2018年08月23日

日本型組織の終焉

今年の6月に起きた大阪北部地震に際して、交通機関が麻痺、出勤が困難になる中、ある会社の上司が「何がなんでも出てこい」と部下に指示。それに対し「非常時に社員を守ろうとしない会社は嫌だ」と新入社員7人が連名で退職届を出した、という話がある。都市伝説の類いだが、似たような話はあってもおかしくない。

この手の上司しか出世できず、自分の生命や家族を顧みずに出社する社員が評価され、実際のビジネス能力は殆ど問われない組織文化、評価制度の問題。本来この手の上司や会社は競争の中で淘汰されてしかるべきだが、上司や会社の99%がこれなのだから、淘汰されない。

高校野球を見れば分かるとおり、初中等教育期から洗脳されるため、誰も疑問に思わないが、あくまでも日本国内でしか通用しない。結果、疑問を覚える感覚の持ち主から外資系に移るか、日本そのものを見限ることになる。

私のよく知る者の話だが、日本企業にいた時、ボーナス支給時に会社幹部が居並ぶ場に呼び出され、延々と「これだけボーナス出すのだから、一層忠誠を尽くせ」と訓示をたられたことに憤慨、「結果を出しただけなのに、何故説教されなきゃならんのか!」と辞表をたたきつけている。

また、サントリー系ジャバンビバレッジのある支店長が「クイズに全問正解したら有給(休暇)チャンス」なるメールを部下に送りつけ、そもそも回答困難な質問だった上に、「不正回答は永久追放します。まずは降格」なる文言も添付されていたという。言うまでも無いことだが、労基法第39条の「有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」に反している時点でコンプライアンスの問題であって、人事制度以前の話。
しかし、このケースでは当該支店長は「厳重注意」で済まされている。本来、職権乱用で懲戒解雇してしかるべきだが、日本型組織はどこまでも身内に甘い。

能力主義ではなく、組織に対する忠誠心が人事評価の基準であるため、上に行けば行くほど無能ばかりとなる。そして、降格制度がないため、無能な人間が延々と指揮を執り続ける。戦後日本が高度成長を実現できたのは、公職追放と財閥解体によって既得権益層と無能なトップを一時的に追放できたからだが、それは占領軍によって初めて実現できた。
日本の悲劇は、外圧無しでは改革できないところにあるが、自由に海外に行ける時代なのだから、日本に留まる理由は無いだろう。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする