2016年08月31日

部活動の全面廃止に向けて・続

【新人教員「過労死ライン」超え 部活指導が負担 名古屋】
 今年4月に新たに着任した名古屋市立中学校の新任教諭の「残業時間」が、月平均で100時間に迫ることが愛知県教職員労働組合協議会(愛教労)の調査でわかった。国が定める「過労死ライン」(月平均80時間)を超えていた。主な要因には、部活動の対応などがあるという。
 愛教労が22日、発表した。市立中の教諭はパソコンで出退勤時間を記録しており、市教委が行った初任者研修会の対象者65人全員分のデータを愛教労が分析した。勤務時間(午前8時15分〜午後4時45分)以外の在校時間を「残業」と見なした。
 月別平均は赴任直後の4月が93時間、5月が89時間、6月が98時間で、毎月20人以上が100時間超だった。最多では4月に177時間、6月に197時間の教員がいた。ほとんどが部活顧問を担当していた。
(8月23日、朝日新聞)

中高の教員は授業後に部活指導をして、それが終わってから各種事務作業と翌日の授業準備をするので、普通に夜10時以降まで「残業」になってしまうが、教職員の給与には「教職調整金」が含まれているため残業代が出ない。そもそも部活動は、正式な職務ではないため、「業務」として認められるのかどうかも定かでは無いという事実があり、問題をこじらせている。

ディープな部活になると、土日も練習、大会、合宿などがある上、当然のように代休も無いため、大会前などになると下手すると「一カ月間休みなし」のような状態に陥る。担当した部活動によって、教員の時間的余裕に大差が生じることも問題だ。

さらに深刻なのは、残業が月100時間以上になると産業医の面談・診察を受けなければならなくなるため、残業報告を同100時間未満に偽装している事実があること。これも「ごく当たり前」に行われているようだ。上記の記事でも、平均残業時間が「100時間のギリ手前」であることも傍証となる。

別の調査では新任教員の6割以上がクラス担任を任されており、3年以内の退職が高止まりすると同時に、全体的にも精神不調による休職者が増加、教員定数を満たせない学校が多くを占め、それを臨時教員がカバーするが、その臨教の待遇は恐ろしく悪く、教職の質を悪化させている。

教員の勤務時間に占める部活動の割合は10〜20%に上り、これに学校行事とクレーム対応を合わせると軽く30%を超える。日本における教員の平均勤務時間は週約55時間で、この30%を削除すると38時間になって、OECD諸国平均となる。同時に、勤務時間に占める授業関連の割合は5割超に達するが、これはまだOECD平均の65%には届かない。教員を授業に集中させるためには、まだまだ「ムダ」を排する必要があるが、まずは最低線として学校の部活動を全面的に廃止する必要がある。

学校は「市民として社会生活に必要な知識を習得する」空間であり、部活動はその目的を阻害してまでやらなければならないものではない。学校教育の本来目的に反するものは全面的に整理し、本来目的である学習のパフォーマンスを向上しなければならない。劣悪なパフォーマンスの教育を受けて、損をするのは大人や保護者では無く、子どもたち自身であるが、子どもは政策判断や意思決定に参加できるわけではないため、我々がその責を負う必要がある。
posted by ケン at 12:09| Comment(4) | 教育、法務、司法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする