2017年01月10日

世界で増える原発、日本は?

【世界の原発、新増設続く=450基、「脱」は少数派】
 東京電力福島第1原発事故や高速増殖原型炉もんじゅの廃炉で、強い逆風が吹く日本の原発。ただ世界では450基が運転可能で、エネルギー需要が急増する新興国では新増設が相次いでいる。安全面で反対の声はあるものの、ドイツなど「脱原発」は少数派だ。国際原子力機関(IAEA)によると、世界の原子炉は12月25日現在、31カ国・地域で営業運転中か稼働可能な状態。トップは米国の99基で、フランス58基、日本43基、中国とロシアが36基と続く。発電能力は約3億9200万キロワットに達し、全発電量の約11%を占める。
 特に開発を急いでいるのは中国で、世界で建設中の原子炉60基のうち、中国が20基を占める。日本エネルギー経済研究所は「2035年には、中国は米国を抜いて世界1位の原発大国となる」と予測している。11月に日本と原子力協定を署名したインドも日本の高い技術に期待し、国内市場が縮小する日本は海外輸出へ活路を見いだす。反原発運動はインドのほか、共産党一党支配の中国でさえ報じられているものの、両国とも原発利用を拡大する方針に変わりはない。
 福島事故後に脱原発を決めたのはドイツやスイスなどごく一部。原発は世界では、季節や時間帯にかかわらず電力を安定供給する「ベースロード電源」として一定の役割を担っていくとみられ、厳格な安全対策が求められている。 
(12月27日、時事通信)

日本では、福島原発事故を受けて原発の新増設が難しくなっており、安倍政権が国策として原発輸出に取り組んでいるが、ベトナムにドタキャンされ焦燥を強め、イギリスに対して強引な売り込みを図っている。
イギリスの場合、自国企業が原発事業から手を引いてしまったため、日本企業に「商機」が生まれた格好だが、これは原発の安全コストが高騰してコストと採算のバランスが崩壊してしまったことに起因する。
例えば現在、イギリス、フランス、フィンランド、中国などで計画が進められている欧州の次世代加圧水型原子炉の安全仕様は、日本のそれよりもはるかに厳しく設定されており、具体例を挙げれば、安全システムは日本の2系統に対して4系統、飛行機の衝突や内圧に耐える合計の厚さが2.6メートルの2層のコンクリート壁を持つ。
また、福島原発事故を受けて、「コアキャッチャー」なる、炉心溶融が起きても溶け落ちた核燃料が巨大な受け皿に流れ込む装置が備えられる。その上部にある貯水タンクは高温になると蓋が自動的に溶けて弁が開き、コアキャッチャーを水が満たして溶け落ちた燃料を冷やす機能を持つ。

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史上最大級の核事故を起こした日本では、コストが高まらないよう、安全基準を低く設定している。新規制基準制定時のパブリックコメントでは、コアキャッチャーの設置義務化を求める意見があったが、無視された。にもかかわらず、総理曰く「世界一厳しい基準」とのこと。原発事故は相応の確率で再発すると見て良い。
安全基準を低く設定できるのは、事故が起きても誰も責任が問われず、刑事訴訟もされないことも影響していると思われる。
posted by ケン at 13:11| Comment(4) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする