2016年07月14日

都知事選2016の行方

【鳥越、増田、小池氏ら16人届け出=政治とカネ、五輪で論戦】
 舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選が14日告示され、新人16人が立候補を届け出た。都知事が2代続けて「政治とカネ」をめぐる問題で任期途中で辞職したことに加え、舛添氏が高額な海外出張費や公用車の私的利用で厳しい批判を浴びたことから、知事としての資質や都政の透明化が主な争点となる。31日に投開票される。2020年東京五輪・パラリンピックの開催費負担や、待機児童解消をはじめとする社会保障政策、首都直下地震に備えた防災対策をめぐっても論戦が始まった。立候補したのは届け出順に、元キャスターでジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=、前岩手県知事の増田寛也元総務相(64)=自民、公明、こころ推薦=、自民党前衆院議員の小池百合子元防衛相(64)ら16人。事実上、3氏を軸とした戦いとなるとみられる。与党陣営は自公両党が推薦する増田氏と、自民党都連への対決姿勢を打ち出す小池氏がぶつかる17年ぶりの「保守分裂選挙」に突入。社民を含む野党4党は、鳥越氏を統一候補として全面支援する。都政の課題をめぐり、鳥越氏は「やるべきことは予算の見直し。少子高齢化に手を打つ」と主張。増田氏は「地方と共存共栄する東京に切り替える」、小池氏は「女性が輝く社会を東京で実現したい」などと訴えている。
(7月14日、時事通信)

違法行為が確認されていない舛添氏をメディア・スクラムによって追放しての都知事選。
鳥越氏の「後出し」ぶりが際立っており、旧式左翼は「宇都宮氏が辞退してくれたので、これで勝てる」と大喜びしているが、コトはそれほど単純では無い。

13日に国会内で開かれた鳥越氏出馬の「市民集会」は、数十人ほどしか集まらず、しかもいわゆる「プロ市民」が仕切っており、政党関係者が苦々しく見ているという代物だった。
前回の都知事選でも、細川選対はいつの間にか「政治浪人の魔窟」と化して、主導権争いして醜い内部対立に終始し、誰が責任者なのか分からないという始末だったという。政党が責任を持って擁立しないと、指導権が確立せず、まともに選挙できない状態に陥りがちだが、統率を優先しすぎると、今度は純粋に応援に来た市民を排除して、求心力を失ってしまうリスクがあり、非常に難しい。

宇都宮氏の出馬辞退も、氏を応援してきた人たちには強い不満を残した形となっている。前日に出馬宣言して「政策はこれから」と言うような候補のために、何年も準備してきた人が辞退するのだから、その不満は当然だ。鳥越氏は、宇都宮氏の公約の大半を受け入れるくらいの覚悟が必要だった。従って、宇都宮票がそのまま鳥越氏に入るとは限らない。

また、民進党都議団は、二転三転しながらも何とか古賀氏の擁立にこぎ着けたものの(人選の妥当性はともかく)、告示前々日になって岡田代表から「鳥越でやれ」と命ぜられ、泣く泣く古賀氏に辞退を申し入れる形となり、完全に面目を潰された。元はと言えば、独自候補も立てられないのに、前知事の追放に手を貸した自分たちの責任ではあるものの、彼ら的には、「じゃあ、党本部で勝手にやってくれ」と完全に士気を萎えさせている。民進党都議団の力など大したものではないかもしれないが、前回の厳しい選挙を生き延びた「強者」たちなだけに、これが中立化してしまうのは痛いだろう。

そして、連合東京は自主投票を決めた。もともと同盟色が濃い上に、大した影響力も持たないのだが(ホワイトカラーの労組は殆ど動かないから)、それでも大勢を占める同盟系が増田氏の支援に回り(原発推進)、微々たる勢力しか無い総評系(東京の公務員組合は共産党系が多い)が鳥越氏支援という、分裂選挙になっている。そもそもこのスピードで、鳥越氏のポスターを作成して、都内全域に貼り出す態勢がつくれたのか、私のところには動員要請すらなかっただけに心配になる。まぁNK党が全部やったのかもしれないが。

候補者の個人的資質についても、鳥越氏は大病を抱えた76歳ということで、ゲーマーとしては『クレムリン』で病気を抱えた最長老の書記長を思い出さずにはいられない。果たして、彼に17日間の過酷な選挙戦をやり遂げられるのか、深刻な課題が山積みの、しかも「十常侍」と化した独善的都官僚が跋扈する都庁で都知事の仕事に耐えられるのか、疑問を抱く人は少なくないだろう。実際、街頭演説において、巨大スピーカーを使っても声が遠くまで届かないという。
また、「参院選の結果を見て危機感を抱いた」の出馬表明も、旧式左翼たちには受け入れられるだろうが、個々の東京都民には関係の無い話である。これはあくまでも地方選挙・自治体選挙であり、それに相応しい政策やスローガンを提示すべきだった。

とはいえ、相対する「有力候補」も弱い。増田氏は、岩手県知事として恥ずかしい業績しか残しておらず、自民党都議団の「操り人形」として大放漫財政を期待されているだけの存在であることがミエミエなだけに、全く広がりに欠けるだろう。舛添前知事を出した自民党の「後継」という点でも、説明が苦しく、支持が広がるとは思えない。

一方、小池女史は、小泉純一郎ばりに派手な出馬表明を行ったものの、いかんせん女性からの嫌われ具合がハンパなく、どこまで支持が広がるか、そもそも誰が選挙実務を担うのか、不明な点が多い。

結局は知名度で鳥越氏が勝利するかもしれないが、個人的には「10年前ならともかく、今さら鳥越?」「都知事の激務は無理だろう」「政策無しで知名度頼みかよ(青島を思い出す)」と色々思うところがあり、やはり推薦する気にはなれない。口の悪い友人は、「外れしか入っていないくじ引き」と言っていたが、否定しがたいものがある。
posted by ケン at 12:33| Comment(5) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする