2017年09月14日

全くやる気の無い教職改革

【教員にタイムカード、長時間労働解消へ緊急提言】
 教員の長時間労働の解消に向けた対策を検討している中央教育審議会の特別部会は29日、タイムカードを使った勤務時間の管理や、事務作業を代行する専門スタッフの配置などを盛り込んだ緊急提言をまとめた。文部科学省は提言を受け、来年度予算の概算要求にあわせて具体的な対応の検討を進める。提言では、まず教員の業務を見直す基本として、校長や教育委員会に対し、すべての教職員の勤務時間を客観的に把握するよう求めた。その方策として、タイムカードや、ICT(情報通信技術)を活用して退勤時間を記録できるシステムの導入などを促した。文科省の2016年度調査では、タイムカードなどを使い、勤務時間を管理している小中学校は3割弱にとどまっている。
(8月30日、読売新聞)

教員にタイムカードを押させれば労働時間が減るとでも考えているのだろうか。どこまでもやる気の無い、というか教員を過労死させることしか考えていない連中である。
昨今、「働き方改革」などと称して公共機関や大企業では、夜9時とか10時になると自動的に消灯させたり、冷暖房を止めたりするということが行われているが、現実の業務は全く減っていないため、自宅やネットカフェで作業を続けたり、消灯下や冷暖房が止まっている中で会社に残り続けて残業するものが増え、むしろ健康被害を悪化させているという(産業医の証言もある)。

教員も同じことで、仕事量を減らさずにタイムカードを押させても、退勤したと見せかけて残業することになるだけの話で、むしろ形式的には「退勤した」ことになるため、教育委員会としては「個々の教員が自主的に作業しているだけ」と言い逃れる根拠を持てる仕組みになっている。つまり、タイムカードや一斉消灯は、資本側の弁解でしかなく、実態としてはむしろブラック化を促進してしまっている。

教員の勤務時間に占める部活動の割合は10〜20%に上り、これに学校行事とクレーム対応を合わせると軽く30%を超える。日本における教員の平均勤務時間は週約55時間で、この30%を削除すると38時間になって、OECD諸国平均となる。これにより、勤務時間に占める授業関連の割合は5割超に達するが、これはまだOECD平均の65%には届かない。つまり、授業の質を高めるためには、事務作業の大半を廃止するか、事務員に委ねる必要がある。
文科省などでは非正規の事務員を雇用して一部代行させる案が浮上しているものの、これはこれで官製ワーキングプアを増やすだけの話で、実は別の問題を生じさせる。
とはいえ、まずは最低限、部活動と学校行事を全面廃止しなければ、教職員の労働環境は何一つ改善されないことは間違いない。些末な改革など何も寄与しないであろう。

教職のブラック化の大きな原因の一つは、教職員組合の機能不全にある。例えば、欧州の教職員組合は、学校や教育委員会等と交渉して、仕事や作業の一つ一つについて「教員がやるべきもの」と「教員がやる必要の無いもの」に分類しているが、日本ではこうした交渉は一切されておらず、学校や教育委員会が要求するまま教職員が全ての作業をやらされている状態にある。
日教組などに労働者意識があるのであれば、今すぐにでも全面ストライキを行って、部活動と学校行事とクレーム対応の全面廃止を要求すべきだが、彼らには全く階級意識がなく、労働組合の意義も理解していないため、産業報国会と同様、当局の補助機関に成り下がっている。

現状では教職員の労働環境が改善される見込みは全く無いが、それは教育の質をさらに低下させると同時に、教員のなり手がなくなるだけの話で、特攻と玉砕で戦力と労働力をすりつぶしてしまった戦時中の指導部と全く同じ過ちを犯している。

バカばっか!

【9月15日追記】
なお、欧州では授業が終わると教員が生徒を追い出して教室の鍵を閉め、午後5時になると校長が校門の鍵を閉めて帰ってしまうので、物理的に残業などできない仕組みになっている。日本でも1980年代くらいまではこうした傾向も見られたというが・・・・・・
posted by ケン at 12:13| Comment(0) | 教育、法務、司法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする