2017年09月29日

前原は小池に騙された?

26日夜に「全員合流」で合意したはずが、昨夜ないし今朝になって「厳密に選別する」という話になり、しかもリベラル派だけでなく、野田、岡田、江田氏など保守系大物も排除ということで、民進党内は「前原代表は騙されただけ!」と大混乱に陥っている。

私の想像では、小池氏は当初は「全員合流で過半数を取って総理に」と考えていたが、いざターンを進めてみると「とてもムリだ」という判断に傾いて軌道を修正、「自希公の三党連立で、自分は都知事のまま副総理になる」という方向に転じたものと見られる。
自民党と連立ということになれば、リベラル派や大物議員は邪魔なだけなので排除すべきという話になるのは当然だろう。

前原氏的には、恐らくは最初から民進党の議員を騙そうとしていたのではなく、変に自分も合流したいと思っていたことから、騙されやすい環境に置かれていたものと見るべきだろう。

民進党的には、半分が希望合流して、もう半分は無所属として放り出されるか、合流しない半分が民進党のままで出馬するか、という選択を迫られることになる。
posted by ケン at 12:57| Comment(5) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

リベラル派は地下潜行?

いまや民進党の左派・リベラル派なんて、ソ連とナチス・ドイツに独ソ不可侵条約を結ばれてしまったポーランド社会党や、あるいは第二インター下で第一次世界大戦が勃発した時の国際主義者のような立ち位置に追いやられているのです。
posted by ケン at 10:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

医療費9年連続最高記録更新中

【医療費が大幅増、42.3兆円 15年度 高額薬剤響く】
 厚生労働省は13日、2015年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)は、42兆3644億円だったと発表した。前年度より1兆5573億円増加。国民1人あたりも1万2200円増の33万3300円で、いずれも9年連続で過去最高を記録した。
 増加率はここ数年、前年度比1〜2%台で推移してきたが、15年度は3・8%の大幅増となった。薬局調剤医療費が6985億円増えており、同年度に保険が適用されたC型肝炎治療薬などの高額薬剤の影響が大きいとみられる。 高齢化の影響もある。75歳以上が入る後期高齢者医療制度の給付は前年度比4・7%増の14兆255億円となった。国民1人あたりの医療費は、65歳未満が18万4900円なのに対し、75歳以上は92万9千円と約5倍だった。
 医療費の財源は、国民や企業が負担する保険料が20兆6746億円で全体の48・8%を占め、国と地方を合わせた公費は16兆4715億円で38・9%、患者の自己負担分は4兆9161億円で11・6%だった。 国民医療費は、保険診療の対象になる治療費の推計。健康診断や予防接種などの費用は含まれない。1990年度に20兆円を突破し、2013年度に40兆円を超えた。
(9月14日、朝日新聞)

医療費の増加は前年比で1兆5573億円。消費税1%分が約2兆円なので、2%上げても3年と保たないことを示している。言うなればバケツの底に穴が開いているわけだ。この穴を塞ぐためには、「窓口負担を増やす」「還付制にする(全額払い後戻し)」「診療費、薬価を上げる」などが考えられる。

日本の医療費が、保険料と窓口負担で賄えず、13兆円を税金で補填、その額が毎年増え続けているのを見ると、ソ連末期の財政とよく似ていることが分かる。ソ連で凄かったことの一つは、1954年から90年までパンの公定価格が一切変わらなかったことだった(70コペイカから1ルーブル)。だが、生産価格を無視した公定価格を維持するために、国庫から際限なく補助金が出された結果、歳出に占める食料価格調整金の割合は90年度の予算で20%にも達していた。そりゃ無理だわと思うわけだが、自国を振り返って見ると、税収45兆円に対して年金の国庫負担が11兆円、医療費の国庫負担が5兆円(自治体負担が9兆円)に達している。果たして我々はソ連崩壊を「他人事」と見ていて良いだろうか。
財政的には公的医療保険制度はすでに破綻状態にある。
2010年度の保険支出(政管、組合、国保の合計)が29兆5千億円であるのに対して、保険料収入(同)は17兆6億円に過ぎず、12兆円近い赤字を出している。この赤字は、国庫負担の4兆9千億円と地方自治体などの負担による8兆円で賄っている。この上、保険外の公費医療(結核ほか)がある。現実の公的医療保険制度は、保険料収入全てで70歳以上の医療費を賄うだけの額にしかなっていない。

国庫負担は1970年度の4千億円に始まり、80年には2兆7千億円、95年には4兆を越し、今や5兆円に達しようとしている。これ以外に公的年金の国庫負担が10兆円を越しており、医療と年金の国庫負担だけで税収の3分の1以上になってしまい、一般歳出を圧迫している。健全な財政を保っていれば、他の公的サービスの提供に深刻な影響が出ているはずだが、税収を上回る国債を発行することで毎年凌いでいるだけなのだ。
公債は将来世代に対する負債であり、建設国債のような「投資」であるならば回収できる可能性もあるが、赤字国債は少子化に伴う生産と消費の低下に際しては額面以上に重くのしかかってくる恐れが強い。
実際、非正規雇用や不安定雇用の増加に伴い、若年世代の給与所得は低迷しており、保険料収入も横ばい状態だ。例えば、2000年度の保険料収入が15.8兆円に対して10年度は17.5兆円で増加分は1.7兆円に止まる。一方支出は23兆円から29兆円と6兆円も増加しており、その差は今後さらに拡大してゆくと見られる。
保険料の高騰を抑えるために税金を投入すると国債発行額が増え、保険料を上げると納付率が低下して収入が伸び悩むほか無保険者が増えるという悪循環が固定化している。2025年度には年金を含む社会保障給付額は150兆円に迫ると試算されており、このうち60兆円が税金等になる見込みだが、現在40兆円足らずの税収が12年後に1.5倍になるというシナリオは非現実的であり、足りない分は国債を増刷する他ないだろう。こうして国債発行が際限なく拡大してゆく。
医療費の肥大化続く、2013.9.19

西欧型の議会制民主主義は、左派政権が財政出動して社会保障を拡充し、その赤字を保守政権が抑制、制度の整理・効率化を行うことでバランスをとり、社会保障制度の持続性を高めている。
だが、日本では一党優位体制にある自民党が独自の社会保障制度を整備し、ごく短期間を除いてほとんど政権交代なく今日まで来ているため、バランス・チェック機能が働かない構造になっている。故に、旧民主党は新自由主義を掲げ、結党が予想される「日本ファースト」も同傾向になると思われるが、どちらも社会保障の切り下げや再整理には踏み込んでおらず、危機的な状況にある。

もっとも、西欧でも保守政権が労働改革できなかったため、エリート化が進んだ社会民主主義政党が規制緩和を進めたところ、国民の信頼を失って存続すら危うい状況に追いやられている党もある。

日本の自民党の場合、大衆からの収奪を進め、自分たちの権益を増大させることについては容赦するつもりはないようだが、高齢化が著しいだけに年金と医療に手を付けるのは「危険」だという認識を持っている。
その結果、放漫財政は修正されることなく、若年層からの収奪(具体的には低賃金、超長時間労働)ばかりが進み、社会の活力が著しく低下しつつある。
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする