2018年07月18日

嫌がらせで内閣不信任案?

【<衆院議運委>首相海外出張了承せず 野党が反対】
 衆院議院運営委員会は6日の理事会で、政府が求めた安倍晋三首相の欧州などへの出張を了承しなかった。主要野党が、首相が出席する予算委員会集中審議を開催すべきだなどとして反対した。国会開会中の首相や閣僚の海外出張は議運委の許可を得るのが慣例だが、拘束力はない。首相の出張が了承されなかったのは5年ぶり。
 首相は11〜18日にベルギー、フランスなど4カ国を訪問する予定。ブリュッセルでは日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)に署名し、フランスではマクロン大統領と会談する予定だ。
 これに対し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は6日の党会合で「これほど目的のはっきりしない(首相の)外遊を認めるわけにはいかない」と批判した。同党は首相出発前日の10日の内閣不信任決議案提出を検討している。
 一方、公明党の井上義久幹事長は記者会見で「首相を海外に行かせないため、国会審議を延ばすための不信任案が出されれば粛々と処理する」と述べ、けん制した。
(7月6日、毎日新聞)

【批判を懸念、異例の外遊中止 官邸は最後まで実現模索】
 西日本を中心とする豪雨被害を受け、安倍晋三首相の欧州・中東訪問が中止になった。首相官邸は最後まで実現を模索したが、大きな被害が出るなか初日の対応を疑問視する声も出た。「(外遊に)大きな案件はない。災害対応に万全を期すべきだ」(野党幹部)と高まる批判を懸念した。
 首相は11日に日本を出発し、ベルギーで欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の署名式、フランスで日本文化を紹介するイベントの開会式などに出席する予定だった。その後、サウジアラビア、エジプトを18日まで歴訪。サウジでは、将来のエネルギーの安定確保を目的に関係強化を進めるはずだった。
 菅義偉官房長官は9日午後の記者会見で「災害対応に万全を期すため」と述べ、首相の外遊の取りやめを発表した。EPA署名式については、安倍首相が9日夕にユンケル欧州委員長と電話で協議し、17日に東京で開催する方向になった。
 計画された首相の外遊が全面的に中止になるのは異例だ。安倍首相は、昨年7月の九州北部の豪雨災害や13年1月のアルジェリア人質事件の発生で、外遊を途中で切り上げたことがある。自民党幹部によれば今回も欧州のみに短縮する案などが検討されたが、最終的に中止に踏み切った。
(7月9日、朝日新聞)

最終的に官邸側が先手を打って外遊中止を決断、野党の陰謀は不発に終わったが、改めて評価してみたい。

戦術的には有効でも戦略的には最低な結果をもたらしかねないパターン。最も典型的なところでは、軍事的成果は挙げたものの、米国民を戦争支持で団結させ、国際的非難を浴びることになった真珠湾強襲が挙げられる。

仮に野党が総理の訪欧を阻止できたとしても、それは野党が「オレはやったぜ!」と快哉を上げるだけの話に過ぎず、外遊を準備してきた国家的コストや急遽中止になってしまった訪問先の損失、訪問先の国の評価減など失うものが非常に大きく、当然ながら政権党側は野党の責任を追及、マスゴミも追随するだろう。
安倍外交が「外国を回ってカネを配るだけ」という側面が強いのは確かだが、例えば中国などはその点だけでも高く評価して脅威を覚えているのだから、全く評価できないわけでもない。

真珠湾攻撃もそうだが、行動経済学的には、目に見える効果は現実に得られる利益よりも高く評価される傾向があり、逆に目に見えないリスクやデメリットは現実に被る損失よりも低く評価されることが分かっている。
地方で財政事情を鑑みずに大型の箱物が続々と立てられるのも同じ論理で説明できる。

今回の立憲の対応は「首相の外遊を阻止する」という目に見える効果を過剰に高く評価する一方、「首相外交を妨害した」と非難されるリスクを非常に低く見たことに端を発していると推測される。
最終的には、「彼らに政権運営は任せられない」という評価に落ち着くだろう。
posted by ケン at 12:50| Comment(0) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする