2017年09月30日

民進から希望で政治資金は?

「カネの問題はどうなるんだ?」旨の問い合わせがあったので、皆さんの疑問に答えます。今回、民進党から希望の党に移籍する人々は、すでに民進党から選挙資金が交付されているわけで、それは政党総支部の口座に入金されています。候補者の口座ではありません。結果、民進党の政治資金を希望の選挙運動に流用するという手続きになります。政治資金規正法は、いくつかの例外を除いて原則的には「政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与する」ということで、その使途を細かく規定していません。つまり、「違法では無い」のです。ですが、同時に「公明と公正」「いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない」とも規定しています。

なお、先に離党したある人は「民進党から下りてきたカネがあるだろう。500万円供出したら、公認出してやってもいい」と言われたとか。もともと今回の解党・合流の話は「負けたくない(落選したくない)」民進党と「カネが欲しい」希望の党との非常に打算的な合意であって、そこには政策も理念も無いのです。
どこまでも外道、畜生道の世界なのです。

現実には平場で議論したらまず確実にまとまらず党分裂になっていたでしょうから、緊急事態を理由に全党挙げて合流することを強行したのは、組織論としては合理的選択だったでしょうが、それはデモクラシーの正統性を犠牲にすることでしかなり立ち得ないのです。
結果、議会政治と民主主義は今後さらに信頼と支持を低下させてゆくものと見られます。連中は、自分の首にロープを掛けているのです。
posted by ケン at 12:00| Comment(3) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月29日

前原は小池に騙された?

26日夜に「全員合流」で合意したはずが、昨夜ないし今朝になって「厳密に選別する」という話になり、しかもリベラル派だけでなく、野田、岡田、江田氏など保守系大物も排除ということで、民進党内は「前原代表は騙されただけ!」と大混乱に陥っている。

私の想像では、小池氏は当初は「全員合流で過半数を取って総理に」と考えていたが、いざターンを進めてみると「とてもムリだ」という判断に傾いて軌道を修正、「自希公の三党連立で、自分は都知事のまま副総理になる」という方向に転じたものと見られる。
自民党と連立ということになれば、リベラル派や大物議員は邪魔なだけなので排除すべきという話になるのは当然だろう。

前原氏的には、恐らくは最初から民進党の議員を騙そうとしていたのではなく、変に自分も合流したいと思っていたことから、騙されやすい環境に置かれていたものと見るべきだろう。

民進党的には、半分が希望合流して、もう半分は無所属として放り出されるか、合流しない半分が民進党のままで出馬するか、という選択を迫られることになる。
posted by ケン at 12:57| Comment(5) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

リベラル派は地下潜行?

いまや民進党の左派・リベラル派なんて、ソ連とナチス・ドイツに独ソ不可侵条約を結ばれてしまったポーランド社会党や、あるいは第二インター下で第一次世界大戦が勃発した時の国際主義者のような立ち位置に追いやられているのです。
posted by ケン at 10:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

医療費9年連続最高記録更新中

【医療費が大幅増、42.3兆円 15年度 高額薬剤響く】
 厚生労働省は13日、2015年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)は、42兆3644億円だったと発表した。前年度より1兆5573億円増加。国民1人あたりも1万2200円増の33万3300円で、いずれも9年連続で過去最高を記録した。
 増加率はここ数年、前年度比1〜2%台で推移してきたが、15年度は3・8%の大幅増となった。薬局調剤医療費が6985億円増えており、同年度に保険が適用されたC型肝炎治療薬などの高額薬剤の影響が大きいとみられる。 高齢化の影響もある。75歳以上が入る後期高齢者医療制度の給付は前年度比4・7%増の14兆255億円となった。国民1人あたりの医療費は、65歳未満が18万4900円なのに対し、75歳以上は92万9千円と約5倍だった。
 医療費の財源は、国民や企業が負担する保険料が20兆6746億円で全体の48・8%を占め、国と地方を合わせた公費は16兆4715億円で38・9%、患者の自己負担分は4兆9161億円で11・6%だった。 国民医療費は、保険診療の対象になる治療費の推計。健康診断や予防接種などの費用は含まれない。1990年度に20兆円を突破し、2013年度に40兆円を超えた。
(9月14日、朝日新聞)

医療費の増加は前年比で1兆5573億円。消費税1%分が約2兆円なので、2%上げても3年と保たないことを示している。言うなればバケツの底に穴が開いているわけだ。この穴を塞ぐためには、「窓口負担を増やす」「還付制にする(全額払い後戻し)」「診療費、薬価を上げる」などが考えられる。

日本の医療費が、保険料と窓口負担で賄えず、13兆円を税金で補填、その額が毎年増え続けているのを見ると、ソ連末期の財政とよく似ていることが分かる。ソ連で凄かったことの一つは、1954年から90年までパンの公定価格が一切変わらなかったことだった(70コペイカから1ルーブル)。だが、生産価格を無視した公定価格を維持するために、国庫から際限なく補助金が出された結果、歳出に占める食料価格調整金の割合は90年度の予算で20%にも達していた。そりゃ無理だわと思うわけだが、自国を振り返って見ると、税収45兆円に対して年金の国庫負担が11兆円、医療費の国庫負担が5兆円(自治体負担が9兆円)に達している。果たして我々はソ連崩壊を「他人事」と見ていて良いだろうか。
財政的には公的医療保険制度はすでに破綻状態にある。
2010年度の保険支出(政管、組合、国保の合計)が29兆5千億円であるのに対して、保険料収入(同)は17兆6億円に過ぎず、12兆円近い赤字を出している。この赤字は、国庫負担の4兆9千億円と地方自治体などの負担による8兆円で賄っている。この上、保険外の公費医療(結核ほか)がある。現実の公的医療保険制度は、保険料収入全てで70歳以上の医療費を賄うだけの額にしかなっていない。

国庫負担は1970年度の4千億円に始まり、80年には2兆7千億円、95年には4兆を越し、今や5兆円に達しようとしている。これ以外に公的年金の国庫負担が10兆円を越しており、医療と年金の国庫負担だけで税収の3分の1以上になってしまい、一般歳出を圧迫している。健全な財政を保っていれば、他の公的サービスの提供に深刻な影響が出ているはずだが、税収を上回る国債を発行することで毎年凌いでいるだけなのだ。
公債は将来世代に対する負債であり、建設国債のような「投資」であるならば回収できる可能性もあるが、赤字国債は少子化に伴う生産と消費の低下に際しては額面以上に重くのしかかってくる恐れが強い。
実際、非正規雇用や不安定雇用の増加に伴い、若年世代の給与所得は低迷しており、保険料収入も横ばい状態だ。例えば、2000年度の保険料収入が15.8兆円に対して10年度は17.5兆円で増加分は1.7兆円に止まる。一方支出は23兆円から29兆円と6兆円も増加しており、その差は今後さらに拡大してゆくと見られる。
保険料の高騰を抑えるために税金を投入すると国債発行額が増え、保険料を上げると納付率が低下して収入が伸び悩むほか無保険者が増えるという悪循環が固定化している。2025年度には年金を含む社会保障給付額は150兆円に迫ると試算されており、このうち60兆円が税金等になる見込みだが、現在40兆円足らずの税収が12年後に1.5倍になるというシナリオは非現実的であり、足りない分は国債を増刷する他ないだろう。こうして国債発行が際限なく拡大してゆく。
医療費の肥大化続く、2013.9.19

西欧型の議会制民主主義は、左派政権が財政出動して社会保障を拡充し、その赤字を保守政権が抑制、制度の整理・効率化を行うことでバランスをとり、社会保障制度の持続性を高めている。
だが、日本では一党優位体制にある自民党が独自の社会保障制度を整備し、ごく短期間を除いてほとんど政権交代なく今日まで来ているため、バランス・チェック機能が働かない構造になっている。故に、旧民主党は新自由主義を掲げ、結党が予想される「日本ファースト」も同傾向になると思われるが、どちらも社会保障の切り下げや再整理には踏み込んでおらず、危機的な状況にある。

もっとも、西欧でも保守政権が労働改革できなかったため、エリート化が進んだ社会民主主義政党が規制緩和を進めたところ、国民の信頼を失って存続すら危うい状況に追いやられている党もある。

日本の自民党の場合、大衆からの収奪を進め、自分たちの権益を増大させることについては容赦するつもりはないようだが、高齢化が著しいだけに年金と医療に手を付けるのは「危険」だという認識を持っている。
その結果、放漫財政は修正されることなく、若年層からの収奪(具体的には低賃金、超長時間労働)ばかりが進み、社会の活力が著しく低下しつつある。
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月27日

妄想:小池旋風前に前原全面降伏

ここまでマスゴミに出たら情報解禁ということで。
ただし以下はケン先生の妄想である。

26日夜、K望の党のK池代表とM進党のM原代表が会談、K氏は「全選挙区に候補者立てますよ」とM氏を脅し、M氏はすぐさま降伏に同意、ただし「わが党の議員と候補者は全員受け入れること」を条件とし、K氏は承諾した。同時にK氏は、M進党の資産とナショナルセンターの全面支援を要求、M氏は選挙後の最終的合流を条件に合意した。
R合のK津会長は「わが社の政策が実現されるならばM進党にこだわらない」とし、核政策と軍拡の推進を要求、K氏はこれを承諾した。

M氏にはハナから戦う気は無く、条件闘争でしかなかった。そして、自らの郎党の生命が保証されるのであれば「十分」としたのだろう。M氏的には、「全面戦争して全面敗北」か「降参して新党の下で戦って自民党に勝ち、政権党の一角をなす」の二択でしかなかったのだ。

流れ的には、安倍総理は「小池氏不在の新党なら民進党が議席を減らすだけで大勝できる」との読みから解散に踏み切るが、小池氏はそれを逆手にとって政局の主導権を握り、小沢氏を動かして前原氏に降伏勧告を行い、民進党を丸呑み、話題を独占しつつ、公示直前に都知事を辞任して「政権交代」を目指して総選挙に出馬、その勢いで自公を圧倒して過半数をとる戦略に出た。もちろん敗北するリスクは当然あるが、小池氏的には「総理になる唯一かつ最も確率の高いチャンス」である以上、これを逃す手は無かったのだろう。その勝負師としての勘と決断力は凄まじい物がある。

他方、総理の「国難突破」スローガンに対して解党、新党に合流というのはまさに大政翼賛会をイメージさせる。現場にいるものとしては、災厄が過ぎ去るまで在野で沈黙、後日の自由と民主主義の正統性の根拠とするか、敢えて泥をかぶって体制内良識派として生き残りを図るかの選択を迫られている。記憶が不正確だが、確かトロツキーは「ブルジョワ議会制というのは、階級の本質を歪めるが故に最も頽廃的な制度である」と書いていたように思うが、その通りになってしまっているのだ。

【9.28、追記】
小池氏は「憲法、安保観を見極めた上で希望の公認を出す」としており、民進党が全員新党に移行するかはまだ不明の模様。
posted by ケン at 20:17| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小池新党はどこまで伸びるか

【小池都知事「希望の党」代表に】
 東京都の小池百合子知事は25日午後、記者会見し、国政新党「希望の党」を結成し、自らが代表に就任する考えを明らかにした。小池氏は都知事のまま国政に関与する。新党は「小池カラー」を前面に出して10月の衆院選に臨む。小池氏は会見で、自身に近い若狭勝衆院議員と細野豪志元環境相らが進めていた新党に関する協議について「リセットして、私自身が立ち上げる」と強調。国政新党の意義に関し「都政により磨きをかけ、さらにスピード感を確保するためには、国政に何らかの関与が必要だ」と語った。衆院選への対応については「接点がある新人、改革の志を持つ議会経験のある方々に、全国各地で出馬をしていただく」と述べた。主要政策に憲法改正や行財政改革などを据える考えも示した。
(9月25日、時事通信)

今回の総選挙における各党の政策をざっと見てみると、

自民:タカ派、増税、社会保障やや充実、原発推進、改憲
民進:ややハト派、増税、社会保障充実、原発やや推進、論憲
希望:排外主義タカ派、反増税、反原発、改憲
共産:ハト派、反増税、社会保障充実、原発廃止、護憲


となっており、希望が1930年代初頭のナチスに近いポピュリズム的主張になっている。民進党は多方面への配慮から中庸的で弱い主張。共産党はリベラル・左翼を向いた主張になっているが、その名称と体質から忌避感が強い。自民党は、クリンチ戦法「幼児教育無償化」で民進党の政策と大差ないものになっている。

民進党は代表選で前原氏が選出されたことにより、右派の大量離党は避けられたものの、党内融和を優先した結果、増税と論憲以外は「足して二で割った」ような政策になってしまい、いかにも迫力に欠ける内容になっている。
この点、希望は政策の中身は不明なものの、「クリーンなタカ派」の方向性が明確であり、少なくとも政策的には対抗軸としてハッキリ打ち出している。

なお、ワイマール共和国でナチスが多数派をなしたのは、SPDのブリューニング内閣が大恐慌後に増税と緊縮財政を強行して支持を失ったことが大きい。ソ連軍がオーデル川を渡ろうという1945年3月、政府が戦費調達のために増税を提案したところ、ゲッベルスは「国民の戦意を維持するためには増税すべきでは無い」と拒否したという。

可処分所得が低下する中での増税はさらなる貧困と経済格差を呼び、それが排外主義を含む過激なポピュリズムへと転化する可能性が高い。仮に増税を主張するなら、少なくとも低中間層が可処分所得を増やす施策とセットにしないと非常に厳しい結果を招くだろう。

先にも述べたが、「重武装」「社会保障制度」「市民的自由」の3つはトレードオフの関係にあり、うち1つは必ず犠牲にせざるを得ない。タカ派というのは、反中・反朝を基軸とした軍拡路線を意味する。そして、アメリカが反中路線を放棄している以上、日本は相当部分を独自で武装強化する必要がある。しかも、日本は経済が低迷し、特に低中層の所得が急低下しているため、大衆増税で軍拡を賄うのは難しい。すると、社会保障を切り捨てる米国型か、市民的自由を抑制する集産主義・全体主義路線のどちらかという選択になる。一見する限り、自民党はファッショを、希望は米国型を志向しているように見受けられるが、どちらも明言はしていない。
この点については稿を改めて検討したい。

【追記】
小池氏はかなりの勝負師ぶりを見せるかもしれず、その場合、ダイナミックな動きが生じる可能性が高い。
posted by ケン at 12:50| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

マクロン節はどこまで通じるか

【フランスの小学校で少人数学級制スタート、マクロン大統領が公約】
 フランス各地で4日、貧困地域の小学校における教育水準を高める目的で1学級の人数を12人に縮小する制度が始まった。少人数学級制度は、エマニュエル・マクロン大統領が大統領選で公約の目玉の一つとして掲げていた。
 少人数学級制度が「優先的」に導入されたのは、古くから学業成績が低く貧困率の高い地域の小学校で、5〜6歳児の学級が対象。フランス全土の計2500の学級で、児童数が現行の25人から最小で12人まで縮小された。
 マクロン氏は大統領選で教育制度の不平等に取り組むと約束していた。小学校で夏休みが終わり新年度初日を迎えたこの日、同氏は東部フォルバックの小学校を視察に訪れた。
 パリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)の学力調査では、フランスの順位は加盟国中27位。調査は15歳を対象に読解力や数学などをテストするもので、フランスの教育制度についてOECDは、優秀な生徒には有効である一方で基礎学力の低い生徒に対応できておらず、学力格差が生じていると分析している。
(9月5日、AFP)

フランスのマクロン大統領の支持率は就任から4カ月で半分以下の24%にまで低下している。提唱した労働改革に対しては、パリなどで大規模デモが発生、国内不穏が高まっている。

貧困地域を中心に超少人数学級への移行を進めるというのは英断ではあるが、「いま優先的にやるべきことか」と考えると、疑問を禁じ得ない。少人数学級の教育的効果は認めるが、そもそも貧困を放置し、むしろ新自由主義政策で貧困を加速させる方向に進めながら、「教育の均等」だけを優先するというのはちぐはぐに思えるからだ。こうしたエリート主義的発想は、今後ますます国民大衆の意思と乖離してゆきそうだ。

もっとも、いまだ一学級40人制(小学1年生だけ35人)を堅持している日本からすると羨ましい限りなのだが、日本ではいまだ大学級制に対する信仰が根強く、少人数学級に対する忌避感(社会性が育たないとか行事に支障がでるなど)も強く、何よりも財政上の都合(OECD諸国で最低の公費負担)から、その実現性は限りなくゼロに近い。
【フランスで改正労働法に反対する初の大規模抗議行動、労組発表で40万人】
フランス各地で12日、エマニュエル・マクロン大統領(39)の経済改革の目玉である改正労働法に反対する抗議行動が行われた。マクロン大統領による企業寄りの経済政策に対する初の大規模な抗議行動となった。
 仏内務省は約22万3000人がデモ行進に参加し、13人が逮捕されたと発表。一方、鉄道労働者、学生、公務員らに約4000のストライキと180の抗議行動への参加を呼びかけていたフランス最大の労組連合組織、フランス労働総同盟(CGT)は計約40万人が参加したとしている。
 抗議行動は、パリで無政府主義者と警察が単発的に衝突し催涙ガスが使用されたほかは極めて平穏に行われた。CGTのフィリップ・マルティネス委員長はパリで記者団に対し「これは最初の抗議行動で、成功だったようだ」と語ったが、鉄道網や航空管制、公共サービスへの影響は限定的だった。
 高止まりする失業率の引き下げを目指している今回の改正労働法が施行されれば、企業は雇用条件について従業員とより柔軟に交渉できるようになるほか、従業員を解雇する際に必要となる費用も減少する。
 企業や投資家らはフランスの制約の多い労働法や強い力を持つ労働組合について以前から不満を訴えていた。マクロン大統領は、フランスを地元企業や外国人投資家にとってより魅力的な場所にしたいと考えている。
 ストライキやデモが行われたこの日は、停滞する経済の立て直しに賭ける若き大統領、マクロン氏にとって試練となった。マクロン大統領は先週、批判勢力を「怠け者や皮肉屋、過激派」と呼び反感を買っていた。
 抗議行動の参加者数はマクロン大統領の経済政策に対する抵抗の尺度となるため精査されている。速報によると参加者はフランスで最近行われたほかの抗議行動よりも少なかった。
 調査・コンサルティング企業ポリングボックスの政治アナリスト、ジェローム・サントマリー氏はAFPに「今日の参加者はあまり多くはなかった」と述べ、労働法改正はマクロン氏が選挙公約で訴えていたことであり、この問題ではマクロン氏が優位に立っていると指摘した。映像は、首都パリで行われた改正労働法に反対する抗議行動。
(9月13日、AFP)

この規模のデモやストライキはフランスでは珍しいことでは無いので、今すぐどうかなるわけではないが、今後の不穏を予測させるには十分であろう。

マクロン氏の新自由主義路線は、さらなる移民や外国人労働者を呼び込んで、国内の労働条件を悪化させ、経済格差や地方の疲弊を加速させる可能性が高く、同時にフランスのドイツ従属(欧州銀行への従属)を強める結果にしかならず、「反EU」「排外主義」「保護貿易」支持層を増やすのは間違いない。EUというのは、域内での経済的自由を保障する一方で、地域の経済的自立を保障せず、かといって日本の地方交付金のような域内の格差を是正するシステムも無いだけに、圧倒的に「強い者が勝つ」システムで、敗者を救済する術を持たない。
オランド政権下で実施された富裕税も、同じ社会党政権下でマクロン氏らの主導によって廃止してしまっており、所得再分配機能も大きく低下している。また、マクロン氏はシリアに対する武力介入を支持、ロシアに対する制裁強化を主張するなど、対外タカ派(介入主義)でもあり、この点でも国内対立を促進させる恐れがある。
マクロン氏の「自由」に特化したリベラリズムは、地域コミュニティや国民統合を破壊する方向に働く可能性が高く、今後フランス国内は混沌化が進むものと見られる。
posted by ケン at 12:39| Comment(0) | ロシア、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする