2016年12月14日

あるイミ期待を裏切らない民進党

【民進、解散恐れ腰砕け=共産「理解不能」】
 国会最終盤で焦点となった年金制度改革法案とカジノ解禁を柱とする統合型リゾート(IR)推進法案をめぐり、「廃案に追い込む」と意気込んでいた民進党が突然、柔軟姿勢に転じた。  年金法案の採決に応じるとともに、カジノ法案では、修正した上で採決するとの自民党提案を容認。与党側が野党の出方次第で今国会会期の再延長をちらつかせたことで、衆院解散を恐れた民進党の腰が引けた格好だ。「現段階でも政府の説明不足に納得していない。ただ、ようやく政府が(年金支給額の)試算を公表することを明言した」。民進党の蓮舫代表は13日の常任幹事会で、年金法案採決を受け入れた方針転換に理解を求めた。
 年金法案をめぐり、民進党は衆院審議の段階から「年金カット法案」と厳しく批判。共産党などとともに廃案を目指す方針を確認していた。これに対し、自民党からは年金・カジノ両法案の成立のためには「小幅の再延長も仕方ない」との声も出ていた。会期末を翌日に控えた13日になって突如、民進党が自民党と採決日程で合意した背景には、選挙準備不足から衆院解散を回避したいとの「本音」をのぞかせたとの見方もある。実際、12日の執行役員会で幹部の1人が「再延長は解散の呼び水となる」と、徹底抗戦路線に慎重論を唱えた。
 カジノ法案をめぐっても、自民、民進の参院幹部が協議を重ね、ギャンブル依存症対策の明示などを盛り込んだ修正案を採決することで合意。蓮舫氏が8日の記者会見で、廃案にして再提出を要求した攻めの姿勢は消えうせていた。民進党の「変節」に他の野党は不満を募らせている。共産党の井上哲士参院幹事長は記者団に「修正案の相談もなかった。採決に応じるのではなく、徹底審議を求めていくべきだ」と主張。別の同党幹部も「(民進党の対応は)理解できない」と納得がいかない様子だった。 
(12月14日、時事通信)

記者はトンチンカンなことを書いているが、自民と手打ちしたのは参院の榛葉国対委員長なので、衆議院の解散云々は関係ない。どうやら彼の個人プレイらしく、同党の参院内閣委すら「寝耳に水」のことだった。実際、昨日の常幹で蓮舫代表は「明日は会期末。廃案にぜひ追い込んでいただきたい」「今日も参院内閣委員会で統合型リゾート法案(カジノ法案)の質疑が行われているが、違法性の阻却、ギャンブル依存症への対策、ほぼ質疑者と答弁がすれ違ったままで、国民の不安に対する納得できるしっかりした答弁は返ってきていない」と抗戦意志を示していた。
一方で「野田幹事長の指示」という噂もあるので、本当のところは分からない。ただ、榛葉氏は細野氏に近く、カジノ推進派であり、同時に「隠れ反蓮舫」との噂もあるので、「ちょっとした造反」だった可能性は否定できない。
そもそも民進党内につくられた「カジノ議連」には40人近くの参加者があったと言われるが、このことは「本来は自民党にいるべき議員」が全体の3割近くを占めていることを示している。これでは、関ヶ原合戦における西軍と同様、まともに戦えるわけがない。

これとよく似た故事がある。慶長4年1月3日に始まった鳥羽伏見戦で薩長の三倍の兵力を有した幕府側は大敗、敗走する。その知らせを聞いた将軍・徳川慶喜は、敗戦を予期して大坂城からの退去を決断するが、城内は主戦論が沸騰し、とても言い出せるような状況に無かった。そこで慶喜は、主立った幹部を集め大演説を行う。
戦すでにここに至る。たとい千騎戦没して一騎となるといえども退くべからず。汝らよろしく奮発して力を尽くすべし。もしこの地(大坂城)破るるとも関東あり、関東破るるとも水戸あり、決して中途にして止まざるべし。
『会津戊辰戦争史』

これを朗々と名調子で謳ったため、聞き入った将士は感涙に咽び、「いざ反撃!」と勇みだったという。その間隙をぬって、慶喜は稚児に身をやつして大坂城を脱し、大坂湾に遊弋する榎本艦隊に命じて江戸に逃げ帰ってしまった。

民進党がどのような説明をしようと、徹底抗戦を謳っていた案件で、他の野党に黙って政権党と勝手に妥結し、しかも採決だけ応じて修正案そのものには反対するという、どう説明しても理解されない行動に出た。
とにかく、これで民進党の威信と戦意は地に堕ち、野党は分裂、自民党は安心して解散・総選挙に打って出られる状況になったのである。

【追記】
民進党衆院国対は徹底抗戦し、夜中の0時を超えて時間稼ぎ(無駄な抵抗)をする意向のようだが、翌15日の日露首脳会談を妨害する効果しか無く、後で「民進党が抵抗したから大事な領土交渉に支障が出た」との非難が起こることは目に見えている。。
posted by ケン at 12:35| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする