2016年01月09日

押井はやっぱ押井だった−ダメな2本を連続で

以下、ネタバレあり。要注意。

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『東京無国籍少女』 押井守監督 日本(2015)

昨夏のロードショー時に見ようかと思ったまま忘れていたところ、同志に指摘されて思い出し、DVDを借りて見た。レンタルなんてシステムも間もなくなるんだろうなぁ。
「押井映画だからな」と期待しないで見たら、やっぱり残念だった。
例のごとく、現実と妄想が混濁する世界を描くが、現実に戻るのはエンディングの時だけ。押井映画の面白さは、「現実と妄想の狭間・揺らぎ」にあったはずだが、本作は殆ど妄想の中で終わってしまっている。引き戻された現実も何だか陳腐だし。
映画の宣伝は「衝撃的なラスト15分」となっているが、それまでの70分間がいかにもダルいシーンが延々と続くので、往年のヤクザ映画のような「来るぞ来るぞ」というテンションが上がっていく感覚も無く、唐突にアクションが始まる。何だか「70分ガマンできたね、御褒美あげるよ」という感じ。
アクションは、国産品としては「十分」だが、香港映画やタイ映画を見慣れたものからすれば、「良く頑張りました」というレベル。確かに清野菜名氏はがんばっていて、不満は無いのだが、何と言うか押井氏の「女子高生に銃剣戦闘やらせたらカッコイイんじゃね?」がミエミエなのだ。ロシア語、ロシア兵、ロシア製兵器、ロシア軍糧食とロシアづくしなところも趣味なのだろうが、ロシアでなければならない理由が分からない。
まぁ「やっぱりこんなものか」という話。

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『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』 押井守監督 日本(2015)

実写版パトレイバーは、「がっかり」が分かっているだけに避けてきたのだが、この期に「毒を食らわば皿まで」と思い見てみることにした。でも、やっぱり残念だった。
こちらは、押井色丸出しではなかったものの、実写でなければならない理由がサッパリ分からない。劇場版アニメが名作だっただけに、さらにガッカリ感が大きい。まぁアニメを見たのは20年前なので記憶が美化されている可能性は否めないが。
本作も相変わらず冒頭から中途までのダラダラ感がハンパ無いし、銃撃シーンは尺が長い割に日本クオリティ。レイバーは整備不良で3分しか動かず、そのレイバーで戦闘ヘリと戦うとか、無理矢理な設定だらけ。演出も演技も、アニメをそのまま実写に転じたものみたいで、違和感ばかり覚える。
敵であるテロリストの目的も行動原理も不明だし、その正体すらあやふや。まぁ押井氏的には、「テロリストなんだから理解できないのは当然」ということなんだろうけど、攻殻機動隊の非押井作品が名作なのは、敵方の目的や行動原理がしっかり設定されているからではなかろうか。戦闘ヘリ一機で「首都住民1000万人が人質に取られた」と大騒ぎする点も、分からないではないが、「何だかな〜」と思ってしまう。
見所は、太田莉菜氏のロシア語とアクションくらいなものか・・・・・・
とりあえず劇場版アニメでお口直ししなければ!

【追記】
日本では何故アクション映画が撮れないのだろうか。とりあえずドイツ人の監督にドイツ・クオリティで、『激動の昭和史 沖縄決戦』をリメイクしてもらうところから始めるべきだ!
posted by ケン at 18:00| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする