2017年08月01日

民進党代表選2017の初期情勢

【<民進代表選>動き活発化 江田氏に出馬促す声】
 蓮舫代表の辞意表明に伴う民進党代表選で、前原誠司元外相と枝野幸男前幹事長は31日、それぞれ党重鎮と会って立候補への環境整備を進めるなど動きが活発化した。党内の一部には「第三の候補」を探る動きもあり、江田憲司代表代行に近い議員が「旧民主党のイメージ払拭(ふっしょく)が必要だ」として江田氏に出馬を促した。
 前原氏は31日、国会内で川端達夫衆院副議長と会談。枝野氏は野田佳彦幹事長と会ったほか、リベラル系議員で構成する赤松広隆元農相のグループが会合を開いた。
 「第三の候補」を巡り、江田氏ら約10人が同日、東京都内で会合して対応を協議した。一方、昨年9月の代表選に立候補した玉木雄一郎幹事長代理は同日、記者団に「幹事長や代表を支える立場だった自分が出るのは筋ではない。現時点では白紙だ」と述べるにとどめた。
 野田氏は同日の記者会見で、前原氏と枝野氏について「あえて厳しい局面でリーダーになろうとする方がいることに敬意を表する。働き盛りで素晴らしいリーダー候補だ」と語った。
 民進党は8月1日に常任幹事会を開き、代表選で党員・サポーター投票を実施するかや選挙日程を決める。ただ、党内では「代表選をやっている場合か」などの不満もあり、国会議員だけの投票による早期の新代表選出や、候補者一本化による無投票を求める声も出ている。
(8月1日、毎日新聞)

下っ端としては、毎年代表選挙をやるのは本当に勘弁して欲しい。去年の岡田氏にしても、今回の蓮舫氏にしても、やる気満々の姿勢を見せておきながら、突然意味不明な理由で辞任して他者に丸投げするとか、殆ど昭和前期の総理大臣である。
党代表の座が1年と務まらないのは、それだけ党の統制がままならず、何かと言えば下から足を引っ張る向きが強いことを示しており、同時に足を引っ張る者を抑えつけられない代表の弱さの表れでもある。つまり、岡田氏にしても蓮舫氏にしても、党内に強い基盤が無く、自前の戦力を持たないことが祟っている。言うなれば、関ヶ原戦役における石田三成で、当時三成が100万石、4万人の兵力を持って戦役に臨んでいたら、異なる結末もあっただろう。言い方を代えれば、小さい元手で賭博に臨むような話で、そもそも勝ち目が薄かった。カネを持っていない博打打ちは、ほぼほぼ負けるものなのだ。
民主党政権前の小沢・鳩山路線が安定していたのは、二大派閥が強い同盟関係にあったためだった。

今回の代表選挙は、現在のところ枝野氏と前原氏が出馬の意向を示し、第三勢力が候補擁立を模索しているが、20人の推薦人を集めるには至っていない。一部では、「推薦人20人はハードルが高すぎる」との批判があるが、仮に推薦人を10人しか集められなかったものが、選挙の妙で代表の座に就いたとしても、岡田氏や蓮舫氏と同様、党の統制に失敗する可能性が高い。推薦人は、いわば保証人のようなもので、20人の保証人も集められない者が、150人からの国会議員をまとめられるだろうか、という話である。

まだ2人が立候補意志を表明したばかりだが、党内の下馬評は「前原圧勝」である。上の喩えと同様、枝野氏はどこまでも一匹狼で、旧社会党系やリベラル派に依存しているが、前原氏は弱体化したとはいえ党内保守派の「顔」だからだ。しかも、党内の国会議員を始め、総支部長(議員候補)から自治体議員まで「もはや民進党のままでは戦えない」という認識が共有されつつあり、「前原代表の下で解党して小池新党に合流、保守新党の結成をめざそう」という流れが強まっている。
例えば、東京の場合、衆議院25選挙区の総支部長(空白あり)と参議院議員が2人いるが、このうち枝野氏に投票するのは5人いるかいないかだとされている。これは、先ごろ行われた都議選の大敗を受けて、「一刻も早く小池新党に合流すべき」という気運が高まっているためだ。また、愛知の場合、15人の総支部長と3人の参議院議員がいて、このうち枝野氏に投票するのは3、4人と見られている。こちらは、連合内の特に同盟系が強い選挙区で、連合が保守新党に舵を切ったことを受けての流れになっている。他も程度の差はあれど、似たようなものだろう。

結果、「前原圧勝」が明白であるため、前原支援の流れが加速する一方、リベラル派はすでに戦意を喪失、「何とか話し合いにして選挙は避けるべき」という不戦論(敗北主義)が蔓延している。下手をすると、枝野氏は20人の推薦人すら集められなくなるかもしれないほどだ。選挙をやる前から左派は自壊、選挙そのものが成立しない可能性もでてきている。

【追記】
一般論として「いま代表選をやっても党内に亀裂が残るだけ」というのは理解できるが、それはあくまでも身内にしか通用しない論理であり、公党である以上は、代表選挙を行うのが筋で、それを否定したらデモクラシーの正統性が揺らいでしまう。また、戦う意志すら見せないものに敵が妥協する必要もないわけで、民進党のリベラル派と言われる連中が政治家ではないことを示している。他方で毎年代表選挙が行われることで、党員・サポーターの士気や信頼は急低下しており、これも党崩壊への遠心力になっている。組織の統制という点では、蓮舫氏が辞任した場合、残りの任期は代表代行が代行すべきで、そうでなければ「代行」の意味が無い。民進党は組織としても非常に脆弱だと言える。

【追記2】
2人の主要候補については、一人はカク丸、もう一人はパソNA疑惑があり、暴露合戦に陥る恐れもある。
posted by ケン at 12:15| Comment(7) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする