2018年12月12日

戦争屋が外国人労働者を組織する悩ましさについて

【外国人3千人が加入の労組結成 日高屋、大半が非正社員】
 中華料理店「日高屋」を首都圏で約400店展開する「ハイデイ日高」(本社・さいたま市)で、外国人従業員が約3千人加入する企業内労働組合が結成されたことが分かった。組合員の約3分の1を占めるといい、これだけ多くの外国人が入る労組は極めて異例だ。政府が外国人労働者の受け入れ拡大を進める中、外国人の待遇改善をめざす新たな動きとして注目を集めそうだ。
 同社や労組関係者によると、名称は「ハイデイ日高労働組合」。今年5月に繊維・流通・食品業界などを束ねる産業別労働組合「UAゼンセン」に承認され、労組の中央組織・連合の傘下に入った。店舗網の拡大による従業員数の増加を受け、社内で労組の結成が長く検討されていた。関係者は「今年ようやく話がまとまった」という。
 組合員数は約9千人。パートやアルバイトなどの非正社員が8千人超を占め、このうち約3千人がベトナムや中国、ネパール、ミャンマーなどから来ている従業員だ。週28時間以内なら働くことができる日本語学校や専門学校で学ぶ留学生らが多いという。
(11月21日、朝日新聞より抜粋)

労働組合とはかくべきである。労組は、未組織の労働者を加入させ、同時に未組織の企業や分野に組織を広げていかなければ、あっという間に既得権益団体に堕してしまい、資本との一体化を余儀なくされるところとなるからだ。その意味で、ゼンセンは現代の日本にあって、労働組合として真っ当に機能している数少ない存在ではあるものの、同時にゼンセンならではの問題も抱えている。

ゼンセンは元々「全繊維」という繊維産業を基盤とする産別労組であり、日本の近代化を当初から共に歩んできた、最も歴史のある組合を起源としている。
しかし、それだけに帝国主義の恩恵の享受者であると同時に、日本の軍産複合体の一部をなしてきた。戦前の日本において、繊維産業は最大の輸出部門であったためだ。また、軍服や日用品、テントなどを始め、軍需物資に占める繊維の割合は非常に高く、日清戦争以降、50年間に渡る軍拡時代にあって、日本の繊維産業は軍事と一体化してきた歴史がある。
一度は敗戦によって危機的状況に陥ったものの、復活を果たした原因が朝鮮戦争特需(次いでベトナム戦争)であったことは、ゼンセンにとって戦争が「最も景気の良い公共事業」であるという成功例になっている。

それは現在にまで継承されていて、私が議員秘書時代に話を交わした某幹部も「自衛隊の海外派遣や新安保法制、今後の軍拡で我々はしばらく安泰(中略)我々は本来安倍政権をこそ支持すべきであり、民進党をなどを支援する理由はないはず(だから感謝しろ)」旨のことを言っていた。彼の意見が組織を代表するわけではないが、その意見は彼らの歴史的背景を考えれば、十二分に妥当なものなのだ。

日教組のように平和や反原発運動には積極的なのに肝心の労働者の権利を守る運動はほぼ無力である総評系と、戦争賛成・核推進ながら労働者の権利を守ることに積極的な同盟系、本来的には後者が「正しい姿」であるとは分かっているものの、すんなりとは肯定できないところが苦しいところである。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする