2016年09月02日

民進党代表選挙2016の初期情勢

民進党代表選挙が告示された。
参院選、都知事選と続いてようやく一息ついたところにまた選挙。源文マンガばりに「戦士には休息が必要だ」と言いたいところだが、「もう休んだだろう」と言われれば致し方ない。
だが、前回の代表選から1年半で代表が辞任しての選挙であり、そもそもこんなにコロコロと党首が替わる野党第一党に支持が集まるとはとても思えない。支持が安定しないからこそ、代表のクビがコロコロ替えられるという点では、悪循環に陥っている。一つには、代表任期が2年と短く、短期的な成果を挙げるべく目先の目標に血眼になってしまって、長期的視野に欠けるところが大きい。せめて衆議院の任期期間中は代表選をやらないとか、任期を3年にするなどの改革をする必要があるのではないか。

今回の代表選は、都知事選の最中に野田元首相が岡田氏に「次の代表選で君は推さない。うちの蓮舫で行く」と宣言したことを受け、岡田代表が「もはやこれまで」と都知事選投票前日に不出馬表明したことに端を発している。その背景には、参院選でこそ1千万票をとったものの、支持率自体は長期低迷している民進党に対する、「岡田代表では全く新味が無く、自民党の対立軸たりえない」とする不満の高まりがある。同時に野田派としては、NK党などとの野党連携への強い不信もあった。
蓮舫氏自身は、前回の代表選の時も出馬の意向を示していたが、推薦人が集まらずに断念したが、今回は岡田執行部を引き継ぐ形で代表選に臨んでいる。

構図としては、野田派を中心とする岡田執行部に連合系の議員が便乗する蓮舫氏、野田派を除く党内右派を糾合した前原氏、若手と菅派と維新残党の一部が支援する玉木氏の三人が争う形になっている。
だが、蓮舫氏は参議院議員であることと、人格的な問題から、特に衆議院議員の間ですこぶる評判が悪く、派閥の関係で応援している議員も消極的に見える。公表された政策・主張は党マニフェストのコピペに過ぎず、独自の主張が全く無く、「真空ぶり」を露呈している。一方で、産経新聞のインタビューでは、「私は野田佳彦ばりのバリバリの保守」などと宣言してしまっており、自ら「自民党の二軍」ぶりをアピールしてしまっている。ただ、政策とは無縁の自治体議員は「党の顔」として蓮舫氏を支持する声が圧倒的に強く、一般党員・サポーター票でも他を圧倒すると見られる。

前原氏は、かなり前から代表選出馬を準備していたようで、雑誌『世界』に掲載された対談では社会民主主義者かと思わせるほどの左傾ぶりを見せている。だが、実際の党内左へのアプローチはかなり遅れてしまった上、氏が代表だった時の「連合との関係を見直す」発言がいまだに尾を引いていて、その「前原嫌い」を払拭することはかなわず、前原氏本人の思惑とは異なり、「フタを開けてみれば右派ばかり」になってしまっている。それどころか、自派閥の議員で選対会議に出席しているのは数人という有様で、全く統制できていない。
そもそも「自民との対抗軸をつくるには左傾化するしか無い」という考えを具現化したのが、小沢・鳩山路線であったはずで、その2人を放逐した張本人が今になって同じことを言い出すのは、「笑止」でしかない。

三人目の玉木氏も、「若手」というだけで、そのスタンスはあくまで保守であり、本来は前原氏の系列にあった者だが、「旧人類の支配を脱する」という若手や「他に行き場所が無い」議員らの手助けを得て立候補に至っている。だが、知名度は低く、その政治力も全く未知数であり、党の運営や政策方針についてのスタンスも全く見えない。現実には泡沫扱いだろう。

全体的には、全く盛り上がりに欠ける選挙となっており、ごく一部の者以外は選挙自体を迷惑がっている節が強い。同時に、候補者の全員が保守系で、前原氏が左派寄りの主張をしたものの、現実の左派は「バリバリの保守」を宣言する蓮舫氏を支援、その左派も「勝ち馬に乗る」だけを目的としている有様で、個人的には「こんな代表選挙はむしろやらない方がいい」くらいの印象を抱いている。

票読み的には、蓮舫氏は一般党員・サポーター票と自治体議員票で他を圧倒しそうだが、最大票である国会議員への支持が広がらず、反発を強めそうな空気がある。前原氏は、党員・自治体議員に地味に支持されているので、基盤を固め、「蓮舫嫌い」票を集めることができれば、決選投票に持ち込めるだろう。決選投票になれば、二位三位連合が結成され、国会議員票の優位性が高まるため、蓮舫氏を上回る可能性もある。つまり、一回目の投票で蓮舫氏に「過半数をとらせない」ことがカギとなる。
現状では、一回目の投票で蓮舫氏が過半数を取りそうな気もするが、国会議員の「蓮舫嫌い」がハンパないので、決選投票にもつれ込む可能性も十分にある。現状はそんなところだろう。
総じて言えば、「とりあえず無難だが、何も変化が期待できない」岡田氏、「イケメンというだけで、強いところにすり寄ってばかりで能力的にも疑問な」細野氏、「弁舌だけは立つが、一匹狼でリーダーなど務まるわけが無い」長妻氏、「(比較的)若い女というだけの貴族院議員の」蓮舫氏という組み合わせなのだ。
私はもちろん仕事で特定の候補を支援することになるだろうが、「誰が良いの?」と聞かれれば、「イヤ、みんなダメだろう」と答えざるを得ない状況にある。それくらい民主党の人材は枯渇しているということなのだ。
民主党代表選2015の初期情勢) 
posted by ケン at 12:29| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする