2017年01月31日

東芝、原子力部門も大幅見直しへ

【東芝 米原発子会社の出資下げへ 事業見直し、道険しく「引き取り手いない」の声】
 東芝が米国の原子力子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)への出資を現在の87%から引き下げる方向で検討していることが分かった。米原子力事業で最大7000億円の損失が見込まれる事態となり、リスクへの抜本的な対策としてWHとの関係見直しを模索する。ただ、損失発覚後のWHの株式引き受け先を探すのは困難で、原発事業見直しの枠組みが固まるまでは曲折がありそうだ。
 東芝はWHが手がける米国での原発建設で工期の遅れなどにより建設コストが増大し、巨額損失につながった。海外を中心に原発事業を大幅に見直す方針で、来月14日に具体的な中身を公表する予定だ。原発事業は社内カンパニーから独立させ、社長直轄の組織とする。巨額損失の元凶となったWHへの統治強化を図るとともに、関係見直しにも着手する。東芝幹部は「株式売却は当然の選択肢」と語る。すべて手放すことも含め検討すべきだとの声もあるという。
 だが、現実的にはリスクの高さが浮き彫りになった原発企業の「引き取り手はいない」(アナリスト)との見方が大勢だ。原発を推進する中国やロシアの企業が浮上する可能性もあるが、安全保障上の懸念があり困難な見通しだ。
 東芝は原発事業の見直しについて、海外で原発建設工事の新規受注をやめ、設計や原子炉の製造などの分野に専念するほか、海外での原発の受注計画も見直す方向で検討中。経営の自立などを見据え、事業の分社も視野に入れる。
(1月31日、SankeiBiz)

東芝は先の臨時株主総会で、半導体部門の分社化を決めたが、原子力部門も大幅見直しの方向を示している。すでに白物家電は美的集団に、メディカルシステムはキヤノンに売却しており、半導体の分社化や海外原子力事業の切り離しなどによって、残るのは社会インフラ、エネルギー事業(海外原発以外)、パソコン、IoTサービスだけになっているが、これも「時間の問題」のように思われる。そもそも債務超過となる恐れが高く、現状でも「かろうじて戦線を維持しているだけ」で、いかなる展望も無い状態にある。

笑えるのは、東芝は昨年3月に半導体メモリーと原子力を経営の柱に据える方針を発表、当時の室町社長は「新生東芝の第一歩を刻みたい」と語っており、それから1年と保たなかったことを示している。末期戦とはそういうものかもしれない。

東芝の原子力事業の失敗は、そもそもウェスチングハウスを相場の2倍とも言われる高額で買収した上、同社と同じく東芝が買収した米ストーン&ウェブスター社による米国内での原発事業が実は超放漫経営だったことが判明、安全基準強化に伴うコスト超過と納期遅延が悪化の一途を辿っている。さらに円安で赤字分が肥大化してしまっている。
東芝の粉飾決算体質は、自らが買収した企業でも常態化しており、傷口を広げてしまっている。

世界最大級の核事故が起きた日本で原発再稼働が進んでいるのは、政府が安全基準を強化せず、国内の電力、原子力事業者にコスト負担を求める代わりに、国民負担を増すことで対応しているため、欧米のような事態(採算割れによる事業者の撤退)は起きていない。
このことは、原子力発電が権威主義と統制経済によってのみ成立しうるものであることを傍証している。
posted by ケン at 12:11| Comment(2) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする