2018年02月14日

ルーリー、スリーパーセル論で炎上

国際政治学者を自称している三浦女史がテレビの発言で炎上しているらしい。2月11日に放送された『ワイドナショー』なる番組で、北朝鮮の暗殺部隊が、日本の大都市部、特に大阪に潜伏し、日朝開戦に備えているという話だ。
実際に戦争が始まったら、テロリストが仮に金正恩さんが殺されても、スリーパーセルといわれて、もう指導者が死んだ、っていうのが分かったら、一切外部との連絡を絶って、都市で動き始める、スリーパーセルというのが活動される、活動すると言われている。
(略)
テロリスト分子がいるわけです。それがソウルでも、東京でも、勿論大阪でも。いま結構大阪がヤバいって言われていて。
(略)
潜んでます。というのは、あの、いざというときにその最後のバックアップですよ。そうしたら首都を攻撃するよりかは、正直他の大都市が狙われる可能性もあるので。東京じゃないからという風に安心はできない。というのがあるので、正直我々としては核だろうがなんだろうが戦争して欲しくないですよ、アメリカと。

GMT「ラビリンス」のプレイヤーとしては、確かにセルを潜伏状態のままアメリカに送り込んで大量破壊兵器を起動させるのが、ジハーディスト側の勝利条件(の一つ)であるだけに100%否定することは難しいし、現実に911テロは、アルカイダの潜伏工作員によって行われたとされている(ただ裁判ではまともな証拠は上がっていない)。

もう一つ思い出す。慶応3年10月、討幕の密勅が薩長に下されると、西郷隆盛は江戸在住の薩摩隠密「スリーパーセル」に対して後方破壊活動を命じた。彼らは尊皇攘夷主義者を煽動しつつ、府内で放火、略奪、破壊活動を行い、これが幕府司直による薩摩藩邸焼き討ちに発展。戊辰戦争に直結した。今回のNHK大河ドラマは、「スリーパーセルの元締め」としての西郷を描いてくれるに違いない。

江戸から薩摩に送られる密偵「薩摩飛脚」は、「生還率一割以下」と言われたが、潜入できたものは在薩「スリーパーセル」として市民生活を続けた。その薩摩飛脚は、特段の裁判も経ずに問答無用で殺害されるのが常だったという。この辺もNHKにはリアルに再現してもらいたい。

工作員とは異なるが、ソ連学徒的に思い出されるネタもある。
1936年秋、パリの地元紙が日独防共協定をすっぱ抜いて記事にしたのを、佐藤尚武大使が目にして、わざわざ大使名で本省に問い合わせ、「そんな交渉はしてないし、あり得ない」旨の回答を得たので、記事を書いた女性記者に抗議したところ、「きちんとファクト・チェックされたらいかがですか?」と鼻で笑われたという。その記者は、ゾルゲ・クリヴィツキーのソ連ルートから日本陸軍の情報を得ていた。その日本側協力者だった「エコノミスト」は今日まで正体が判明していない。

なお、ベルリンの壁崩壊時に西ドイツに潜伏していた東独シュタージの工作員は200人ほどだったとされるので、韓国ならいざしらず、北朝鮮の工作員が日本にどれほどいるかというのは相当に疑問だろう。

ただ、ルーリーの言い様は劇薬である。かつてヒトラーとナチスは、「第一次世界大戦でドイツが負けたのは、後方でユダヤ人が破壊工作を行い、降伏を先導したためだ」という主張を掲げ、ユダヤ人差別を煽動した。
ソ連のスターリン期の大粛清は、「潜在的な反革命を排除する」として行われた。
アメリカですら、「潜在的な共産主義者を排除する」としてマッカーシズム「赤狩り」旋風が吹き荒れた。
日本では関東大震災で同じことが起きている。
その意味で、ルーリーは立派に煽動者としての役割を果たしているのである。こうした言動が公共空間で認められていることを鑑みても、日本でマンハントが始まる日はそう遠くないかもしれない。
まともな人間は、「まとも」であるが故に早く日本から離れるべきなのだろう。
posted by ケン at 12:42| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする