2016年01月19日

世代交代のタイミング

【民主重鎮、相次ぎ引退 輿石・北沢・江田氏… 世代交代の波】
 夏の参院選を機に、民主党に世代交代の波が押し寄せている。政権時代に党幹事長を務めた輿石東参院副議長(会派離脱中)が改選となる参院選に出馬しない意向を固め、ほかにも70代の閣僚経験者らが続々と引退を表明しているためだ。
 夏の参院選で改選を迎える70歳以上の民主党参院議員は6人。このうち輿石氏に加え、北沢俊美元防衛相、江田五月元参院議長、直嶋正行元経済産業相が引退。残る前田武志元国土交通相は引き続き比例で出馬し、今回から改選数が2から1に減る新潟選挙区選出の田中直紀元防衛相は比例に転出する。ただ、非改選議員に70歳以上は1人もおらず、党の若返りは一気に進むことになりそうだ。
 岡田克也代表は15日、都内で記者団に対し、後継候補にめどがついた北沢氏ら3人の引退について「立派な見識を持った方々で、非常に惜しい」と述べた。同時に「世代交代ということもあって判断されたことだ。尊重されなければいけない」と語り、後継者の当選に向けた協力を求めた。
 衆参同日選が取り沙汰される中、焦点となるのが衆院のベテラン議員の去就だ。菅直人元首相や横路孝弘元議長ら当選10回以上の議員に対しては「勇退していただければ世代交代を進めるチャンスになる」(若手)との声も出ている。かつて中枢を担った重鎮から若手への世代交代が進めば、いまだに引きずる政権時代の負のイメージの払拭につながる可能性もある。
(1月16日、産経新聞)

民主党の大物議員が続々と引退する。参議院では、輿石(教組)、北沢(保守)、江田(社民連残余)、直嶋(自動車)氏らが引退表明し、衆議院では横路(節雄の息子)、赤松(勇の息子)、川端(ゼンセン)氏らの引退が取り沙汰されている。もっとも衆院の方は、後継選定が進んでいないため、衆参同日選となると間に合わずに「もう一度」となる可能性もある。

古来、世襲や世代交代のタイミングとは難しいもので、王政や封建領主が倒れる最大の理由は後継をめぐる混乱にある。それは、現代日本の選挙制度にすら当てはまる。日本の場合、比例代表制ではなく選挙区制が主であるため、「地盤、看板、カバン」の「3バン」が選挙の当落を大きく左右するためだ。それは中選挙区制でこそ著しかったが、小選挙区制でも基本的には変わらない。

本来、世襲は当主が健在のうちに後継者に譲って隠居するケースの方が上手く継承できる上に全体的に不満も少なく済む。当主の威光をもって後継指定すれば、堂々と否を唱えるのは難しく、後継者に不満があるものでも隠居に訴えるというルートも残されるためだ。だが、頭では分かっていても思ったようにはいかないのが世の常。
戦国大名として名をはせた武田信玄も、長男を廃嫡した後、勝頼を正式な後継とせずに「、孫・信勝の後見」という曖昧な立場にしたまま死亡した結果、勝頼は「当主の名代」という形で采配を振るうことになり、家臣の統制が緩んでしまった。徳川家康や黒田如水のように、息子に家督や地位だけさっさと譲って実権や影響力を保持している方が上手く行くのだ。

もっとも、国会議員の場合は選挙のタイミングでしか世代交代できないため、参議院なら6年後を見越す必要があるし、衆議院に至ってはいつ選挙があるか分からない。本来であれば、有利な時に権力移行するのが最も望ましく、実際自民党は2012年の「消費税解散(民主崩壊)」時に多くが世襲に成功している。これは、自民党に権力世襲の知見があるためで、「勝てる時に世襲を果たす」ことの有利が理解されていたためと見られる。だが、民主党にはこうした知見が無いため、2010年の菅政権時のような「まだ有利」という時に世代交代を果たさず、「自分が出るなら勝てるから」という理由でベテランがこぞって出馬した結果、全く勝ち目の無くなった今日になって皆引退し、「ぺんぺん草一本残らず」になりかねない情勢となっている。
勝てそうな時に引退する大物の支援を受けるからこそ、優秀な後継者も名乗りを上げる可能性があるが、全く勝ち目が無いとなると、誰も後継志願するものがおらず、自然消滅するところとなる。参議院でいえば、長野や岡山は社会党色が強かったり、保守が分裂していたりと他に比べれば有利な条件があった地域なのだが、現状のように彼我の戦力差が隔絶してしまうと、どうにもならないだろう。
posted by ケン at 12:44| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする