2017年03月03日

戦力計算もできない民進党

【「30年原発ゼロ」連合会長が批判 民進、党内でも賛否】
 民進党の支持母体である連合の神津里季生会長は22日の記者会見で、同党執行部が検討する「2030年原発ゼロ」に対し、「深刻な疑問を持たざるを得ない」と改めて批判した。
(2月23日、朝日新聞抜粋)

【蓮舫氏、「2030年原発ゼロ」表明を断念 連合に配慮】
 民進党の蓮舫代表は27日、3月の党大会での「2030年原発ゼロ」方針表明を断念した。視察先の福島県飯舘村で記者団に「年限はメディアがこだわっている。私たちは中身にこだわりたい」と語った。党内の意見集約が進まず、支持母体の連合の猛反発に配慮した形だ。蓮舫氏はこの日、飯舘村長らと意見交換。その後、記者団に「将来的にゼロが可能だとはこれまでも訴えてきた。その思いを共有、認識できる大会にしたい」と述べた。野田佳彦幹事長も同日の記者会見で「決まっていないことを言うことは出来ない」と明言した。
(2月27日、朝日新聞)

民進党は全くコマンド・コントロールできないことを明らかにしてしまった。本件でも常にダメな選択肢を選んでいる。
まず党内の勢力図を考慮、調整せずに、「2030年原発ゼロ」を打ち出したことで、潜在的な党内対立を表面化させた(減点)上、その対立を解消させることもできない(減点)まま、掲げた方針を撤回したのである(減点)。これらの「減点」は現実には「獲得票の減少」という形で現れるだろう。
近々では6月に行われる東京都議選で、ただでさえ「小池への擦り寄り」と評判の悪い都議会民進党(自称:東京改革議員団)が大敗北を喫すると予想される。すでに内部では「5議席取れれば御の字」「1、2議席の可能性もある」と話されているが、ケン先生も自らの政治的良心に従って協力も投票も拒否を表明している。

「原発ゼロ」の方針は、いくつかの労働組合や業界団体と決して相容れない以上、「二者択一」「損切り」の判断が要求されるのは避けられない。この場合、イデオロギーを抜きにして、リアル・ポリティクス重視で考えるならば、「原発票」と「脱原発票」のどちらが多いかという判断になる。単純に全国平均の票数で考えた場合、民進党を支持する原発票(電力、電機系労組)は小選挙区あたり2千票前後だろう。もちろんこの数字は地域によって差があることは確かだが、ここでは省く。これに対して、民進党が「原発ゼロ」を掲げることで新たに獲得する票が2千を上回るかどうか、あるいは「原発ゼロ」放棄することで失う票が2千を上回るかどうか、が今回の判断基準になる。
他の要素としては、核推進労組による献金(パーティー券の購入)や選挙支援要員(ポスター貼り、電話がけ)もあるが、これも恩恵を受けているのは原発推進を明言している者だけなので、一般化することはできない。

だが、そもそも核推進論者は基本的に自民党に投票しているはずで、民進党内に核推進派がいるのは「野党第一党を拘束することで、自民党・霞ヶ関の核政策を円滑に進める」ために過ぎない。現実に、民進党が「原発ゼロ」を掲げられないことで、原発反対派の票は少数党に細かく分散してしまっている。つまり、連合の戦略は、野党第一党の足を引っ張ることで、政府の核政策を支援するというものだと考えられる。

結果的に民進党蓮舫執行部は、不採算部門の処理ができないまま、再建を図ろうとしている東芝のようになりつつある。中途半端に「2030年原発ゼロ」を掲げたことで、脱原発派の期待を裏切って失望に変えてしまった上、連合に屈したことで労働組合に否定的な層からも愛想をつかされた格好になっている。同時に連合からすれば、民進党は「潜在的反逆者」ということになり、今後はさらに政治統制を強化しようという話になるだろう。

もともと民進党には何の展望も無かったが、今回の件で挽回する(主導権を取り戻す)機会すら失われたのである。
また、連合は連合で一部の業界組合が自己利益の追求で暴走した挙げ句、完全に「業界団体の手先」と化してしまっており、労働団体としての機能を自ら否定してしまっている。連中は「全労働者の代表」を僭称しているが、現実には6千万人の内の6百万人を代弁しているに過ぎず、その中でも不和を生じさせている。連合は連合で、もはや自民党支持に舵を切って、しかも殆ど見向きもされないという選択肢に、自分を追いやりつつある。

どこまでも「バカばっか」である。
posted by ケン at 12:06| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする