2017年03月13日

野党に寄生して無効化させる連合

【民進党大会 連合・神津里季生会長「私たちにとっては民進党しかありませんから」】
 連合の神津里季生会長は12日午後、東京都内のホテルで開かれた民進党の定期大会でのあいさつし、原発をはじめとするエネルギー政策について「責任ある対応を引き継ぐことが国民の期待に応える」と強調し、「原発ゼロ」の年次前倒しを一時検討した蓮舫代表を牽制した。詳報は以下の通り。
 「昨年3月の結党大会から、もうすぐ1年ということであります。その間に、世界ではさまざまな出来事がありました。英国のEU(欧州連合)離脱、そして米国のトランプ大統領誕生など、懸念されるのは、内向き志向、そして、自分たちさえよければいいという考え方の横行ではないかと思います。政敵を自ら作り出し、自身の支持率の維持向上につなげる、それは本来の民主主義のあるべき姿ではないと思います。リーダーの立場にある人間、あるいは為政者が、自ら対立や分断をあおるようなことはしてはならないと思います」(中略)
 「それは、まず個々の政策をそれぞれ磨き上げて、それらをパッケージ化し、目指す社会像、ビジョンや政権構想として、早期に国民に分かりやすい形で示していただきたいというものであります。こうしたビジョン政権構想は、現政権との間での基本的な立ち位置の違いを明確にするためにも必須であります。個々の政策をバラバラに示しても、なかなか民意を取り戻す、そういった部分にはつながらないのではないかと思います。民進党として、どっしりとした存在感を世にアピールしていただきたい。このことを申し述べたいと思います」
 「いずれにいたしましても、支持率が急上昇するような秘策は私はないと思います。目先の状況だけにとらわれることなく、政権構想を練り上げ、候補者擁立を進めていただき、地道に国民に訴えていただくことで、働く者も生活者も不安を解消していくことが求められていると思います。それこそが、次期衆院選の勝利につながるものだと確信します。私たちも、推薦候補者全員の当選のために全力を尽くして参ります」
 「蓮舫代表を筆頭に、民進党の皆さんがたが、大きな発展に向かわれることを心から願います。私たちにとっては、民進党しかありませんから、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。ともにがんばりましょう」
(3月12日、産経新聞、一部略)

自分たちの中で圧倒的に無関心層と自民党支持が増えているのに、相も変わらず民進党支持を続ける連合。連合が掲げる政策の殆どは自民党・霞ヶ関に親和的で、むしろ民進党が目指そうとしている社会をかけ離れている。
言うまでも無いことだが、原子力発電を廃止しようとすれば電力総連が反対し、安保法制に反対しようとすればゼンセンがクレームを付け、労働時間規制を導入しようとすれば連合本体が文句を付けてくるという具合で、連合が民進党の政策に口出しすればするほど、民進党の政策は自民党と同質化してゆく構図になっている。

連合・神津執行部の腹は、敢えて「野党第一党の獅子身中の虫」となることで、「強い野党を作らせない」よう、自民党を間接的に支援する、あるいは邪魔させないところにあると思われる。
現状、連合の政治的圧力によって民進党は、全く自民党の対立軸を打ち立てることができず、野党としていかなる影響力も発揮し得ていないことが、それを裏付けている。また、連合の逢見事務局長(UAゼンセン)は頻繁に官邸や自民党関係者と接触しており、彼らから指示を受けているものと推察される。

一方、民進党は民進党で、自前の党員や党組織を持たないため、選挙の実務や人手の大半を連合に依存しており、連合の支援無くして選挙区で勝てるのは衆議院で2桁に行くか行かないかだろうと考えられている。
民進党の前身である民主党が、自前の党員を持たない党組織を指向したのは、かつての社会党が総評と社会主義協会の党員によって牛耳られ、国会議員の影響力が小さく抑えられていたことに対する反省、懸念に基づいている。
ところが、現実には党組織を持たない民進党は、自前で選挙ができないため、全てを連合に頼らざるを得ず、結果的には社会党時代と同様に労働組合依存を強めてしまっている。社会党との決定的な違いは、労働組合そのものの体力が大きく低下しているため、その運動力も集票力も非常に限定されたものになっている点だろう。

その結果、民進党は政策的には自民党と大差がないため「じゃあ自民党でいいじゃん」との評価が固定化、運動力と集票力では地域に密着した自民党に劣り、自民党に対していかなる点においても優越性を発揮できない政党になっている。
連合としては、民進党が「弱い野党」であり続けることで、自身の利益にかなうと同時に、万が一自民党が大不祥事などで総選挙に大敗、下野することがあっても、何らの政策変更がなされない担保となっている。

以上の意味で、連合の存在は、民進党はおろか、日本の議会政治をも「詰ませて」いるのである。

【追記、03/14】
朗報です。連合の努力により、ストを打つことも無く、「残業月上限100時間未満」が実現されました。政府が示す過労死ラインを上回る残業が公認される「歴史的改革」となりました。
posted by ケン at 13:48| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

増村寛 遺作展

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一昨年昇天された、中学、高校の恩師である増村先生の遺作展。
自分もそんな年になったのかと。「お前はいつ個展やるんだ?」と言われているみたいで、腰が引けるけど・・・・・・
posted by ケン at 13:46| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月12日

映画 ハーモニー 伊藤計劃

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『ハーモニー』 監督なかむらたかし、マイケル・アリアス 日本(2015)



『虐殺器官』に感銘を受け、この機に他の伊藤作品も見てしまおうと思った次第。
本作も同様にセリフが膨大で、原作を読まずに映画だけ見てもどこまで理解できるか、というレベルになっている。しかも、『虐殺器官』に比べて動きが少なく、ラストを除くと見せ場というほどの場面も無いため、人によっては退屈を覚えるだろう。この難解さと退屈さで評価が下がってしまうのは避けられないが、話についていけさえすれば、必要最小限にまとめられていることや声優の名演に高評価が与えられるはずだ。特にケン先生は榊原良子ファンなので、徹頭徹尾ウハウハだった(笑)ただ、CGが「いかにもCG」になっている点、敢えて非現実、人工感を出す演出だとは思うのだが、違和感を覚えないではいられない。映像美という点では『屍者の帝国』に軍配が上げられるが、ストーリーや全体の空気感における、「美しい悲劇」という点が傑出している。

流れ的には『虐殺器官』後の世界で、先進国では高度に発展した医療福祉社会が構築され、政府の管理下で国民は健康と幸福が保障されている。国民はひたすら「善なる存在」であり、そこには悪意すら存在しない「満たされた」社会が実現している。果たして、そこに人の意志や意識はどこまで存在しうるのか、自由や個性にいかなる価値があるのか、ユートピアと表裏一体のディストピアなどがテーマになっている。テーマとしては、『PSYCHO-PASS サイコパス』によく似ているし、言ってしまえばSFの常套ネタなのだが、同性愛、自殺、テロルなどの組み合わせとプロットが抜群に上手いのだと思われる。突っ込むべきところは色々あると言えばあるのだが、そこは原作を読んでからにしたい。
posted by ケン at 11:00| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月10日

いざ!1億総スポーツ社会

【「1億総スポーツ社会を実現」 基本計画を答申】
 スポーツ庁長官の諮問機関、スポーツ審議会は1日、2017年度から5カ年の施策の指針を示す「第2期スポーツ基本計画」の内容を鈴木大地長官に答申した。20年東京五輪・パラリンピック開催を契機に、スポーツ参画人口の拡大による「1億総スポーツ社会」の実現を掲げ、施策の数値目標を現行計画の8から20に増やした。新計画ではスポーツによって「人生が変わる」「社会を変える」「世界とつながる」「未来を創る」の4つを基本方針に、医療費抑制や地方創生など国の課題解決に取り組む姿勢を示した。施策の数値目標としては、▽障害者のスポーツ実施率(週1回以上)を現状の2倍の40%にする▽スポーツが「嫌い」「やや嫌い」の中学生を半減させ8%にする▽国内スポーツ市場の規模を20年までに10兆円、25年までに15兆円にする――などを追加した。五輪とパラリンピックでの過去最多の金メダル獲得に向け、支援も充実させる。今月下旬にも松野博一文部科学相が最終決定する。鈴木長官は「非常に重要な5年間になる。教育としてのスポーツだけでなく、楽しさを伝えることに注力したい」と語った。
(3月1日、日本経済新聞)

東京五輪と合わせて、巨大な「東京スポーツ宮殿」が建てば、ナチ化完成。まぁギガントマニアに成りきれないところが日本人の弱いところかもしれないが、奈良大仏や戦艦大和の前例もあるからなぁ。

ナチに限らず全体主義国家はほぼ例外なくスポーツが大好きで、五輪のメダルの数を競う傾向が強い。これは、スポーツが、国家と国民を結ぶ紐帯としての機能として高く評価されているためだ。ソ連でもナチス・ドイツでも、国が各種スポーツ団体を主宰し、国民を動員、統合の手段としてきた。
同時にスポーツは容易に軍事に転用することができる。ドイツのグライダー協会が新設空軍の人材供給源になったことは良く知られている。

五輪で獲得メダル数を競うのは、国家威信に固執する権威主義精神の発露であり、国を挙げてメダル数を騒ぎ立てる日本は、表面上は民主主義を奉じているが、潜在的には権威主義に親和的で、自民党一党優位体制の根幹をなしている。

政府・自民党がこうした政策を打ち出すのは、根源的には森氏に象徴されるように、自民党の利権がスポーツ団体に集中しているためだが、背景的には企業福祉国家の瓦解に伴って国民統合力が低下する中で、国民統合を下支えする装置が求められていることがある。また、国民の不満を逸らす「サーカス」として東京五輪が準備されているが、1936年のベルリン・オリンピック同様の国威発揚の機会としても考えられている。

だが、現実には五輪を開催するために限られた予算を投じるため、社会保障を切り下げるほかなくなっている。また、スポーツに国民を動員しようとしても、高齢者ばかりで1億人をスポーツに参画させようとすれば、60代まで動員する必要があり、とても現実的とは言えない。東京五輪も、もともと4割以下しか賛同者がいなかったところを、必死に情報操作して6割まで水増しして誘致を果たしているだけに、伯林五輪のような熱狂を期待するのは難しいだろう。まして、近隣諸国がボイコットでもすれば、「斜陽国での五輪開催」としてモスクワ五輪を彷彿させる事態になりかねない。
いずれにせよ、自民党員や官僚が期待するような結果にはならないとは思うものの、今後さらに権威主義、全体主義にシフトしてゆくのかと思うと、憂鬱にならざるを得ない。
posted by ケン at 12:02| Comment(0) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月09日

Combat Commander: Pacificを初プレイ

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購入して10年近く放置していた「Combat Commander : Pacific」を初プレイ。ドラマの『The Pacific』もそうだったが、どうも米国人の日本軍評価が恐ろしく高いような気がする。ジューコフですら「(独ソ戦を含めて)一番厄介だったのはノモンハン」と言っているくらいだから、どこか根本的に欧米の軍とは「かみ合わない」ものがあるようだ。

本ゲームの日本軍も他国軍に無いルールや特殊能力が満載で、「規格外」「常識外」と思われていたことがよく分かる。全ユニットが移動する「バンザイ突撃」、いきなり後方にユニットが現れる「浸透」、単独ユニットの狙撃兵、何よりも「指揮混乱」(無効カード)が無いのが強い。個々のユニットは、火力も射程も米英軍に比して見劣りするのだが、移動力と士気(モラル)が高く、非常に打たれ強いため、これが塹壕やトーチカに入っていると、相当に堅い。しかも、日本軍は「降伏」しないため、損害を無視して戦うことができる。現実には、損害過多の場合に、自軍の損害を上回る戦果が挙げられるパターンが、どれほどあるのか疑問なのだが。こうしたルールとシステムで色々規定されているため、日本軍プレイヤーは自然と当時の指揮官同様、歩兵による飽和攻撃と浸透戦術に誘導されてゆく。良くできていると言えば、良くできているのだが、プレイヤー=小隊長、中隊長としての選択肢はあまり多くないようにも思える。

基本の「ヨーロッパ」から若干のルール変更があり、スタック・オーバーによる「即死」がなくなり、「敗走」命令が無くなり、砲撃や武器故障についても変更が行われている。「ちょっとゲーム的な処理になったか」と思わなくも無いが、プレイ・アビリティはむしろ向上しているかもしれない。違和感と呼ぶほどのものは感じない。

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シナリオは「マニラ近郊戦(1945)」を3回と「イル川渡河戦(1942)」を1回プレイする。この日は10時間ほどプレイしたので、1プレイ2時間強。久しぶりなのと、新ルールの確認を行いながらだったのを考えれば、慣れれば1プレイ1時間半ほどになるのだろう。相変わらず良好なプレイ・アビリティである。

「マニラ近郊戦」は、まず2回をK先輩が攻撃側米軍、ケン先生が防御側日本軍を持ってプレイ。中央に見通しは悪いが(視線障害)、身を隠す場所の無い(掩蔽値ゼロ)麻畑が広がるマップで、米軍は両端から重要拠点に迫るが、そこには当然日本軍の陣地があり、火線を構築して待ち構えている。そして、案の定、米軍は陣地を抜くのに苦労し、片方の陣地を抜くことには成功しても、そこで時間切れになり、重要拠点には遠く及ばなかった。二度目は戦力を集中して、一方の突破に専念するも、これはこれで防衛側の戦力集中と火力集中を許し、結局激しい射撃戦が繰り返されるだけで終わってしまう。
本ゲームは、どうも攻撃側の難易度が高いらしい。攻撃側の方が選択肢が多く、最適解が出しにくいこと、「どこで得点するか」について柔軟な判断が求められること、必要に応じて損害覚悟で攻撃することが求められるが、この決断がなかなか難しいこと、などが挙げられる。

そこで攻守を替えて同じシナリオを試す。米軍は二つに分けて分進合撃を試み、陣地を突破した方から、機会射撃を顧みずに突撃、重要拠点に迫る。防御側は、機会射撃できると言っても、手札上限は4枚でしかなく、現実には「一回撃てるかどうか」でしかない。仮に射撃できたとしても、損害が無ければ前進し続けられるのだから、突撃は有効な戦術である。ただ米軍は移動カードが少ないため、そこがネックになるのは避けられない。それでも、重要拠点に辿り着いて射撃し始めたところで時間切れになってしまった。

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せっかくなので違うシナリオも、ということになり、敢えて日本軍が万歳突撃する「イル川渡河戦」(ガダルカナル、1942)をプレイ。私が日本軍(一木支隊)、K先輩が米海兵隊を担当した。配置を見る限り、川と鉄条網、さらに米軍陣地というガチガチの防衛線が敷かれており、「どんな無理ゲーだよ?」という印象。だが、実際にプレイしてみると、比較的火線の弱い海外線方面で、日本軍が損害無視のバンザイ突撃を図り、飽和攻撃をもって米火線を抜いて陣地に肉薄、スタック・オーバーの白兵戦をもって米軍を屠ると、その勢いで米陣地を一つずつ落とし、かつヘンダーソン飛行場への突破を進め、日本軍の勝利に終わった。
このシナリオの場合は、「日本軍の突撃をいかに効率よく足止めするか」が課題になり、逆に米軍側にテクニカルな防御術が求められるようだ。
それにしても、史実では日本軍が大損害を出しているだけに、米デザイナー氏に「これでいいんきゃ?」と聞いてみたくなる。まぁ一戦だけでは何とも言えないか。

【訂正:03/11】
最初のシナリオの「マニラ近郊」は「ミンダナオ島」の間違いでした。訂正します。
posted by ケン at 12:33| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月08日

スウェーデンで徴兵制復活

【スウェーデン徴兵制復活 ロシアの脅威に対応、女性も対象】
 スウェーデン政府は2日、2010年に廃止していた徴兵制を復活させると発表した。18歳の男女を対象に来年から兵役に就かせる。ロシアがバルト海周辺で活動を活発化させるなど、世界的な安全保障環境の変化に対応する。
ペーテル・フルトクビスト国防相はAFPに対し「ロシアが(ウクライナの)クリミアを併合した現状がある」と指摘。さらに「ロシアはわが国のごく近傍での演習を増やしている」と警戒感を示した。
 スウェーデンは現代的な軍に必要な条件を満たせないとみて2010年に徴兵制を廃止。志願制に切り替えていた。今年7月1日から、1999年以降に生まれた男女全員が徴兵対象となる。スウェーデンで徴兵制が女性にも適用されるのは初めて。兵役に就くのは来年1月1日からで期間は11か月。7月1日以降、1999年以降生まれの国民は全員連絡を受け、質問票への回答を求められる。回答内容に基づいて1万3000人が招集され、毎年4000人ずつ徴集される。
(3月3日、AFP)

何でもロシアのせいにするのはいかがなものかと思うが、EUの統合力やNATOの統制力の低下が、相対的に個別自衛力の強化に向かわせているのは確か。

本来NATOは「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」ことを目的として設立された。ところが現状では、アメリカは覇権放棄で撤退近く、フランスは没落してドイツに従属、イギリスは「一抜けた」になりつつあり、第二次世界大戦後に目指された欧州統合の前提条件が瓦解しつつある。
その結果、現状はドイツの一人勝ちになっており、「嫌だけどロシアを引きずり込んでドイツとのバランスをとる」ことで、欧州の安定を保とうという力学が働いている。ハンガリー、ブルガリア、あるいはフィンランドが親露路線に舵を切りつつあるのは、その現れと見て良い。

他方、欧州各国が自衛力強化に走るのは、「ロシアが強いから」ではなく、「欧州の統合力、集団防衛力が弱くなったから」であるにもかかわらず、旧態依然たる「ロシアの脅威が〜」と言い立てるから、おかしいことになっている。この辺は、世界のマスゴミが英米仏に牛耳られ、その国家方針が反映された情報のみが流通していることに起因する。英米仏の意向に反するニュースが「フェイク・ニュース」などと呼ばれているに過ぎず、ニュースの信憑性などはしょせん程度問題に過ぎない。

現代の軍事力が工業力と資本に依存する以上、ロシアが軍事的に優位に立つことはない。例えばロシアのGDPは英仏を大きく下回り、イタリアと同レベル、日本の半分でしかなく(国土面積は日本の45倍)、そのロシアの軍事力を「NATO(欧米共通の)最大の脅威」と言い立てている時点で、「おかしいんじゃね?」と思う感覚こそが、「フェイク・ニュース」を見破る正常な判断を担保するのである。
但し、現状ロシアの合計特殊出生率は1.6を下回る程度だが、回復傾向にあり、これが続くとなると、今後は景気回復と相まって脅威度が上がってゆく可能性は否定できない。

また、この問題はヨーロッパに限った話では無い。むしろ極東地域で対米関係以外は孤立した国際環境にありながら、ロシアとも和解できないまま、反中路線を突っ走る日本こそ、相対的に国防力を低下させており、現状の外交路線を維持する限り、軍拡は避けられない。日本の場合、若年人口の減少が著しく、出生率回復の見込みも立たなでいる。果たして経済徴兵だけで間に合うのか、現状でも定員割れが深刻になっているだけに、徴兵制の現実性は高まりつつあると見て良い。
posted by ケン at 12:39| Comment(3) | ロシア、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月07日

反露政策は収束に向かうか

【フィンランドでロシア脅威論が後退】
 フィンランドでロシアを脅威と見なす国民が半分以下に減っている。世論調査会社タロウストゥトキムスが国営放送Yleの委託で実施したアンケートで、このような現状が明らかになった。それによると、ロシアを脅威と考える人は47%にとどまり、過去最高だった2014年の56%から9ポイント低下。ロシア脅威論を吹聴する地元メディアに、必ずしも同調していないことが浮き彫りとなった。背景には、ウクライナ政権と同国東部を実効支配する親露派勢力の軍事紛争が、フィンランドでさほど報道されなくなったことがあるようだ。またフィンランドでは北大西洋条約機構(NATO)への参加に懐疑的な意見も広がっている。タロウストゥトキムスの最新の世論調査によると、「加盟すべきか分からない」との回答が2014年の16%から28%に増加。加盟賛成は21%にとどまり、反対は51%に上った。
(2月20日、NNA)

欧州情勢は常にある種のバランスの上に成り立っている。「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」という、ヘイスティングス・イスメイNATO初代事務総長の言葉こそが、第二次世界大戦後のヨーロッパ統合の目的と戦略を表している。EUは政治経済、NATOは軍事を代表するもので、若干の相違はあるものの、基本的な構図は同じだ。
ところが、アメリカは勢力衰退に伴って欧州から撤退しつつあり、経済的にはドイツが「一人勝ち」の状態にある。本来は、アメリカの後ろ盾を得たイギリスとフランスが協同してドイツを抑え、統合欧州の核を担っていた。ところが、米の関与が弱まり、フランスは衰退著しく、「ドイツを抑える」ことが難しくなったのを見て、イギリスが「一抜けた!」と宣言したのが「Brexit」だった。
今日では、ドイツのメルケル首相が一人で「ヨーロッパ・リベラル」を守っているような格好になっているが、メルケル氏が一人で頑張れば頑張るほど、「ドイツを抑え込む」という欧州統合の原理が損なわれてゆく。
そして、ドイツの一人勝ちが目立てば目立つほど、「ロシアを締め出す」政策が価値を失い、愚劣に見えてくる。英仏が役に立たない以上、次に来るのは、「ロシアを引き込んで、ドイツを抑え込む」になるだろう。もちろん、現行のEUやNATOにロシアを入れるというのではない。アメリカの不在で、それらは陳腐化しているからだ。
欧州が再分裂を選ぶのか、異なる形での統合を求めるのか、そこはまだ分からない。だが、「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」という形での「戦後和解体制」は間もなく終焉を迎えるものと思われる。
posted by ケン at 12:07| Comment(0) | ロシア、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする