2017年07月06日

防衛費拡大へ

【GDP比2%防衛費「参考」 自民調査会が中間報告】
 自民党の安全保障調査会(会長・今津寛衆院議員)は20日、平成31年度から5年間の次期中期防衛力整備計画に向けた提言の中間報告をまとめた。北大西洋条約機構(NATO)加盟国が防衛関係費について国内総生産(GDP)比2%を目標としていることに関連し、「(NATOの目標を)参考にしつつ、厳しい安全保障環境を踏まえた上で、十分な規模を確保する」と明記した。日本の防衛関係費はGDP比1%程度にとどまっている。中間報告では増額の幅について「あくまで必要不可欠な装備の積み上げの結果に基づいて判断する」とした。調査会は当初、先の国会開会中に最終報告をまとめ、政府への提出を目指していた。しかし、宇宙やサイバー分野など議論を深める必要があると判断、来春まで検討を重ねて最終報告をまとめることにした。
(6月21日、産経新聞)

まぁこうなるわな、と。
安倍・自公政権が対中強硬路線を選択する以上、軍事費の肥大化は避けようが無い。現状、2016年の軍事費で中国が2152億ドルに対して、日本は461億ドルでしかなく、中国の戦力は全て太平洋に向けられているわけでは無いにせよ、確かに在日米軍の存在によって拮抗が保たれていると考えてもおかしくはない。単純比は21.4%である。
中国にロシアを加えれば2844億ドルとなり、比率は16%になってしまう。もっとも、ロシアの軍事力の大半は欧州方面に向けられている。とはいえ、安倍政権が必死に日露協商を志向するのは、対中強硬路線を採る上で「他に選択肢は無い」ためだ。
しかも、中国の経済力は成長が衰えたとは言え、年6〜7%もあるのに対し、日本は1%という有様で、彼我の戦力差が日に日に拡大するのは隠しようが無い。

従来の冷戦構造下では、日本と韓国と台湾が西側の最前線となっていたが、台湾は実質的に中国の影響圏入りを認め、韓国も抗戦意思を失って中国の影響圏入りを受容しつつある。彼我の国力差を考えれば、当然の選択だが、日本だけが徹底抗戦を試みようとしている。

とはいえ、中国は経済成長の赴くままで歳入も自動的に増え、特別な負担無くして軍事費を増やせる算段だが、ゼロ成長の日本の場合、軍事費を増やすためには増税するか、他の歳出を削減するほかない。
現状、日本の軍事費はGDPの1%、歳出の約5%であるが、これを2倍のGDPの2%にした場合、歳出の10%を占めることになる。だが、国債費と地方交付税交付金等を除いた政策的経費である一般歳出で見た場合、2017年度予算で8.7%に達しており、軍事費を2倍にすると単純計算で17.4%にもなる。そのしわ寄せは、自民党政権である以上は、大衆増税ないしは、社会保障費や教育費の削減に向けられることは間違いなく、今後国内の不穏はさらに高まってゆくものと思われる。

そう考えると、この間自公政権が、刑事訴訟法改正、通信傍受拡大、秘密保護法、共謀罪と治安法制を強化し続ける一方、公文書管理法や情報公開法の有名無実化を進めた理由が見えてこよう。
posted by ケン at 12:51| Comment(0) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする