2016年08月30日

液状化進む民進党−静岡の場合

【<民進静岡1区、解散>県連、新支部設立へ 次期衆院選 分裂】
 民進党静岡1区総支部が、26日の緊急役員会で大半の役員の集団離党と総支部の解散を決めた。党県連は新たな総支部組織を設立する構えで、次期衆院選は分裂して戦う構図となる。  1区総支部は役員会で、候補者として弁護士青山雅幸氏(54)の支援を改めて確認。会合後の記者会見で、総支部長代行の小長井由雄県議は、浜岡原発の廃炉を求める訴訟に関わっていたことを理由に党県連が青山氏を擁立しなかった経緯を説明し、「県連と党本部が、(党を)一番底で支える総支部の意思を尊重しなかった」と批判した。
 一方、党本部は元会社役員福村隆氏(52)の擁立を決めている。党本部の決定を支持したため、この日の役員会への出席を認められなかった鈴木智県議は「残念の一言だ。党本部の結論に従ってまとまりたかった」と話した。党県連の岡本護幹事長は「離党、解散は熟慮した結果であり、止めるものではない。残った人たちで新たな気持ちでやっていく」と話した。
(8月27日、静岡新聞)

民進党で内部崩壊が進みつつある。
静岡で起きた本件の場合、地元支部が脱原発派の弁護士を擁立したことに対し、連合静岡が大反発、連合系議員が役員の大半を占める県連で公認を拒否された。その静岡県連は、別の候補を立て、支部との調整も不十分なまま本部に公認申請したところ、事情を十分に把握していない本部がそのまま認めてしまった格好となった。
構造的には、脱原発運動を始めとする市民派と原発を推進する労組・連合派が派閥抗争を行い、多数派の後者が少数派の前者を実質的に追放した形と言える。

問題となった衆院選候補を比較すると、支部が擁立した青山氏は、消費者問題、医療訴訟、行政訴訟などをライフワークとする地元の弁護士であるのに対し、県連・連合が擁立した福村氏はメリルリンチ証券の役員を長く務めた金融エリートである。
候補者の人柄や人物像までは分からないが、どう考えても青山弁護士の方が野党第一党である民進党に相応しい、「国民生活に密着した」候補であり、金融エリートの福村氏は「なんで自民党じゃ無いの?」と首をかしげざるを得ない候補と言える(いかにも旧民主や「みんな」が好みそうな出自なのだが)。

もともと民主・民進党の組織運営はトップダウン式な上に非常に閉鎖的で、肝心の「トップ」は労組・連合系の議員が大勢を占めているため、意思決定がクローズドな上に硬直的な傾向が強い。特に、民主党政権の瓦解を経て、基盤の弱い市民派議員の多くが議席を失ったため、現在も議員に地位にあるのは連合系議員ばかりになってしまっている。
特に静岡の場合、自動車や電機などの民間労組が非常に強い影響力を持ち、原発にもリニア・空港にも集団的自衛権にも賛成しているため、殆ど自民党の別働隊(衛星政党)の様相だ。

それでも、まだ話し合いが持たれ、支部の決定を尊重する県連は団結が保たれているが、静岡のように労組系が圧倒的な影響力を有する県連の場合、少数派を強圧しにかかるので、集団離党・分裂するほかなくなる。こうしたケースは、表沙汰になっていないだけで、民進党が全国で抱えるリスクだと考えられる。2年以内に総選挙が行われることや、NK党との共闘問題も考慮すれば、今後も同様の事件が起きる可能性は十分にある。
実際、沖縄は組織そのものが消失、大阪もほぼ壊滅状態にある。

なお、私事で恐縮だが、ケン先生も離党届を提出した。理由は、舛添問題が起きた際に、後輩である党支部幹事長の都議に電話して、「絶対舛添を辞任させるな、より酷い都知事が出てくるのは間違いないから」と忠告し、「おっしゃる通りです、大丈夫ですから」との回答を得た翌々日に、「舛添ケシカラン、不信任決議に賛成する」という記者会見をやっているのを見て、ブチ切れて「説明しに来い!」とメールしたものの、その後なしのつぶてになったからだ。これは直接的な原因に過ぎず、もともと支部会議も開かれない、日常活動も無い民主・民進党の党員であることに「党費を取られているだけ」という強い不満があったことが大きい。
国政ではただでさえ立ち位置不明なところに維新残党と合流したことでますます野合が進み、「自民党に行けなかった」二軍的エリート人材ばかりの議員構成にも不満があり、私自身も有権者に対して説明責任を果たせなくなりつつあることに自責の念を強くしていたことも影響している。

ぶっちゃけ民進党は解散・再編すべきである、というのが率直な感想だ。
posted by ケン at 12:29| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする