2017年09月06日

沖縄戦跡ツアー

研修で沖縄に行き、翌日はフリーだったので戦跡巡り。沖縄を一泊二日とはあまりにもったいないが、時期が時期なので、行かせてもらえただけで満足すべきだろう。映画『沖縄決戦』を見た者なら夢に出てきそうなところばかりで、私も近々復習用に見ることにしたい。

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【嘉手納】
1945年4月1日、米海兵師団と歩兵師団の計4個、6万人が嘉手納海岸に上陸、沖縄本島の戦闘が開始される。現在の嘉手納飛行場は当時「中飛行場」と呼ばれ、当時も最大の飛行場だった。32軍司令部は当初から長期持久を方針としていたため、沿岸での抵抗は行わなかった。そのため、米軍側は「エイプリールフールか?」といぶかしんだとされる。この方針は大本営も了承していたが、中飛行場が占領され、米軍機が離発着を始めると、32軍に反撃要請の作戦介入を行いはじめ、32軍司令部内でも積極派と慎重派の対立が生じた。

道の駅「かでな」は展望台があって、同飛行場を一望できる。飛行場の向こう側に見える高地にいわゆる「賀谷支隊」が配置され、名台詞「本島西海岸一帯は米艦艇のため海の色が見えない」「船が7分に海が3分」が吐かれた。残念なことに、道の駅の展望台からは建物が多く、海の色は殆ど見えない。米軍基地についての解説は次の機会に。

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反射面陣地跡

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嘉数高台北方、沖縄戦最大の戦車戦が繰り広げられた

【嘉数高台】
沖縄戦で最も激しい戦闘が繰り広げられた箇所の一つ。沖縄本島の「くびれ」部分に当たり、陸地が最も狭くなるのと、前後に高台が多いため、自然と「絶対防衛線」になる。特に嘉数は、背後が首里と那覇になるため、米軍にとっても「最短ルート」だった。また、沖縄は石灰岩が非常に多く、これを天然の要害とし、反対斜面に地下壕を掘って米軍の砲撃をやり過ごし、米兵が上ってきたり、回り込んできたりしたら反撃するという戦術を2週間にわたって繰り返した。この嘉数の南側に映画『ハクソーリッジ』の舞台となる前田高地があり、嘉数から退却してきた部隊を収容している。今回、前田高地は、那覇に戻るバイパス途上から眺めるだけに終わった。現在では嘉数高台は公園として整備され、展望台から普天間基地を見下ろす絶好地となっている。

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第32軍司令部壕入口

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【首里城】
第32軍司令部が置かれた場所で、市街地の那覇からは9kmほど内陸にあるが、那覇を見下ろす高台の絶好地にある。南部の中心点となるため、司令部を置くとなると確かに首里しかない感じ。実際の司令部は首里城の麓から掘られた地下壕になるが、現在では埋まってしまっていて、外から入口を眺めるだけになっている。その入口すら、首里城の観光案内地図には掲載されておらず、案内所で位置を確認した次第。外から眺めて、映画と八原参謀の回顧録で脳内補完しまくり。

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司令官室

【小禄】
那覇軍港と海軍飛行場を臨む丘に海軍根拠地隊司令部壕がつくられ、戦争で入口などが埋まってしまったものの、戦後復元して公開されている。映画『沖縄決戦』はそのままロケで使っているため、役者(大田中将役=池部良)の大熱演もあって臨場感がハンパ無い。中は意外と涼しかったが、所々地下水が湧いており、凄まじい湿気だった。玉砕前には負傷者や軍属を含めて数千人が立てこもり、立錐の余地も無く、立ったまま寝た者も少なくなかったという。実際に車で回ってみると、小半島なので首里防衛線が抜かれると容易に孤立してしまうことが分かる。

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平和祈念資料センターから摩文仁丘を眺む

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摩文仁丘から海岸線を眺む。崖から身投げした人も多かったという。

【摩文仁】
首里城を撤退した32軍司令部が最終防衛拠点に定め、天然洞窟を利用して司令部壕をつくるも、首里撤退後は指揮統制が大きく乱れ、避難民の流入も相まって、組織的な抵抗はかなり限定的なものになっていた。6月20日には摩文仁に米軍が到達するも、なおも抵抗を続け、各壕には爆雷が投げ込まれ、火炎放射器で攻撃され、海に繋がる崖から身投げするものは、女子生徒を始め、跡を絶たなかったという。6月23日に、牛島司令官を始め最高幹部が自決し、組織的抵抗は終了、この日が沖縄戦慰霊の日となっている。資料館の展示も、本土の戦争博物館とかなり色合いが異なり興味深かった。ただ、公園と丘はかなり広く、今回は時間が足りず、司令部壕入口までは間に合わなかった。
posted by ケン at 12:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする