2017年02月06日

日立がウラン濃縮技術開発から撤退

【日立、700億円の営業外損失見通し 米国の原発事業で】
 日立製作所は1日、米国での原発事業で2017年3月期に700億円の営業外損失が出る見通しになったと発表した。世界的に原発の新設が鈍っていることを受け、米ゼネラル・エレクトリック(GE)との合弁会社がウラン燃料の濃縮事業から撤退するため。英国での原発新設については、コスト管理を徹底して予定通りに進めるとした。16年4〜12月期決算を発表する記者会見で、西山光秋専務が明らかにした。
 GEが60%、日立が40%を出資する「GE日立ニュークリア・エナジー」が、グループ会社で手がけていた燃料の新しい濃縮法の開発から撤退し、見込んでいた収益が得られなくなったという。損失の計上後、合弁会社の株式のうち、日立の持ち分の価値は約110億円しか残らないといい、「これ以上の大きな損失リスクはない」(西山氏)と説明している。 英国で20年代に4〜6基の原発を新設する計画について、西山氏は「海外で初めての建設で、もともとリスクはある。英国政府やプラントメーカーと協議し、リスク管理を徹底する」と話した。
(2月1日、朝日新聞)

東芝に引き続き日立もダメらしい。
もはや原発はビジネスとしては国内でしか成立しない模様。日立は英国での事業を続行する決意を示しているが、そのコストは天井知らずの状態にあり、攻勢限界点が見えながらも攻撃を止められない指揮官の様相を呈している。
欧米で成立しない原子力ビジネスが日本国内で成立するのは、低めに設定された安全基準がコスト超過を防いでいることと、国民負担が大きいことによる。

原発事業は自由主義経済下では成立し得ないことは自明であり、部分的統制経済下にある日本でも事業が困難になってきていることを示している。ちなみに「部分的統制」というのは、社会保障や電力、あるいは巨大な補助金や政策減税などを指している。
今後も原子力政策を継続できそうなのは、中国、ロシア、インドなど安全保障と統制経済をからめて戦略的に核保有を進める国に限られそうだ。そして、日本はより統制経済と権威主義体制に傾斜しつつ原子力政策を続けるか、現行の自由主義経済を維持して原子力を諦めるか、という選択肢を迫られることになりそうだ。
posted by ケン at 13:06| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする