2016年10月22日

電脳時代に囲碁将棋が職業として成立し得るか

【竜王戦挑戦者を出場停止 将棋連盟、ソフト使用の有無調査】
 日本将棋連盟は十二日、十五日に開幕する第二十九期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催)で、挑戦者になっていた三浦弘行九段(42)を十二月三十一日までの出場停止処分とした。三浦九段は対局中に頻繁に離席を繰り返し、将棋ソフトを用いた不正を行った疑念があるとして、連盟から調査を受けていた。三浦九段は、本紙の取材に「自分はやましいことは何もしていない」と語り、処分については「弁護士と相談したい」と述べた。七番勝負は、挑戦者決定戦で三浦九段に敗れた丸山忠久九段(46)が渡辺明竜王(32)と対戦する。タイトル戦の対局者が直前に変更されるのは極めて異例。
 連盟によると、夏ごろから、三浦九段が対局の終盤になって席を立つことが多いと、複数の棋士から不正を疑う声が上がっていた。十一日の常務会で聞き取り調査を行ったところ、三浦九段は「別室で体を休めていた」などと説明。「疑念を持たれたままでは竜王戦で対局できる状態ではない」「休場したい」という趣旨の発言があった。連盟は休場届の提出を求めたが、期限の十二日午後三時までに提出がなく、出場停止処分とした。島朗常務理事は「竜王戦開幕が迫っており、やむを得ない措置だった」と説明した。
 連盟は今月五日、スマートフォンなどで将棋ソフトを用いて有効な指し手を調べる不正を防止するため、対局時に電子機器の持ち込みを禁止する内規を十二月から導入すると発表したばかりだった。渡辺明竜王は本紙の取材に「残念です。(将棋ソフト問題で)疑わしい要素がいくつか出ている状況で、やむを得ない措置ではないかと思う」と話した。
 三浦弘行九段は群馬県高崎市出身。一九九二年にプロ棋士となり、九六年の棋聖戦では当時七冠の羽生善治棋聖を破り、時の人となった。丸山九段は「連盟の決定には個人的には賛同しかねますが、全力を尽くします」などとコメントした。
(10月13日、東京新聞)

ついに来るべきものが来たという感じ。趣味としての囲碁、将棋はなくならないだろうが、プロや競技としては今の形のまま成立しうるか微妙だろう。電脳時代はそこまで来ているのだから。

外部媒体を使う今だからこそ人の目で監視できるが、現状でも8時間とかの持ち時間があるのに、外出禁止にすることがどこまで現実的かという話になるだろう。電脳が飛躍的に向上したことで、トイレに行く時間で「最善手」を見つけることが可能になっているのに、性善説に基づいて「プロがカンニングするわけが無い」で済ませることは、もはや不可能であろう。
問題は、むしろプロ・職業であるが故に、「数秒、数分で自分よりも良い手が見つけられる」将棋ソフトを対局中に使用する誘惑がより大きくなってしまう点にある。アマチュアの、しかも非競技であれば、「ソフトを使って勝っても意味が無い」と思えても、生活や人生が掛かっているとなれば、その誘惑には抗しがたいだろう。
また、プロの対局を見る側にしても、「電脳を使っているかもしれない」という疑惑の目を持ってしまう時点で、「人間同士の知力勝負」の楽しみの半分以上が失われてしまうのではないか。

三浦九段が実際に不正を働いていたかどうかはともかく、「対局中のスマホ使用禁止」は弥縫策に過ぎず、いずれより大きな問題が生じるものと思われる。
posted by ケン at 13:00| Comment(2) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする