2016年08月22日

奴隷制度は廃止あるのみ!・続

【外国人雇用の違反最多=実習生受け入れ事業所調査―厚労省】
 厚生労働省は16日、2015年に労働基準監督署などが外国人技能実習生を受け入れた事業所5173カ所を調査し、7割に当たる3695カ所で労働基準法や労働安全衛生法などの違反を確認したと発表した。調査の集計を開始した03年以降で最も多く、前年比24.1%も急増した。外国人実習生を雇用する事業所は全国に約3万5000カ所あり、同省は一部を対象に立ち入り調査を実施して結果を公表している。安価な労働力として使える外国人実習生のニーズは人手不足の中で一段と高まっており、国内労働法制にうとい外国人の弱みにつけこんだ悪質な雇用実態がうかがえる。違反内容を見ると、労使協定を超える時間外労働を強いるといった労働時間関係が1169カ所、安全措置が講じられていない機械を使用させるなど安全基準関係が1076カ所、残業代の不払い・減額が774カ所あった。 
(8月16日、時事通信)

繰り返しになってしまうが、容赦されたい。
外国人技能実習制度は、これまでも多くの問題が指摘され、法改正もされているが、一向に改善されず、制度が拡充されるにつれて不正件数も増加しているものと見られる。「見られる」というのは、表面化している不正がごく一部に過ぎないためで、現実的には適正に運用している事業者の方が少ないと考えられるためだ。

と言うのも、同制度の名目である「日本の高度な技術を海外の若者に教えて、途上国の発展に寄与する」などということを、本気で信じて実践している事業者など殆どおらず、圧倒的多数は単純に安価で安定した労働力を求めているに過ぎないからだ。
同制度が本質的に外国人労働者や移民を否定する中で、欺瞞的に「技能実習」の建前で外国人を(多くの場合騙して)契約して連れてきて、強制労働に従事させることを目的としているからだ。私も、同制度に関連して、何度も陳情や相談を受けたが、そのほぼ全てが「いかに同制度の適用を受けて、安価で安定した労働力を確保するか」というものだった。より具体的に言えば、例えば、「介護労働に外国人実習生が使えるようになるのは何時からだ?」とか「自分の事業所に安価な労働力を入れたいので実習制度の適用の仲介をしてくれ」といったものだ。彼らの頭には、「日本の高度な技術を海外の若者に教えて、途上国の発展に寄与したい」などという発想は全く無い。これは断言できる。だからこそ、安価で安定した労働力を欲する、介護事業者とコンビニ事業者が、必至に政治工作して、同制度の適用を求めているのだ。
奴隷制度は廃止あるのみ!)

2010年に法改正される際に、論点として挙げられたのは以下の通り。

・技能実習名義なので労働法が適用されず、超長時間労働が横行している。
・同じ理由から賃金が支払われず、時給50〜300円程度の生活費のみが払われる。
・同じ理由から、労使交渉が許されない。
・パスポートが取り上げられ、実質的に軟禁下に置かれ、通信も制限される。
・外界との接触が制限されるため、司法などへの告発が難しい。
・移動の自由が認められず、3〜5年にわたって契約に拘束される。
・地域ぐるみで不正や虐待が隠蔽される。
・不正を取り締まる法制度が未整備で、監督主体もあいまい。
・不正を行った業者に対する罰則が非常に緩い(そもそも殆ど摘発されない)。


現状は、法改正が不正防止に寄与しなかったことを示している。
特に問題なのは、「実習名目のため労働者の権利が認められない」「移動や通信の自由が制限される」「地域社会全体で制度運用されるため不正が隠蔽される」点にあり、そこが改善されないのだから、不正がなくならないのは当然だろう。
だが、事業者側からすれば、「使い勝手の良い奴隷制度」だからこそ利用したいのであって、そこが「改善」されてしまっては制度を利用する価値が無くなってしまう。

現実には、同制度で来日した外国人の大半が、対日感情を悪化させて帰国、同時に国際社会から「現代の奴隷制」と非難されているのが実情で、国内的には競争力の無いゾンビ企業を同制度が延命させてしまっている側面もあり、事業者以外、誰にとってもプラスになっていないのだ。
現実政治で取り上げられる問題の殆どは、なかなか善悪二元論では判断できないものが多いのだが、外国人技能実習制度は数少ない「絶対悪」であり、問答無用で即廃止する他ない。
posted by ケン at 12:56| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする