2016年10月12日

通信の自由が失われる日

【ヤフーが全受信メールを監視、米情報機関の要請で=関係筋】
 米ヤフー<YHOO.O>が昨年、米情報機関からの要請を受けてヤフーメールのユーザーのすべての受信メールをスキャンしていたことが、関係筋の話から明らかになった。ヤフーの元社員2人と別の関係筋によると、ヤフーは米国家安全保障局(NSA)もしくは連邦捜査局(FBI)の要請に基づき、数億件のヤフーメールのアカウントをスキャンし、情報機関が求めていた特定の情報をサーチしていた。情報機関はヤフーに対し特定の文字をサーチするよう要請していたが、どのような情報を求めていたのかは明らかになっていない。関係筋によると、メールもしくは添付ファイルに記載されたフレーズを求めていた可能性がある。
 ロイターは、ヤフーが情報機関にデータを手渡したのであれば、それがどのような内容だったのか特定できていない。また、情報機関がヤフー以外の企業に同様の要請を行っていたのかも不明。監視活動の専門家は、すでにメールボックスにセーブされているメールのスキャンやリアルタイムで少数のアカウントを監視するのではなく、すべての受信メールをサーチする要請に応じ、明るみに出た米企業としては初のケースになると指摘する。
ヤフーの元社員によると、情報機関の要請に応じるマリッサ・メイヤー最高経営責任者(CEO)の決定をめぐり、一部幹部は反発。昨年6月の情報セキュリティ責任者アレックス・スタモス氏の辞任につながったという。ヤフーは情報機関からの要請をめぐるロイターの質問に対し、声明で「ヤフーは米国の法律を順守している」とし、それ以上のコメントを差し控えた。情報機関もコメントを差し控えている。
(10月5日、ロイター)

「通信の自由」なんて遠い昔の話になってしまった。外に出れば、監視カメラに記録され、メールや電話は全て傍受される−「自由」を体制の理念にしていたはずの西側陣営が、いまやソ連や中国と全く同じ支配体制を取りつつある。その違いは、せいぜい強制収容所の有無でしかなくなっているが、興味深いことに1980年代初め、ソ連において収監されている政治犯は、アムネスティですら「100人内外」「数十人」という数字を示していた。
米国の人権規定が適用されないグアンタナモ収容所(キューバ)には、2005年段階で500人以上が収容されていたことを鑑みても、現代のアメリカの人権状況は80年代のソ連よりも悪化している。
アメリカが「世界の警察官」たり得たのは、その自由と民主主義が普遍的原理と認められてきたためだが、自ら否定することでその正統性を失いつつある。

やはり水槽からピラニアを排除すべきでは無かったのだ。
これは、宮田義二・旧鉄鋼労連委員長の言葉、「熱帯魚を運ぶときに熱帯魚が緊張感を持つようにピラニアを入れる。左翼とは我々にとってのピラニアのようなものであり、必要である」に基づく。ソ連・中国というイデオロギー上の対立軸があったからこそ、西側諸国は自由と人権を称揚していたが、それが失われた途端に自由も人権も否定するようになったのである。
posted by ケン at 12:36| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする