2018年02月07日

皆やってますよ、慶弔費計上

【玉木氏、支部が慶弔費107万円 26〜28年支出 違法性は否定】
 希望の党の玉木雄一郎代表は6日の記者会見で、自身が代表を務める政党支部が平成26〜28年に計107万5千円の慶弔費を出していたと明らかにした。この支部は22〜24年にも計59万5千円の慶弔費支出が判明した。玉木氏は違法性を重ねて否定し、いずれも公職選挙法に基づく政党支部の活動だと説明した。
 一方、立憲民主党の福山哲郎幹事長と民進党の岡田克也常任顧問は6日、産経新聞が同日付朝刊で報じた政治資金支出について、それぞれ違法性を否定した。福山氏は会見で、政党支部などの手ぬぐい代の支出に関して「海外要人からの土産への返礼や海外訪問時の土産として使った。寄付ではない」と強調した。岡田氏は会見で、後援会による香典支出について「選挙区外での葬儀における香典で、何の問題もない。問題があるかのような印象を与える記事は極めて遺憾だ」と語った。
(2月7日、産経新聞)

民主党のブーメラン体質は相変わらず健在。今回のは特大ブーメランだが、何重にも政治家の愚劣さが見て取れる。
第一は、ブーメランの話で、自分たちも平素から行っているルール違反について、何の疑問も無く与党攻撃のタネにしてしまう点。本質的には、予算案や法案の問題点を突く能力を持たず、政府や政権党の腐敗を追及するだけの情報能力を有さないことが、重箱の隅を突くようなことしかできなくしているのだ。

聞くところによれば、某党では、産経の指摘を受けて全党調査を行ったところ、程度の差はあれど山ほど不正・違反・不倫などが発見され、担当者は「全幹部が役職を辞任でもしない限り、国会で追及し続けるのは難しい」と頭を抱えているという。
「バカばっか」である。

第二は、そもそも誰も守れないルールを自分で作ってしまった愚かさにある。現行の公選法では、選挙区の有権者に対して商品価値のある物品を配る、与えることを禁じており、それは慶弔についても例外ではない。結果、政治家は支援者や関係者の葬儀に際しても香典を持ってゆくことすら許されない事態となっている。ただ、政治家本人が香典を持参することについては「罰則が無い」ということで、グレーゾーンが設けられているに過ぎない。「罰則が無いから良いよね」を多用すれば、モラル・ハザードが起きるのは当然だろう。しかし、慶弔行為は人が普通に生活する上で普通に不可欠のもので、しかも一般人よりもはるかに人脈が広く、関係の深い政治家が、香典を持って行くことすら許されない、というのは明らかに「守れるはずも無いルール」だろう。結果、「安価な線香くらいはいいよね?」「名前が入ってなければOK?」というルールの抜け道を探すのに血眼になっている。
私もかつて「バレたらヤバいから止めろ」と地元に言ったことはあるのだが、「議員に何も持たせずに葬儀に行けというのか(地元事情を知らない国会秘書は黙ってろ)」と反論されたことがある。
なお、選挙区当選者であれば当該選挙区内が対象となるが、比例区当選者の場合は比例ブロック全域が対象となるため、近隣県の葬儀にすら行けないという話になる。

第三は、グレーかブラックかどうかは別にして、明らかに問題とされる恐れのある慶弔費や贈答品の類いを政治資金収支報告に載せてしまう愚劣さである。議員がポケットマネーなどで出していれば、内部告発でも無い限り問題が露見することはなく、露見したとしてもまず証拠に残らないため立件できないはずだが、ご親切にも資金報告に載せるから、サラの目で資金報告書を漁るメディアに露見するのである。これには二つ理由があって、一つは政治家スタッフの劣化が進み、素人が事務的に収支報告書を作成しているケースが増えていることが挙げられる。もう一つは、政治家や事務所が例外なく資金難に陥っており、裏金をつくれなくなったり、自腹を切ることに限界が生じたりしていることがある。「背に腹はかえられない」ということなのだろうが、自分で自分の首を絞めているのは明らかだ。

法律でグレーゾーンがつくられるのは、適用対象(この場合は政治家)の自由度を高めつつ、運用する行政側に法解釈の余地をつくることで裁量権という権力を持たせるためである。今回の場合、民意を恐れて実行不可能な公選法の規定をつくり、「罰則無し」のグレーゾーンを設けることで抜け道としてきたはずのものを、野党がポイント稼ぎのためにルールの穴を突いてしまい、自縄自縛に陥ったのだ。これでは、「こんな野党は要らない!」と言われても致し方あるまい。やはり新しい酒袋には古い酒を入れてはならないのであろう。だからこそ私も進んで身を引くのだが。

【追記】
玉木氏のケースは非常にテクニカルな技を使って法の目をくぐり抜けている模様だが、「ルールの穴を突いたもの勝ち」な状態を露呈しているに過ぎない。

【追記2】
確認したが、比例重複立候補者は比例ブロック全域が対象となる模様。
posted by ケン at 12:30| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする