2016年07月07日

やっぱ若年層はジミン?

【自民、比例第1党の勢い…10代の半数与党支持】
 読売新聞社が実施した終盤情勢調査では、比例選(改選定数48)は自民党が序盤情勢調査から伸ばし、2013年参院選に続いて比例選第1党をほぼ確実にする勢いだ。与党で比例選過半数をうかがう。民進党など野党は反転攻勢をかけられていない。自民党は13年参院選並みの18議席獲得も視野に入ってきた。年齢別に見ると、全世代で他党を上回る支持を得ている。特に若年層に強く、18、19歳は5割近くが自民党を支持している。18、19歳は安倍内閣の経済政策を6割弱が評価していて、30歳以上の世代よりも10ポイント以上高くなっている。自民党は20歳代で4割強、30歳代でも4割弱の支持を集めている。新たに選挙権を得た18、19歳は、半数以上が与党を支持している。
 公明党は序盤調査の勢いを維持し、13年参院選で獲得した7議席を固めつつある。公明支持層の9割に加えて自民支持層の一部を取り込んでおり、選挙区で自民党候補を応援する代わりに、比例選で公明党に票を回してもらう選挙協力が一定の成果を上げていると言えそうだ。
 民進党は序盤調査から伸び悩んでいる。民進支持層の8割強を固めて2桁の議席獲得を射程圏内に入れたが、無党派層の支持は序盤調査に比べ自民党に迫られている。年齢層が高くなるほど支持を集める傾向にあり、18〜29歳の支持は1割だったのに対し、60歳以上では2割弱だった。
 共産党も60歳以上から1割弱の支持を集めるが、若年層に浸透していない。13年参院選で獲得した5議席からの上積みを狙うが、序盤調査以降の勢いは弱まっており、比例選第3党争いでは公明党にリードを許している状況だ。
 序盤調査で近畿地方を中心に健闘して複数議席を確実にしていたおおさか維新の会は、東日本でも支持を広げつつある。70歳以上を除く全世代でまんべんなく支持を集め、4〜5議席の獲得も見えてきた。
 社民党と生活の党は序盤調査からほぼ変わらず、議席獲得の可能性を残している。その他の政党・政治団体は議席を獲得できるかどうか微妙だ。
(7月6日、読売新聞)

ヨミウリの調査なだけに慎重な取り扱いが求められるが、若年層ほど野党に冷たく、自民に親和的というのは、私が抱いている印象と一致している。
私の周囲の左翼人たちは、みな「シールズ大好き」で、「若い人が頑張っている」と持ち上げているが、現実にはロシア革命期のボリシェヴィキ(意味的には多数派)並みの少数者でしかない。
現に低中レベルの大学で教えている私の知人たちは、こぞって「学生は政治に関心などない」「学生に何か聞いても、テレビのコメンテーターの受け売りで、安倍政権のどこが悪いのですか、デマで政府を攻撃しているのは野党の方では?と返される」などと証言しており、こちらの方が私の直観に適合している。

1960年代の学生運動は、エリート予備軍が政治的疑義を提唱し、その挫折と大学の大衆化に伴って運動も衰退していった。今日のシールズなども一部のエリート予備軍が「民主主義の危機」に対して立ち上がった形だが、「エリート予備の反体制派」という「少数者の中の少数」に終わってしまっているが故に、どこまでも孤立してしまっている。実際、シールズなどの勢力が学生間に大いに拡大しているという話は耳にしない。
デモクラシーは主権者間の平等に、権力の正統性を置いているが、経済格差が深刻化し、平等性が侵害されている今日、その正統性が揺らいでいると見て良い。
近代国家の命題は、例外なく工業化(経済成長)にあり、それは権威主義国家であれ、民主主義国家であれ同じだった。だが、いざ工業化が実現すると、国家は命題を失うと同時に権力の正統性が危機を迎えた。この危機に際し、西側は消費社会とグローバル化で乗り越えるが、ソ連・東欧ブロックは産業構造のシフトに失敗、権威主義国家の権力源泉である権威そのものが国民の信頼を失って瓦解していった。
他方、西側は産業構造のシフトに成功したものの、今度はグローバル化と激しい自由競争にさらされる中で、経済格差と貧困が進行、民主主義国家の権力源泉である平等性を喪失しつつある。そして、平等性の喪失に対して、現行の政党や議会がほぼ無力であることが、デモクラシーへの不信となり、権威主義や排外主義への支持の源泉となっている。
(中略)
今の日本を見た場合、自民党と霞ヶ関は、自由経済を維持しつつ、民主主義を否定して権威主義化することで、社会保障を切り捨てて危機を乗り越えようという選択肢を示している(明言しないところがタチが悪い)。これに対して野党は、「自由と民主主義を守れ!」で合同・協力を図ろうとしているわけだが、これは米国のヒラリー氏やソ連共産党保守派の主張と同じ文脈のものでしかなく、現状の諸課題への対応策にはなり得ない。一定の既得権益層には訴求力があるとしても、既得権益から外れた貧困層には「エリートのボヤキ」程度にしか聞こえないだろう。こうした状況は、歴史的に見た場合、昭和期の社会主義政党の中で「反戦平和」を訴えた日本無産党が支持を得ず、「広義国防」を訴えた社会大衆党が競争に勝ったケースが傍証となる。
自由民主主義の終焉

若年層の支持を得るためには、対外タカ派と労働・再分配政策の組み合わせで勝負するのが最も勝率が高いと考えられるが、これはまさに戦前の社会大衆党の路線であり、歴史を知るものとしては全く笑えない状況になっている。
posted by ケン at 12:24| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする