2016年10月31日

ジェンダーギャップが世界111位

【日本の男女格差、111位に悪化 G7で最下位】
 ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は26日付で、各国の男女格差(ジェンダーギャップ)を比較した今年の報告書を発表した。日本は世界144カ国中111位となり、主要7カ国(G7)で最下位。前年の145カ国中101位から大きく順位を下げた。「経済活動への参加と機会」「政治への参加」「教育」「健康と生存率」の4分野の計14の項目で、男女平等の度合いを指数化して順位を決める。
 日本は教育や健康の分野では比較的格差が小さいが、経済と政治の両分野は厳しい評価を受けた。国会議員における女性比率で122位、官民の高位職における女性の比率で113位、女性の専門的・技術的労働者の比率で101位とされた。過去50年で女性の首相が出ていないことも、低評価の一因だった。安倍政権は2014年から「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げるが、報告書は日本について「教育参加などで改善が見られたものの、専門的・技術的労働者の男女比率が著しく拡大している」と指摘した。1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェーと北欧諸国が上位を占めた。近隣国では中国が99位、韓国が116位だった。G7ではドイツ13位、フランス17位、英国20位、カナダ35位、米国45位、イタリア50位だった。
(10月26日、朝日新聞)

「女性活躍」を掲げる国でジェンダー格差が広がってしまう現実。111位というのは、つい最近まで女性が1人で外出することも許されなかった中東某国よりも劣っており、いわゆる先進国で日本と同水準にあるのは韓国だけで、ともに儒教国であることは何かを暗示している。

ちなみに、衆議院における女性議員の割合は9.5%、今年1月現在で、世界の下院を比較した場合、191カ国中156位。地方議会を見た場合、昨年末の段階で女性議員の総数は4127人、総定数の12.3%。さらに女性議員が1人もいない議会は、全国1788議会中、368議会と20%以上に上る。議会別に見ると、2014年版男女共同参画白書によれば、特別区議会は25.9%だが、都道府県議会では8.8%、町村議会では8.7%と圧倒的に少ない。

まぁ女性議員が少ないから格差が縮まらないのか、格差が大きいから議員が増えないのか、そこは「卵が先か、鶏が先か」なのだが。
クォーター制などで強制的に増やすことは可能だが、女性議員を水増しすることにしかならない。自民党の女性議員の面々を思えば、あまりお勧めできない。代議制議会の水準を下げてしまうと元も子もなくなってしまうからだ。
ゲッベルス夫人やチェウシェスク夫人みたいなのばかりになったら、目も当たられないからな〜〜
posted by ケン at 12:51| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月30日

馬鹿というヤツがバカな話

【2島返還「馬鹿も休み休み言え」 野田・民進幹事長】
 与党幹部が解散風をビュービュー吹かすような発言を繰り返しています。自民党は、当選1、2回の若手を対象に「選挙塾」を開きました。独自の選挙区情勢調査も行うようです。そして、通常は1月に開催する党大会を、3月に延期しました。早期に衆院の解散・総選挙を行う状況証拠は、十分過ぎるくらいそろっています。(中略)この時期の解散・総選挙は極めて疑問です。(中略)2月にプーチン・ロシア大統領が訪日しますが、日露首脳会談で北方四島の帰属問題が進展するのではないかと、期待が高まっています。そして、そのことをもって信を問うという人もいます。果たして、この外交課題が信を問うようなことでしょうか。  仮に、国後、択捉、歯舞、色丹の4島のうち、歯舞と色丹の2島が返還されるとしましょう。これは全体の半分を返すという話ではありません。この2島の面積は、4島全体の約7%にしかすぎないのです。すなわち、約70年前に100万円を奪った強盗が、今ごろになって7万円だけは返してやるよと言っているのと同じです。馬鹿も休み休み言えってところです。  この程度の政治決断なら、歴代政権はとっくにやっています。笑止千万です。それを国民は外交成果として認めるのでしょうか。(24日付の(野田佳彦)ブログで)
(10月24日、朝日新聞)

自分が任期を1年近く残して解散したことを棚に上げて、安倍総理が2年で解散することを非難している。民進党のブーメラン体質はいまも健在であり、治りそうに無い。いわゆる「7条解散」は、民主党政権も同じ憲法解釈を採用しており、その解釈に基づいて解散を実施した(そして自党を大崩壊に導いた)張本人が、他者による行使を非難している時点で「天ツバ」になってしまっている。

日露外交・北方領土の下りに至っては、自分がなしえなかったことを棚に上げて、安倍総理による交渉を非難しているのだから、もはや人として間違っているとしか言いようが無い。しかも、間違った外交解釈を延々と述べることで、ますます恥をさらしてしまっている。

現状で日露が接近するのは自然な流れにある。アジアの孤児と化しつつある日本が、欧州の孤児となったロシアと手を組もうというのは、「嫌われ者同士」なのだから当然過ぎる話だろう。また、中国に対して「封じ込め戦略」を採用する日本と、対中依存を少しでも減らしたいロシアの思惑は、一致する部分が多い。また、大規模金融緩和とデフレにより企業や銀行に貨幣が滞留してしまっている日本と、欧米からの資金が途絶えて原油安が続くロシアという点でも利害が一致している。二国間の利害が激しく一致している今以外に、いつ交渉するというのだろうか。このことは、野田氏に全く総理大臣の資質が無かったことを示している。

また、野田氏はロシア(ソ連)を強盗に喩えているが、これも恐ろしく事実を誤認している。1945年8月10日あるいは14日に日本政府が行ったのは「ポツダム宣言受諾表明」だが、これは軍の作戦行動を中止させる法的根拠にはならず、それは休戦条約の締結をもって保証される。せいぜいのところ、休戦協定の締結交渉中は作戦行動が自粛される程度の話だろう。その休戦条約の締結が、1945年9月2日に先送りされたため、それまでの間、ソ連軍の侵攻を止められなかっただけのことだった。ただ、歯舞と色丹は、休戦協定の成立後にソ連が占領しているだけに違法性が問われる。故にソ連は、1955年の日ソ共同宣言で二島の「引き渡し」を約束したのだ。
その日ソ共同宣言には、
【賠償・請求権の放棄】
ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国に対し一切の賠償請求権を放棄する。
日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、千九百四十五年八月九日(ソ連の対日参戦の日)以来の戦争の結果として生じたそれぞれの国、その団体及び国民のそれぞれ他方の国、その団体及び国民に対するすべての請求権を、相互に、放棄する。

とある。つまり、休戦条約が成立する前にソ連が占領した国後島と択捉島に対する請求権を、日本はすでに放棄しているわけで、北方四島を要求すること自体、本来は日ソ共同宣言(正規の条約)に違背しているのだ。

野田氏は、総理・代表として民進党を大敗に導き、今度は幹事長としてまたぞろ大敗させようとしている。日露交渉に大反対している点でも、一体誰のために政治家をやっているのか疑われる。敢えて野党に残ることで、「弱い野党」を演出しようとする政権・政府側のスパイなのではないかという陰謀論すら感じられる。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月28日

連合が自民党と合一的である理由について

連合はなぜ自民党を支持しないのか」(何故か凄い読まれている)の補足の意味を込めて。

日本で初めて開催された本格的メーデー(労働組合が主催)は1920年のことだったが、その際掲げられたアピールは、

・8時間労働制の実施
・失業の防止
・最低賃金の導入


だった。その100年後を見てみると、

・12時間労働
・4割が非正規(不安定)雇用
・生活保護以下の最賃


である。さすがに大正時代に比べれば、法律や制度は整備されたものの、その実施は担保されておらず、特に非正規労働者の実態は大正期からどれほど進歩したと言えるのか全く自信が無い。その労働法制にしても、全てGHQ改革によってもたらされたものであり、労働運動の成果では無かった。ナショナルセンターの一つである総評からして、「民主化には、民主的なナショナルセンターが必要」との理由からGHQの肝いりで創設されたものであり、労働者が自らの階級性を自覚したことによって発現したものではなかった。
なお日本で初めて就業規則で8時間労働を定めたのは、川崎造船(現重工)で1919年のことだった。当時の川崎神戸造船所の労働争議は凄まじいものがあったらしく、あくまで労働組合が戦って獲得した成果だった。

国家として見た場合、戦前期かたくなに労働基本権を認めてこなかった政府だが、敗戦を経てGHQの指導下に入り、その強い指導を受けてようやく労働基本権の法制化を始めた。ところが、日本政府は現在に至ってもなお、ILOの国際労働条約第1号「8時間労働制の導入」(1919年)を批准していない。これが未批准なのは「古い条約だから」ではない。例えばグアテマラは1988年、チェコとスロヴァキアは1993年に批准しており、あくまでも日本政府の意志で批准していないことが分かる。恐らくは、「GHQに言われて仕方なくやったことだ!」という意思表示なのだろう。

とはいえ、戦後まがりなりにも労働基本権が認められ、ナショナルセンターが成立し、労働運動は60年代までには鎮静していった。これは、いわゆる戦後和解体制の成立が大きく寄与している。戦後和解体制は、資本が労働者の権利と待遇を保障する代わりに、労働者が資本に協力することで成立していたが、戦後復興と冷戦構造(社会主義陣営の存在)の中で資本側が妥協した側面が大きい。
日本では、企業福祉の充実が図られる一方で、労働組合の経営協力が進んでいった。これにより企業の安定経営が保証される一方で、個々の労働者の権利を保護するという労働組合の存在意義は急速に失われていった。
そして1990年代以降、社会主義陣営の瓦解を受け、戦後和解体制も急速に解体されていった。ソ連という敵が失われた以上、資本からすれば「飼い犬」に余計なエサをやる必要がなくなった。また、グローバル化の進展によって第三世界からの搾取が難しくなり、労働賃金の国際的フラット化が進んだことで、自国の労働者を搾取することでのみ利潤を上げることができなくなったという環境も大きく影響している。
90年代以降の構造改革により不安定雇用の割合は5%から40%に増え、労働組合の弱体化と「資本化」により違法労働や過剰な残業が放置されるところとなっていった。業務請負などの形態が増え、最低賃金すら適用されないケースも急増している。

そこで連合である。連合は、ナショナルセンターの総評と同盟が合流してできたものだが、この二つのナショナルセンターは、戦後和解体制における最大の受益者でもあった。そして、戦後和解体制下で得た正規雇用労働者の「特権」の数々を維持するために、90年代以降の構造改革に積極的に協力していった。非正規雇用を容認する労働法制改悪を容認したのは、正規雇用者の待遇を守るためだった。最低賃金の引き上げに消極的なのも同じ理由から説明される。
電力総連や電機連合が原発を支持し、自動車総連がTPPを支持するのは、まさに「正社員の待遇を守るために経営側に積極的に協力する」という戦後和解体制の慣習そのものなのだ。だが現実には、原発の下請けや自動車工場の期間工や外国人労働者を見た場合、『蟹工船』同様の惨劇がまかり通っており、正社員の待遇は同じ労働者の搾取の上にしか成り立っていない。

つまり、戦後和解体制の残滓となっているのが連合であると解釈すると、分かりやすい。大企業の正社員互助会である連合としては、組合員の待遇を守るためには、今まで通り資本に協力するのが「合理的」であり、それは非正規雇用労働者を積極的に搾取することでしか成り立たない。そのスタンスは自然、野党では無く、自民党や政府に近いものにしかならない。
にもかかわらず、民進党を支持し続けているのは、hanamaru同志が指摘されているように「野党の最大支援組織」というポジションが、自民党に対しても政府に対しても最も有効な交渉材料(カード)であるためだと推測される。そして、その「ムリ」が表面化しているのが、昨今の惨状なのではなかろうか。
posted by ケン at 13:15| Comment(2) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月27日

地域代表制が政治と地域を腐敗させた?

永田町での勤務も15年近くなるが、近くで国政を見ていて思うのは、「地域代表制が政治と地域を腐敗させているのではないか」ということである。

国会議員は、参議院の比例代表選出者や衆議院の比例単独選出者を除く大半が選挙区から選ばれている。日本の場合、有権者は候補者の政策や主張よりも、人柄や人物像を重視する傾向が強いため、候補者もそれを重視せざるを得ない。結果、実際の選挙時に掲げる政策や議会での活動実績よりも、日常活動で「顔を売る」ことが重要となる。具体的には、選挙区内の各種イベントや酒席にひたすら出席して、一人でも多くの有権者に「見知ってもらう」ことが活動の中心となる。とかく保守系の政治家が、軽薄な発言を繰り返すのは、少しでも有権者に自分を印象づけたいがために発せられる「サービス」の部分が大きい。そして、自分の当落が掛かっているだけに、議会活動よりも地元回りを優先することになる。実際、自民党であれ旧民主の小沢氏であれ、「1、2回生の仕事はひたすら地元を回ること」と教えている。

この「地回り」の中で、もう一つ重要となるのが「陳情受け」である。有権者から各種陳情を受け、処理することで支援者と献金を増やすことが目的となる。陳情と言えば聞こえが良いが、現実には行政に圧力を掛けて、特定の者に優先的にサービスを供与させる汚職でしかない。最近では甘利問題が有名だが、自民党では当たり前すぎて、何故それが問題にされるのかすら理解できないだろう。結果、当選回数の若い国会議員は、議会活動などせずにひたすら地元を回り、陳情を受けて処理し、御礼にカネや票をもらうことに専念する。これを当選回数で2回、当選前から数えれば10年近くもやるのだから、3回生になる頃には地元の有権者とズブズブの関係になり、腐敗システムが構築され、議員本人も秘書もそれが「当たり前」になって、正常な感覚を失ってしまうのだ。
要は、自民党や小沢氏の教えは、「腐敗体質が強いほど選挙に強い」ということであり、日本の政治制度はその前提の上に成り立っている。

90年代まで行われていた中選挙区制度は、「自民党の候補者同士が有権者を奪い合うために陳情処理を競い合うことが、巨大な腐敗を生んだ」との認識が広まり、政治資金規正を強化すると共に小選挙区制に移行するところとなった。確かに小選挙区制に移行したことで、何億、何十億円という献金は影を潜めたものの、別の問題が生じた。
二大政党による政権交代の慣習が無いところに小選挙区制を導入してしまったため、導入以降、自民党以外の政権が成立したのは20年間でわずか3年強という有様だった。その結果、野党系候補の少ない地方では、自民党の議席占有が常態化し、「自民党にあらずんば人にあらず」が進んでしまった。つまり、自民党議員にアクセス権を持つ者のみが、優先的に公共事業や行政サービスを受ける権利を有するところとなり、それ以外のものはますます住みにくい社会になり、土地や仕事を捨てて都市部に出る流れを強めてしまった。同時に、伝統的に建設業が強い自民党は、需要の無い公共施設やインフラの整備に邁進するため、いたずらに維持コストを高めてしまい、これが地方財政を圧迫して、生活弱者への支援を細らせて都市部への流出を促してしまったのだ。
ロシアの諺で言うところの「魚は頭から腐る」である。

また、安倍政権以降、衆院選の期間(議員の任期)が短くなっており、「いつ選挙になるか分からない」という認識が強まっているため、国会議員たちはますます議会活動よりも地元活動を重視するようになっている。これが、ますます政治家の無能と腐敗を強めてしまっていることは、言うまでも無いだろう。
日本の国政を「正常化」させるためには、まず地域代表制を根本から改める必要がある、というのが私の認識である。具体的な提案としては、下の稿を参照して欲しい。

【参考】
・委員会別選挙の提案 

【追記】
私の前ボスは、私が「政治資金パーティーをやりませんか」と向けても、「一回やってしまうと、癒着と腐敗の温床になってしまうからやりません」と最後まで頑なに拒み続けた。だが、次の選挙で落選、その選挙区は以後ずっと自民党の一人勝ちになっている。その流れで、選挙区内にいた民主党県議は3人から0人になり、自治体議員の数も3分の1になってしまった。有権者の選択とはいえ、自ら自民党支持者以外の利益代表者を減らし、地域社会の多様性を減じてしまったのだ。
posted by ケン at 12:54| Comment(2) | 憲法、政治思想、理念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月26日

連合はなぜ自民党を支持しないのか

【連合会長が民進・蓮舫代表に注文「安倍政権との違い明示が必要」】
 民進党の蓮舫代表は13日午前、都内の党本部で最大の支持母体である連合の神津里季生会長と会談した。神津氏は次期衆院選に向けた候補者擁立について「さらに加速してほしい。前回衆院選は候補者が178人だった。自分たちが応援する人がいないことほど辛いことはない。年明けの解散がささやかれており、時間がない」と述べた上で、「候補者の一本化はより一層、重たい課題だ」と指摘した。さらに神津氏は「基本政策や政権構想を早期に国民に分かりやすく示してほしい。安倍政権との違いを明示することは非常に重要だ」と注文をつけた。会談は民進党と連合が定期的に行っている意見交換会で、蓮舫氏の代表就任後に開かれるのは初めて。会談には野田佳彦幹事長らも出席した。
(10月13日、時事通信)

これは酷い無茶振り。
いまや連合の主張がほぼほぼ政府や自民党と一致しているのに、民進党に「安倍政権との違い」を要求するのだから、「俺にどうしろと?」としか答えようが無い。
昨今の大きな課題で連合の主張を見てみよう。

TPP=賛成
原発再稼働=賛成
リニア建設=賛成
集団的自衛権・海外派兵=賛成
同一労働同一賃金=反対
労働時間短縮=反対(合法残業は残す、規制反対)
扶養控除廃止=反対


以上の課題について「安倍政権と対峙する」とすると以下のようになる。

TPP=反対
原発再稼働=反対
リニア建設=反対
集団的自衛権・海外派兵=反対
同一労働同一賃金=賛成
労働時間短縮=賛成・規制強化
扶養控除廃止=反対


一致するのは「扶養控除廃止反対」だけだが、これは「ライフスタイルの中立性を確保して税負担の公平性を担保する」という時代の流れに逆行している。
つまり、連合は民進党に「安倍政権との違い」を求めるよりも、自民党支持に転じて政策要求した方が、はるかに自分たちの主張を実現させられる可能性が高いのだ。実際のところ、今回の新潟知事選にしても、鹿児島県知事選にしても、連合は与党候補を支援している。新潟知事選の場合、連合はまず民進党に原発推進の独自候補の擁立を要求、できないとなると、自民党の候補を支持した。最初から無理難題をふっかけて、民進党を封じて、与党候補の支持に回るというのが、連合のやり口なのだ。

連合が未だに民進党にこだわる理由がサッパリ分からない。陰謀論的に解釈するなら、野党に入り込んで政権側に誘導、または野党内部を分裂させる役割を担っているとも言える。
一日も早く自民党支持を明確にして、組織名も「産業報国会」に改名して欲しい。
posted by ケン at 12:38| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月25日

陸上自衛隊観閲式 2016

陸上自衛隊の観閲式に出席する。場所は朝霞駐屯地、埼玉県新座市、朝霞市と東京都練馬区にまたがる地域。副都心線ができたおかげで新宿から東武東上線に乗り入れることが可能になり、駅から駅なら1時間で行けるようになった。30分近く早くなったのではないか。
海自空自海保と参観してきただけに、これで「四軍制覇」となる。
陸自は火力演習を見ているので「観閲式はいいかな」と思っていたが、今回思うところがあり、参観を決めた。外国では、軍のパレードは良く見られるが、日本では見られないだけに、「軍隊行進」を見るならば、ここに来るしか無いからだ。

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相変わらず、式典開始が10時半であるにもかかわらず、7時開場で、我々が入ったのは9時半。すでに仮設席のかなりの部分が埋まっていたが、2人だったこともあり、幸いにして最上段の席に座ることができた。とはいえ、ひな壇の対面なので、式典中は後ろ側になってしまう。

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黒い制服は明治のかほり・・・・・・高等工科学校学生隊

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防衛大学学生隊

基本的には、総司令官たる総理大臣が訓辞を述べ、陸自の各部隊が行進し、謁見を受けるだけなので、護衛艦に乗る観艦式や、航空機の離発着が間近で見られる航空観閲式に比べると地味な印象は否めない。
とはいえ、陸自の各部隊の制服を見て、隊列や行進を見て練度を推測する楽しみは、ややマニアックではあるが、興味深いものだった。また、各種展示も火力演習時より充実しており、いろいろ勉強になった。特に陣地、掩体壕のモデル展示や、戦車の動的展示が面白い。車体を上下させ、砲塔を回すのを間近で見ると、イメージを超える収穫があった。

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モノクロだととたんに旧軍色が醸し出される。

今年は隊員約4000人、戦車など車両約280両、航空機約50機が参加している。
隊員は、意外と学生の比重が大きく、防衛大学生隊、高等工科学校生徒隊、防衛医大学生・看護学生隊がかなりの人数を占めている。
議会関係者(野党)の立場で見ると、高等工科学校の生徒は国際条約における少年兵の規定に抵触する恐れがあり、こういう場に列席させるのは大丈夫なのかという危惧を抱いてしまう。
入場から退場まで1時間半ほどだったと思うが、学生隊、特に看護学生隊の中には、貧血で座り込んでしまう者が続出しており、これも大丈夫なのかと思ってしまった。
また、主役と言える普通科隊や空挺団を見てみると、想像以上に老兵(30歳以上?)が多く、まさに「百聞は一見にしかず」だった。防衛省が躍起になって若年層の開拓に血道を上げるわけだ。

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相応に風が吹いていたけど、狭いところに空挺降下。

余談になるが、現代戦は昔のようには体力勝負ではなくなっているので、個々の年齢はさほど重要では無い。例えば、近年のウクライナ紛争やカラバフ紛争を見ても、「むしろ老兵の方がヤバイ」と言われるのは、40歳代ならユーゴ、チェチェン帰り、50代ならアフガン帰りの戦場慣れした連中が戦闘力を担保しているためだ。とはいえ、実戦経験の無い自衛隊の場合、この原理は通用せず、不安要素であることは否めない。

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陸自婦人部隊。ハンドバッグってなんだかなぁ。ロシア軍の婦人部隊は強そうだったけど・・・・・・

また、やたらと女性部隊が強調されていたが、これは安倍政権の「女性活躍」の影響なのだろうか。ロシア軍を何度も見ている私からすると、残念ながら背は低いし、全体の体格も微妙感があり、あまり「頼もしい」という感じは受けなかった。まぁあまりやる気満々でも困るのだが。
全体の行進も整ってはいたものの、ロシア軍を見慣れている私からすると、足の上げ方が足りず、やはり物足りなさが感じられた。まぁあまり強そうに見えても困るのだろうが。

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あえて87式自走高射機関砲。

興味深かったのは、「祝賀部隊」として参列した米軍部隊。デジカメのバッテリーが切れてしまって写真は無いが、オスプレイ(海兵隊展開部隊)とストライカー旅団の二つ。
観閲式なので、都市部にもかかわらず、オスプレイもかなりの低空を飛ぶわけだが、巷間言われているほどの騒音はなく、むしろCH−47(チヌーク)より静かだったように思われた。
ストライカーは、米軍の新型装甲車だが、高価すぎるせいか米軍以外には普及していない。見るのは初めてだったが、恐ろしいまでの静粛性があり、本当に350馬力のエンジンかと驚かされた。やはりアフリカや中東での苦戦を受けて、車輌の静粛性が求められるようになっているのだろうか。

色々「百聞は一見にしかず」を実感させられた1日だった。また機会があれば、支援者の皆さんを連れて参観したい(仕事ですからね!)。
posted by ケン at 12:03| Comment(3) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月24日

大阪府警土人発言の背景にあるもの

【「土人」発言、沖縄県警が謝罪 「事実」「極めて遺憾」】
 県警は19日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設を巡って警備に当たる大阪府警の機動隊員が抗議活動参加者に対し「土人」と発言していたことを「事実だ」と認めた。県警は一連の発言について「極めて遺憾だ」と述べ謝罪した。19日付で差別発言をした20代男性隊員は離県し、大阪府警へ戻ったという。処分については「大阪府警が判断する」としている。一方、菅義偉官房長官は19日午後の会見で機動隊員の発言について「許すまじきこと」と述べた。政府は事態の収束を急ぐが、県民への差別発言に対する反発が広がっている。
 県警は18日時点での本紙の取材に「確認されていない」と回答していた。県警によると、男性隊員は18日午前9時47分ごろ、米軍北部訓練場N1ゲート近くの斜面で提供施設内側からフェンスを挟み、施設内に入らないよう警告していた。市民らがフェンスを揺らしたりした際に「土人が」などと差別的な発言をした。
 県警は隊員に対する聞き取り調査や動画投稿サイトに投稿された動画を確認し、事実関係を確認。隊員は調査に対し「詳しくは覚えていない」などと話したが動画などを確認し「不適切な発言だった」と釈明したという。県警は「土人」という言葉について「差別用語で不適切な発言」とし「このようなことがないよう指導していく」と謝罪した。また県警本部には19日朝から午後6時ごろまでに機動隊の不適切発言に関する苦情が電話とメールで約30件寄せられた。
(10月20日、琉球新報)

この手の発言は、何も無いところから思いつきで発せられるものではなく、日常生活の中で繰り返し使用されている中で言語野に裏打ちされることで、日常語として根付いているからこそ、緊急時に発せられる。今回の場合、ヘイトスピーチを発した大阪府警機動隊員の個人的資質よりも、組織の有り様を疑うべきで、同機動隊の中で事前に「土人どもが暴れているから鎮圧しなければならない」「シナ人が後ろで画策している」などと話されている可能性が高い。

こうしたことは、軍隊や警察組織では良くあることで、例えば旧日本軍では中国人を「シナ人」と呼ぶことで憎悪を駆り立てていたし、日米が開戦すると「鬼畜米英」の標語で敵愾心を煽り立てた。また、警察では「共産党員は国際的陰謀組織であるコミンテルンの手先であり、国体転覆をめざす極悪人」としていかな残虐な拷問も推奨された。
これは日本に限らず、アメリカでも二次大戦中は日本人を「ジャップ、ニップ」と蔑称して憎悪を煽り立てたし、ベトナム戦争では「ベトコン」、イラク戦争では「ハジ」などの蔑称を通用させることで、「奴らは人間じゃ無いんだからどれだけ残虐なことをしても構わない」という指導を行っている。人間は本来同族殺しを忌避する習性を持っているため、同族性を完全に否定し、憎悪を煽り立てないと、銃の引き金が引けなくなってしまうことに起因している。
それだけに、アフガニスタンに介入・進駐したソ連軍が、全体の効果としては不十分だったとしても、「我々はアフガン人民を援助しに来たのであって、敵対しに来たのでは無い」という教育を徹底していたことは特筆するに値する。

話を戻すと、かつて日本の機動隊は学生運動やそこから派生した極左集団と戦うことで一定の熟練を得ていたが、今日ではそうした経験が得られないため、殆どの機動隊員はいきなり実戦に投入されるような形になっている。実戦経験の無い機動隊員が、いきなり反基地闘争で異様な盛り上がりを見せている現場に投入されるのだから、ストレスが急上昇するのは避けられなかっただろう。
逆に組織の側からすれば、未経験の機動隊員をいきなり第一線に投入することになり、何らかの方法で士気を高めなければ、現場が持たないという判断になったのだと思われる。
二次大戦の東部戦線やアジア・太平洋戦線では、徴兵経験が無い老人や若年者が動員されるに連れて軍紀が乱れ、残虐行為が増えていったことを考えても、沖縄に投入される本土の機動隊において沖縄市民に対する憎悪が駆り立てられたことは、容易に想像される。

だが、これは機動隊員の士気を上げるという点では合理的かもしれないが、権力にとっては致命傷になりかねない。本土から来た機動隊員が、沖縄県民を「土人」呼ばわりするということは、「お前らは日本国民じゃねぇ」「政府に逆らうヤツは国民じゃねぇ」と言うことと同義になる。これに対して、沖縄県民が「私たちは土人ではありません。同じ日本国民ですよ」と言えるだろうか、という話になる。まぁムリだろう。普通は「オレたちは琉球人であって、どうせ日本人なんかじゃねぇ」と反発するのではないか。
仮に激高した市民が暴発して、機動隊が武力鎮圧することになれば、それこそ沖縄独立論が沸騰する事態に発展しかねない。
もともと高江のヘリパッドは、SACO合意に基づく建設で、翁長知事を始め反基地運動団体の多数派も黙認していたもので、少数の急進派が抵抗を続けていたに過ぎなかった。だが、問題が大きくなるにつれて、県民世論が変化し、容認派も無視できなくなりつつあり、火に油を注ぐような格好になっている。
また、警察全体の立ち位置で考えても、「市民生活を守る警察」から「国家機関を守る警察」へと急速に変質しつつあることを示しており、リベラル・デモクラシーの瓦解が進んでいる。

沖縄の基地問題は、本土に置けない迷惑施設を沖縄に押しつけ、それを「中国の脅威」で正当化しているだけの話であり、本質的には明治以降の植民地意識の延長にあるのだ。

【参考】
沖縄独立論の現実味 
琉球帰属問題が表面化する日 
軍隊のあり方について続・日本軍の場合
posted by ケン at 12:16| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする