2018年02月05日

科学技術も衰退を露呈する日本

【科学論文数、日本はインドに抜かれて6位に−中国が米国を抜いて世界トップに】
 科学技術の研究論文数で中国が初めて米国を抜いて世界トップになったとする報告書を、全米科学財団(NSF)がまとめた。中国を始めとする新興勢力が研究開発費を大幅に増やして力をつける一方、日本はインドにも抜かれ、存在感を低下させている。
 報告書は各国の科学技術力を分析するため、科学分野への助成を担当するNSFが2年ごとにまとめている。2016年に発表された中国の論文数は約43万本で、約41万本だった米国を抜いた。日本は15年にインドに抜かれ、16年は中米印、ドイツ、英国に続く6位。昨年、文部科学省の研究機関が公表した13〜15年の年平均論文数では、日本は米中独に次ぐ4位だった。
 報告書によると、ここ10年の論文数は中国が124%増、インドは182%増と大幅な伸びを記録。米国は7%増、28か国が加盟する欧州連合(EU)は28%増だったが、日本は逆に13%減だった。論文数では中国がトップになったが、論文の影響力を示す引用数では米国が引き続き上回っているという。
 分野別に見ると、工学分野では中国が米国やEUを上回っているが、医学・生物学分野では米国やEUが優位を保っている。
 民間を含む研究開発費の総額では15年時点で、米国が依然としてトップで中国が2位、日本が3位。この10年で米国が約1.5倍、日本が1.3倍に増額したのに対し、中国は約5倍と急拡大した。インドが約2倍、韓国が約2.5倍とアジア諸国の増額が目立つ。
(1月25日、読売新聞)

「Nature」誌2011年4月21日号によれば、2010年に自然科学系博士号を取得した1350人のうち、卒業時までに常勤職への就職が決まったのは、全体の半数をやや超える程度(746人)にとどまった。その中で大学の科学・技術関連業務に就いたのは162人に過ぎず、残りの250人は産業界、256人が教育分野に就職し、38人が公務員になった、という。いわゆる「ポスドク」問題であるが、就職率の低さが影響して、2007年以降、博士課程進学者も減り続けている。

今や人口が日本の半分以下しかない韓国の方が、論文数でも引用数でも日本を上回っている。
研究開発費の総額を見た場合、2000年から15年にかけて、中国が平均18%の伸びを示したのに対し、米国は4%、日本に至ってはほぼ横ばいの有様で、日本の国力が完全に頭打ちとなっていることが分かる。ちょうど1970年代のソ連を思わせる。

「博士の就職先が無い」と言われる一方で、地方の大学では講座自体が不成立となるケースが急速に増えている。例えば、加計疑獄で話題になった千葉の新設大学や、今治に予定されている獣医大学の場合、教員が十分に確保できず、恐ろしく高齢の元教授を拝み倒して来てもらう始末だと聞く。
地方の国立大学の場合、交通の便の悪さから通勤時間が長い上に、交通費も出ないため、非常勤講師が確保しにくい環境にありながら、文科省天下り官僚の「指導」によって教員の非常勤化を進めた結果、シラバスには掲載されている開講科目一般教養のうち半分以上が「不成立・未開講」に終わるケースもあると言われる。
つまり、研究費以前に生活すらままならない研究者が山ほどいるのだから、研究の質も量も維持されていることがむしろ奇跡的なくらいなのだ。

その対処が、文系・リベラルアーツを廃止して理系に「集中」するという絶望。
檀公三十六策、走是上計。
posted by ケン at 12:36| Comment(2) | 学問、文学、教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする