2017年03月08日

スウェーデンで徴兵制復活

【スウェーデン徴兵制復活 ロシアの脅威に対応、女性も対象】
 スウェーデン政府は2日、2010年に廃止していた徴兵制を復活させると発表した。18歳の男女を対象に来年から兵役に就かせる。ロシアがバルト海周辺で活動を活発化させるなど、世界的な安全保障環境の変化に対応する。
ペーテル・フルトクビスト国防相はAFPに対し「ロシアが(ウクライナの)クリミアを併合した現状がある」と指摘。さらに「ロシアはわが国のごく近傍での演習を増やしている」と警戒感を示した。
 スウェーデンは現代的な軍に必要な条件を満たせないとみて2010年に徴兵制を廃止。志願制に切り替えていた。今年7月1日から、1999年以降に生まれた男女全員が徴兵対象となる。スウェーデンで徴兵制が女性にも適用されるのは初めて。兵役に就くのは来年1月1日からで期間は11か月。7月1日以降、1999年以降生まれの国民は全員連絡を受け、質問票への回答を求められる。回答内容に基づいて1万3000人が招集され、毎年4000人ずつ徴集される。
(3月3日、AFP)

何でもロシアのせいにするのはいかがなものかと思うが、EUの統合力やNATOの統制力の低下が、相対的に個別自衛力の強化に向かわせているのは確か。

本来NATOは「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」ことを目的として設立された。ところが現状では、アメリカは覇権放棄で撤退近く、フランスは没落してドイツに従属、イギリスは「一抜けた」になりつつあり、第二次世界大戦後に目指された欧州統合の前提条件が瓦解しつつある。
その結果、現状はドイツの一人勝ちになっており、「嫌だけどロシアを引きずり込んでドイツとのバランスをとる」ことで、欧州の安定を保とうという力学が働いている。ハンガリー、ブルガリア、あるいはフィンランドが親露路線に舵を切りつつあるのは、その現れと見て良い。

他方、欧州各国が自衛力強化に走るのは、「ロシアが強いから」ではなく、「欧州の統合力、集団防衛力が弱くなったから」であるにもかかわらず、旧態依然たる「ロシアの脅威が〜」と言い立てるから、おかしいことになっている。この辺は、世界のマスゴミが英米仏に牛耳られ、その国家方針が反映された情報のみが流通していることに起因する。英米仏の意向に反するニュースが「フェイク・ニュース」などと呼ばれているに過ぎず、ニュースの信憑性などはしょせん程度問題に過ぎない。

現代の軍事力が工業力と資本に依存する以上、ロシアが軍事的に優位に立つことはない。例えばロシアのGDPは英仏を大きく下回り、イタリアと同レベル、日本の半分でしかなく(国土面積は日本の45倍)、そのロシアの軍事力を「NATO(欧米共通の)最大の脅威」と言い立てている時点で、「おかしいんじゃね?」と思う感覚こそが、「フェイク・ニュース」を見破る正常な判断を担保するのである。
但し、現状ロシアの合計特殊出生率は1.6を下回る程度だが、回復傾向にあり、これが続くとなると、今後は景気回復と相まって脅威度が上がってゆく可能性は否定できない。

また、この問題はヨーロッパに限った話では無い。むしろ極東地域で対米関係以外は孤立した国際環境にありながら、ロシアとも和解できないまま、反中路線を突っ走る日本こそ、相対的に国防力を低下させており、現状の外交路線を維持する限り、軍拡は避けられない。日本の場合、若年人口の減少が著しく、出生率回復の見込みも立たなでいる。果たして経済徴兵だけで間に合うのか、現状でも定員割れが深刻になっているだけに、徴兵制の現実性は高まりつつあると見て良い。
posted by ケン at 12:39| Comment(3) | ロシア、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする