2017年06月02日

Thirty Years Warでカトリック万歳

T後輩にGMT「Thirty Years War」をインストール。
何と言っても来年は「三十年戦争開戦400周年」であるし、大西先生の『乙女戦争』8巻刊行記念でもある。まぁフス戦争や三十年戦争に熱を上げている日本人が果たして何人いるのか心許ないのは確かだが。

一応作品のおさらいをしておこう。
本作は、ドイツ三十年戦争をテーマとし、1618年のボヘミア反乱から同48年のウェストファリア条約締結までを再現する(ゲーム的には1620年より)。プレイヤーは、カトリック派とプロテスタント派に分かれて、それぞれの派に属する複数の国家や諸侯の軍を指揮して、自派の勝利を目指す。
マップはドイツ全域、オーストリア帝国の一部、オランダからフランスの一部までを含む。
本作が最も興味深いのは、毎ターン軍を維持するのに金がかかるだけでなく、その資金は外国からの援助に依拠、未払いの部隊は勝手に掠奪を始めたり解散してしまったりする。さらに、移動に際しては部隊規模に応じて進撃途上で掠奪していくことがルール化されており、すでに掠奪されている土地ではさらなる掠奪や募兵ができないというシステムになっていて、非常に中世の殺伐とした雰囲気が再現されている。

プレイに先立って後輩に「どっちをやる?」と聞いたところ、「どっちが難しいですか?」と返してきた。史実は、本ゲームで言うところの「ゲーム終了時点でプロテスタント勝利」に終わっているが、実際には1620年にカトリックとプロテスタントの両軍が先端を開いてから、プロテスタント側は負けに負け続け、最初に戦場で勝利を得たのは1631年のことだった。つまり、全15ターンのうち(1ターン=2年)、プロテスタント側は前半部はひたすら押し込まれることを覚悟する必要があり、下手すると押し切られてしまう恐れがある。カトリック側は当初、装備も指揮官も圧倒的に優位に立っており、プロテスタントを圧倒すれば良いが、これに対してプロテスタント側は戦力や指揮官を維持しつつ、「どこまでカトリックの攻勢(暴虐)を耐えて我慢するか」を見極める必要がある。つまり、プロテスタント側は「戦争マネージメント」が難しい。
などと説明したにもかかわらず、後輩はプロテスタントを選択。私は、購入から10年以上を経て初めてカトリックを持つところとなった。

この日は11時過ぎから始めて21時近くまでプレイし、1回目は14ターン、2回目は7ターンまで終えた。一人は初心者であることを考慮しても、この規模のゲームながら良好なプレイ・アビリティである。

1回目は、プロテスタント側が「リシュリュー卿、フランス宰相に就任」を作戦カードに使ってしまい、フランスからの資金援助が滞った上、スウェーデン参戦の前提条件が満たせなくなってしまった。通常の流れであれば、「序盤戦」のカードはもともと12枚しか無いので、一度見送っても3ターン目か4ターン目には手元に戻る計算なのだが、カトリック側が順調に「オランダ攻略」「選帝侯位をバイエルン侯に移行」「回復令」を進めた結果、あっという間に30VPを確保して「介入期」カードが加えられ、「リシュリュー卿」が遠ざかってしまった。とはいえ、カトリック側もサドンデス勝利(50VP)を目指せるほど圧倒的では無く、ティリーは早々に死んでしまったものの、インファンテ卿率いるスペイン軍が猛威を振るい、40VPを維持するのが関の山だった。スウェーデン参戦は13ターンになってしまい、帝国軍(神聖ローマ、オーストリア帝国)はヴァレンシュタインを始め健在であり、「15ターン終了時に30VP以上」というカトリック側の勝利は堅いものと判断されるに至った。むしろ、スウェーデン軍無しでよくここまで持ったという評価が正しいかもしれない。

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下プファルツ=ロートリンゲンを暴れ回るスペイン軍。5ユニットで20火力とか「何言っちゃってるの?」みたいに強い。

二回目、プロテスタントは最初から「ガンガンいこうぜ」を選択、バイエルン軍に襲いかかって消耗戦を強いる。確かにバイエルン軍は消耗してしまい、数ターンにわたってボヘミアもプファルツもプロテスタント側が維持し続けたものの、その代償としてプロテスタント側は指揮官が次々と死亡、対するティリーは健在だった。結果、5ターンまで20VP台が維持されたものの、6ターンにはカトリック側の大攻勢によってプロテスタント側の補給源が全て抑えられ、プロテスタント側は軍に支払いが行えなくなり、勝手に解散し始め、そこをカトリック軍が襲いかかり、ほぼ壊滅。7ターンにはハンブルグを包囲しているデンマーク軍を残すのみとなり、無人のドイツをカトリック軍が蹂躙、全選帝侯を抑え、回復令を発し、50VPを突破して、サドンデス勝利に終わった。

本作はとにかく「終わらないゲーム」で、20VP後半から30VP前半をひたすら行き来するイメージだっただけに、まさかサドンデスになるとは自分でも想像できなかった。つーか、せっかく史実を説明したのに、何で一枚看板のマンスフェルトで戦うかなぁ。プロテスタントは「スウェーデン軍が来るまでどうやってお茶を濁すか」がカギなのに。さらに言えば、グスタフ=アドルフとティリーまたはワレンシュタインを相打ちにして、フランス軍でVPを回収するというのが、プロテスタント軍の「定石」だと思うのだが。
ちなみに二回ともまともに戦っていたのは、バイエルン軍とスペイン軍だけで、特にスペイン軍の最強ぶりが際立ったプレイとなった。「スペイン最強」なんてゲームは、本作以外に知らない。

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ペンペン草一本生えない中欧の図。

結論、まだまだ教育が足りないようだ。
仮想世界のこととはいえ、中高大と10年もお世話になったカトリック教会に恩返しできたと思うことにしたい。
なお、後輩氏に「プロテスタント軍のマーカーはなぜ鶏なんですか?」と問われ、分からなかったので後から調べたところ、どうやら主イエスに「今夜あなたは、鶏が鳴く前に三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた使徒ペトロの故事に由来するらしい。深い。
posted by ケン at 12:06| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする