いかかってくる。
また、キャラクター毎に職業が設定されていて、その職業毎に技能(スキル)が選べるが、レベルアップすると、使えるスキルも増えてゆく。シナリオの難易度は常に高く、このキャラクターと技能の選定と、シナリオの特徴、そして運がマッチングしないと、まずクリアできない。この日、2つのシナリオを2度ずつプレイして、クリアしたのは一度だけ、しかも「寄り道」しないという条件を考えれば、近年流行の「無理ゲー」と言えるだろう。
シナリオは、基本セットの本作だけで11本もあり、1シナリオプレイするのに2時間前後かかる上に、まずもって一度ではクリアできない「無理ゲー」であることを考えれば、相当長くプレイすることを想定しているのだろう。

「無理ゲー」な理由は、シナリオ毎に設定されている時間制限前にクリアすることが条件なのだが、戦闘や探索を繰り返すことで時間がどんどん過ぎて行くからだ。同じ「無理ゲー」の「アンドールの伝説」の場合、戦闘しないことで時間の経過を抑制できるが、本作では敵を倒さないと次の部屋に進めないため、いかんともし難いところがある。そして、部屋を探索してアイテムを装備して、戦闘力を強化しないと後に現れるボス戦で歯が立たなくなってしまうため、「これどうやってクリアするんだ?」と思わなくも無い。
その意味では、「力業」な傾向は否めないが、キャラクターのスキルの中には時間をコントロールできるものがあるため、それを上手く使う必要がある。ただ、キャラを選択する上で、どうしても戦闘力の高いキャラを選びがちとなるため、そのバランスが難しい。

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最初のシナリオは、牢に入れられたキャラクターらが下水道を通って城から脱出するまでを描いているが、下水に流され、ネコに襲われで、あっという間に制限時間が来てしまう。2度プレイしてクリアできず、とりあえずテスト的に次のシナリオをプレイすることに。2本目は、「弓手リリィ」が城中のねずみ取りに引っかかっている(文字通り)ということで、救出に行くシナリオ。こちらは2度目でクリアできたものの、「ならず者フィルチ」のスキルを駆使してギリギリという有様だった。
ルール自体は簡単だが、ゲームの難易度は高いという、これも最近の流行だろう。

戦闘の多彩さの点では「ディセント」、協力ゲームとしての完成度としては「アンドール」に及ばないかもしれないが、個々のキャラクターが立っており、難しく考えないでワイワイやるには楽しいだろう。2作よりも対象年齢が低めに設定されているからなのだろうが、子どもにこれがクリアできるのか、疑問は残る。
最大の難点は、英語版しかないため、英語と格闘しなければならないところ。コンポーネントも良く、良い作品であるだけに、日本語版が欲しいところである。
posted by ケン at 12:28| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする