2018年12月22日

ドイツの同人映画がヤバすぎる件

一部ネットで話題になっていて、私も見てみたが、確かに凄い。
何が凄いって、同人制作であるという点だ。
一回10分前後で、エピソード5まで作られているが、「低予算の同人」に驚愕させられる。
細かいところでは「んん?」と思うところもあるのだが、どうでもいいレベルで、どうやらロシア人も本物のロシア人を使っているようで、色々リアリティがある。
むしろ短い時間に凝縮されているからこその良さも感じられ、もっと制作背景が知りたくなる。



posted by ケン at 12:00| Comment(4) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月21日

F35導入決定が象徴するもの

【F35戦闘機、105機購入へ うち42機は「空母」向けのF35B】
 政府は航空自衛隊の主力戦闘機F15の非近代化機の後継に決めた米国製ステルス戦闘機F35を105機購入する方針を固めた。うち42機は新たに導入する短距離離陸・垂直着陸型F35Bとする。F35は既に購入を決めている42機と合わせて計147機体制となる。F35Bについては、18日の閣議決定を目指す来年度から5年間の防衛予算の大枠を示す新しい中期防衛力整備計画(中期防)に、42機のうち半数程度の購入を盛り込む。
 F35は戦闘機では最新鋭の「第5世代」とされ、レーダーで早期発見されにくい高いステルス性と、これまでの空自戦闘機にはない高性能センサーを搭載。早期警戒管制機やレーダー、艦艇などとの情報共有ができる。日本ではF4戦闘機の後継機として通常離着陸型のAタイプを運用している。大量購入には、中国、ロシア両軍の日本周辺海空域での活動活発化に対抗すると共に、トランプ米大統領による米国製装備品の購入拡大要求に応える狙いがある。
 政府は現在201機あるF15のうち、追加改修で最新機能を搭載できない非近代機99機の後継機としてF35を購入する方針を自民、公明両党に示し、了承を得ている。短距離離陸・垂直着陸型のBタイプは海上自衛隊の「いずも型」護衛艦を事実上「空母化」した改修艦での運用を想定している。ただ、F35は1機あたりAは100億円、Bはさらに高額な150億円とされており、計105機の購入で総額1兆2600億円以上となる見込みだ。
 政府は中期防の予算総額を27兆円台とする方向で最終調整している。一方、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、効率的な防衛装備品の調達で5年間で1兆円以上の節約をするよう求めており、実際の支出額は予算総額を下回る可能性がある。
(12月13日、毎日新聞)

またぞろリベラル人たちの金切り声が聞こえてきそうだが、海のこちら側までは届かないので安心もしている。
F15がどう見ても旧式化している以上、日本の独立性や外交上の地位を維持するためには、次世代機への移行は避けられない。
例えば、仮にラオスのように永世中立を標榜するなら、T34-85を現役のままにしておくようなこともできるかもしれないが、どう考えても現実的ではない。そのラオスも実質的には中国の冊封国のようになりつつある。まして、今現在アメリカに従属し、ロシアと中国に囲まれている日本が非武装化してしまうのは、逆に軍事的空白を作り、危険な状況を生み出す恐れもある。それはどの国にとっても望ましくないだろう。

アメリカの衛星国であること、財政上・運用上の問題を考えれば、まぁF35になるだろうとは考えていたのだが、これはこれで問題があることがわかりつつある。実はF35の稼働実績は50%前後に過ぎず、それを何とか7割に持って行こうというのが現在の課題だという。つまり、たとえ100機そろえたところで、飛べるのが50機そこそこというのでは、本土上空の一部しか守れないことになる。空母運用など夢のまた夢だろう。
この点、F15は一時期稼働率を90%近くまで上げたことがあるという信じられない実績があるものの、いまや部品不足などで7割程度まで下がっているとも聞く。この点でもF15は限界なのだが、しかしという話である。
思い出すのはアメリカ戦略爆撃調査団の報告で、太平洋戦争のある時期の日本海軍の航空機の作戦有効率は20%だったとしているが、これは生産された機体の5機のうち1機しか実戦で使えなかったことを意味する(USは80%)。

もう一つは、将来性の問題である。何度も言うようにアメリカの覇権は遠からずハワイまで退潮すると考えられる。そこで米中が手打ちして、太平洋を東西で分割した場合、アメリカは日本を見限り、兵器の供給を止める可能性が十分にある。そうなると、日本は独自に武装する手段を突然失って、路頭に迷い、中国の冊封を受けるほかなくなってしまうだろう。それを由とできるなら、それでも良いのだが。

本来、日本が中国と敵対せぬとも対峙しつつ、一定の独自性を保つためには、やはり勝てないまでも、「日本人はやべぇ」くらいに思わせておく程度の軍事力が不可欠だ。幸いにして、今のところ中国人の多くはまだ「日本は侮れない」と思っているし、理性的な人間は「中国の一人勝ちはよろしくない、日本と共闘関係にあるくらいがちょうど良い」と思っているので、この点でも弱みを見せるべきでは無い。

その意味で、現実的にあるいは将来性を考えるとロシアからスホーイを導入するのがベターな選択だった。ロシアにとって、現在は米欧が最大かつ喫緊の脅威であるが、潜在的には中国が最大の敵であり、中国と渡り合うには日本と共闘する以外の選択肢はないからだ。対中という意味で、日本とロシアは一蓮托生の関係にあり、だからこそプーチン氏も安倍氏も日露平和条約の締結を急いでいる。そして、中国の脅威が存在する限り、ロシアは日本に兵器を供給し続けるわけで、この点、むしろアメリカよりも将来性があると考えられる。

まぁ実際の政策判断は現状を起点にする他ない以上、ロシアということにはならないのだろうが、この時期にF35に決めたということそのものが、日本の衰退あるいは戦後日本の末路を象徴しているような気がしてならない。リベラル人の金切り声も含めての話である。

また、空母の運用が今の日本政府と自衛隊にできるのかという疑問もある。攻撃的兵器か防御的兵器かという神学論争はさておくとしても、空母は一隻のみでは趣味の世界でしかなく、せいぜい米軍の補助戦力にしかならない。では、日本が空母を何隻も保有できるかといえば、現状でも海上自衛隊は艦船の数に比して自衛官が不足する始末で、既存艦艇を大幅にリストラしなければ乗員がたりない。しかし、既存艦艇を削れば、空母を守護する艦艇が足りなくなる。この路線の行きつくところは大軍拡しかないが、急激な少子化の中で、必要な自衛官を確保するのはまず無理だろう。

しかも、空母というのは金食い虫もいいところで、ミサイル防衛と空母だけで巨大な予算が掛かってしまい、大幅な予算増が実現しない限り、既存の装備や人員を削る他なくなってしまう。本末転倒もいいところだろう。
政府・自民党は防衛予算を漸次増やしていくつもりなのだろうが、衰退の一途にある国力でどこまで実現できるか分からない。
結局のところ、この路線は財政を無視した軍拡で自滅する方向にあるとしか思えない。当面は国民からの収奪を強化して応じるのだろうが、その行きつくところは対外戦争(戦前の日本)か革命(ロシア型)かという話で、どちらも良い未来を思い描くことができない。

やはりしっかり外国に活動拠点を作るという私の大方針に間違いは無かったのだ。
posted by ケン at 12:00| Comment(10) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月19日

学習塾という労働地獄

【学習塾「80日間、休みゼロ」 元講師「生徒のため」で疲弊、無念の退職】
 入試に向けてラストスパートを迎え、学習塾が熱気を帯びるこの時期。関東の大手塾講師2人が、過酷な労働環境により労災認定されたことが相次いで報じられた。11月27日、神奈川県の大手学習塾「ステップ」で教室長も務めていた塾講師(40代)は、40連勤の末に適応障害を発症し、労災認定されていた。また、12月7日には、進学塾「栄光」で働いていた男性(当時49)が長時間労働が原因で亡くなったとして、労災認定されていたことも明らかになった。
 学習塾業界でなにが起きているのか。都市部を中心に展開する大手学習塾で働いていた元塾講師の小野さん(仮名・32歳)が、弁護士ドットコムの取材に応じた。小野さんも長時間労働でうつ病を発症し、今年7月、横須賀労基署に労災認定された。塾講師のおかれた過酷な労働環境について、話を聞いた。 小野さんは2010年に正社員として採用され、神奈川県内の教室で働いていた。勤務時間は13時から22時となっていたが、実際は10時前後に出社することを推奨され、帰宅は24時をまわることが日常化していたという。小野さんによると、営業や講義の準備などの仕事におわれ、徹夜や1時間睡眠の日がほとんどで、3時間寝られればよい方だった。
 教室の生徒数は多いときで、約150人。この人数を正社員2人、学生アルバイト5、6人、パート事務1人でまわしていた。しかも、正社員はどちらかが休んでも補充はない。たとえ1人が入院しても、異動になったとしても、長いこと補充はこなかった。小野さんは2015年の9月から12月までの80日間、1人で教室を回さざるを得なくなり、休みなく勤務していたという。
(12月15日、弁護士ドットコムより抜粋)

私の周りにも塾業界で働いていた人がいるので、話には聞いていたが、その凄まじさは言語を絶する。
結局のところ、少子化による供給過剰が競争激化を生み、デフレ競争となって値引き合戦や、少人数化・個別化が進み、利潤を上げるためにアルバイト化と正社員の超長時間残業が加速された、ということだろう。
まさに日本社会の縮図と言える。

本来であれば、学校が正常に機能していれば、ごく上位一部の受験者のみが通うだけで良いはずだ。しかし、学校は学校でイベントとクラブ活動の過多、教員の超多忙、教員の水準低下、意味不明な「総合学習」や「英会話」などの要因で機能を低下させる一途にあり、普通の子どもにまで塾需要が高まってしまっている。

超長時間労働が許容され、摘発されない労働法制を含め、これらの複合的な要因がますます日本を蝕んでいる。
人間的に生きたければ、日本には住めない時代を象徴している。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月17日

ゲームマーケット2018冬 at 上海?

中国でゲームマーケットが開かれると耳にし、「マジか?」ということに。
場所は上海万博の跡地にある「上海世博展覧館」で、東京のビッグサイトのようなものだが、規模は大きくない。
まぁビッグサイトが大きすぎるのだが。

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朝9時半開場というのは、やはり中国時間で日本より30分早い。
「日本のような人出はない」とのことで、ケン先生は10時頃に行ったがガラガラで、むしろ「本当にここでいいんだよな?」と思ったほどだった。会場の入口まで来てようやく看板が見えてホッとするが、他にはイベントをやっている様子もなく、非常に寂しい感じ。
1時間前に行っても千人以上並んでいる東京GMが懐かしい。

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入場料は無料で驚いたが、後で聞いたところでは、現地のTCGなどを運営する会社がスポンサーとなっているそうで、同人などの出展も無料とのこと。さすが「大人」の国である。
まぁTCGの普及がメインなのだろうが、ボードゲーム全般のマーケット拡大やスマホ&TVゲームとの競争という意味もあるとは思われる。いずれにせよ、こういう太っ腹は日本人には見られないもので、心地よく思える。

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案の定、三国志系のTCGのイベント会場は賑わっているが、それ以外はパラパラ程度。
出展している友人は「中国の人出は日本と逆で午後からさ」と言うが、こちらが心配になってくる。
同日、別のところでコミケが開催されていることも影響してそう。

TCG以外のボドゲは、やはり米国製が8に台湾製が2といったところで、日本の会社の出展はなく、中国製は同人のみ。その同人スペースも閑散としており、ゲームマーケットが始まった頃の浅草時代の方がよほどマシなレベル。
ゲーム業界でも日本は完全に出遅れている。他人事ではあるが、日本製のゲームは高く評価されているだけに、何とも惜しすぎる話だ。いっそのこと自分が・・・・・・いやいやいや(笑)

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名作「俺ケツ」の中国語版が販売されていたが、売れ行きは今ひとつとのこと。やっぱ原作読まないとねぇ。
売れるのはやはり二次大戦の欧州戦ものらしい。ま、日本と同じか。

一周りして、ちょっと中国産ゲームをプレイして昼過ぎには帰ろうかと思っていたが、結局いろいろゲームすることになって、ラスト(5時)までいることに。
いくつか中国製の簡単なゲームを試してはみたが、やはり洗練されていない。洗練されていないというのは、処理が部分的に重かったり、バランスが悪かったり、「何をシミュレートしてるの?」だったり、様々な原因があるが、複合的に問題を抱えていることを意味している。
こうした後続の中国人デザイナーの苦闘を見て、改めて日本の「デザイン技術の蓄積」を実感した次第。
自分が難しい顔をしていたせいか、気を遣われてしまったようで、「この前東京のゲムマで買ってきた」というゲームをする始末になってしまった。

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孫尉氏による「曹魏開国」。197年から198年までの曹操包囲戦をテーマとするミニゲーム。シンプルかつコンパクトながら、ツボを抑えたなかなかの好ゲーム。

午後からは確かに人が増え、フリープレイスペースも概ね埋まるくらいにはなった。しかし、現地の同人スペースが寂しいので、結局、米国製や台湾製のゲームを買って、あるいは体験するという具合。

日本のゲムマには中国、台湾から多くの人が来る時代であり、市場規模13億、中間層だけで4〜5億人いる中国はボードゲームのフロンティアとして最有望なだけに、改めて何かできないだろうかと考えた次第。そういう意味で良い機会だった。

とりあえず頭の中に構想だけある「大清帝国の崩壊」(欧米列強の介入や国内反乱に対処しつつ、押し付け合いつつ、清王朝の主導権争いを行う派閥抗争ゲーム、協力と競争の組み合わせ)をテスト段階にまで持ってゆくところから始めるか。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月15日

日本政府が苦肉の?ファーウェイ排除

【政府、中国通信2社製品を排除方針】
 政府は、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)が中国情報機関との結び付きを指摘されていることを踏まえ、2社の製品を政府調達から事実上、排除する方針を固めた。政府関係者が7日明らかにした。
(12月7日、共同)

まさに「泣く子と地頭には勝てない」である。
フェイスブックが米当局に協力していたことに象徴されるように、権力から求められた通信事業者が奉仕を拒否するのは難しく、それはアメリカだろうが中国だろうが変わらないだろう。
今回の件は、米中貿易戦争でアメリカ側に出せるカードが少ないことから起きた話で、言うなれば日本は親が勝手に始めたヤクザ戦争に巻き込まれてしまった弱小の下っ端組織みたいなものだ。しかも、戦争相手はいまや最大の取引先になっているのだから、頭を抱えるばかりに違いない。
日本の事業者は喜ぶかもしれないが、競争が無くなれば、技術の劣化が際立つだけではないか。
これも「日米同盟」が対等でないことの現れと言える。まぁ当然の話なのだが、いつまで続けられることやら。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月14日

ゲームカフェで「Cat Shit One」

この日は所用があって遅れて参加。
ゲーマーたちは、地元デザイナーが開発中の三国志のマルチゲームをテストしていた。
中国全土をヘクスで再現したマップを使ったマルチという、斬新といえば斬新な設定。
途中から来て見ていただけなので、十分理解していないが、どうも「神々の戦い」みたいに、ひたすら人材登用と軍拡を行い、最後にみんなでバトルロワイヤル、といった様相。その最後の戦闘も、時間がかかり、ダラダラしている。三時間弱で終わったみたいなので、プレイアビリティ自体は悪くないのかもしれないが、色々「それってどうなの?」と疑問を覚えた。まぁ中国人の皆さんは盛り上がっていたようなので、良いのだが。しかし、デザイン的にはとても日本のゲーマーに推奨できそうにはない。

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終了後、Xさんが東京のゲムマで買ってきたという「Cat Shit One」をプレイ。
あの「俺ケツ」のゲンブンゲームズの第二弾である。
ウサギになってしまったアメリカ人たちが特殊部隊となって、ベトナム戦争を戦い抜く協力型カードである。
デザイン的には「俺ケツ」を原型としている感じだが、次々と現れるベトナム軍やゲリラ部隊を攻撃あるいは回避しながら、所定の任務をこなす必要がある。この任務はミッションカードでランダムで構成されるため、プレイするたびに使命が異なることになる。そこが、「俺ケツ」との大きな違いだろう。
また、プレイヤーは登場人物の一人を操り、自分の特技やアイテムを使って敵を攻撃するが、特技を使うと冷却期間が必要となり、アイテムは使い切りであるため、協力しながら進まないと、危機に陥る。さらに、敵を放置したまま進むと、残した敵に応じて「戦場リスク」が高まり、一定の数値に達すると全員敗北に終わる。

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「俺ケツ」よりは複雑だが、難しいところはなく、慣れれば30分で終わる。難易度調整も簡単すぎず、難しすぎず、良い感じ。
ワイワイ騒ぎながらサラッとプレイできる佳作だとは思うが、やはりベトナム戦争のせいか、今ひとつ感情移入できない。悪くはないが、やはり「俺ケツ」ほどではない。
posted by ケン at 00:00| Comment(0) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月12日

戦争屋が外国人労働者を組織する悩ましさについて

【外国人3千人が加入の労組結成 日高屋、大半が非正社員】
 中華料理店「日高屋」を首都圏で約400店展開する「ハイデイ日高」(本社・さいたま市)で、外国人従業員が約3千人加入する企業内労働組合が結成されたことが分かった。組合員の約3分の1を占めるといい、これだけ多くの外国人が入る労組は極めて異例だ。政府が外国人労働者の受け入れ拡大を進める中、外国人の待遇改善をめざす新たな動きとして注目を集めそうだ。
 同社や労組関係者によると、名称は「ハイデイ日高労働組合」。今年5月に繊維・流通・食品業界などを束ねる産業別労働組合「UAゼンセン」に承認され、労組の中央組織・連合の傘下に入った。店舗網の拡大による従業員数の増加を受け、社内で労組の結成が長く検討されていた。関係者は「今年ようやく話がまとまった」という。
 組合員数は約9千人。パートやアルバイトなどの非正社員が8千人超を占め、このうち約3千人がベトナムや中国、ネパール、ミャンマーなどから来ている従業員だ。週28時間以内なら働くことができる日本語学校や専門学校で学ぶ留学生らが多いという。
(11月21日、朝日新聞より抜粋)

労働組合とはかくべきである。労組は、未組織の労働者を加入させ、同時に未組織の企業や分野に組織を広げていかなければ、あっという間に既得権益団体に堕してしまい、資本との一体化を余儀なくされるところとなるからだ。その意味で、ゼンセンは現代の日本にあって、労働組合として真っ当に機能している数少ない存在ではあるものの、同時にゼンセンならではの問題も抱えている。

ゼンセンは元々「全繊維」という繊維産業を基盤とする産別労組であり、日本の近代化を当初から共に歩んできた、最も歴史のある組合を起源としている。
しかし、それだけに帝国主義の恩恵の享受者であると同時に、日本の軍産複合体の一部をなしてきた。戦前の日本において、繊維産業は最大の輸出部門であったためだ。また、軍服や日用品、テントなどを始め、軍需物資に占める繊維の割合は非常に高く、日清戦争以降、50年間に渡る軍拡時代にあって、日本の繊維産業は軍事と一体化してきた歴史がある。
一度は敗戦によって危機的状況に陥ったものの、復活を果たした原因が朝鮮戦争特需(次いでベトナム戦争)であったことは、ゼンセンにとって戦争が「最も景気の良い公共事業」であるという成功例になっている。

それは現在にまで継承されていて、私が議員秘書時代に話を交わした某幹部も「自衛隊の海外派遣や新安保法制、今後の軍拡で我々はしばらく安泰(中略)我々は本来安倍政権をこそ支持すべきであり、民進党をなどを支援する理由はないはず(だから感謝しろ)」旨のことを言っていた。彼の意見が組織を代表するわけではないが、その意見は彼らの歴史的背景を考えれば、十二分に妥当なものなのだ。

日教組のように平和や反原発運動には積極的なのに肝心の労働者の権利を守る運動はほぼ無力である総評系と、戦争賛成・核推進ながら労働者の権利を守ることに積極的な同盟系、本来的には後者が「正しい姿」であるとは分かっているものの、すんなりとは肯定できないところが苦しいところである。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする