2019年01月04日

腐敗官僚による天下りの連鎖

【懲戒処分の元文科官僚が組織委入り 東京五輪・パラ】
 文部科学省を巡る接待汚職事件に関与した元コンサルティング会社役員から飲食接待を受け、辞職した前文科省初等中等教育局長の高橋道和(みちやす)氏(57)が2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会入りする。3日、関係者が明らかにした。
 高橋氏は15年10月に発足したスポーツ庁で長官に次ぐ初代の次長職を務めており、スポーツ行政の手腕が評価された。大会開催を翌年に控え、準備を加速させるための組織強化とみられる。高橋氏は昨年9月、国家公務員倫理規程に基づき減給の懲戒処分を受け、辞任を申し出ていた。
(1月3日、毎日新聞)

新年早々おめでたいニュースが。
腐敗役人が準公的機関に天下りしたのでは、何のために辞めさせたのか分からない。
むしろ先をとって辞任したことで、責任追及を逃れ、天下り先に転身したと見るべきだろう。
これでは腐敗構造が蔓延するばかりであると同時に、オリンピックそのものが腐敗構造の中核をなしていることを示している。

数年前、野党議員にも誠実に対応してくれた某省の局長が定年退職する際、「天下り先もまだ決まっていない」と嘆いておられたが、日本社会が能力や職務に対する誠実さで人物を評価するのではなく、組織に対する忠誠度や人間関係で評価される社会であることを示している。
日本社会が制度だけでなく、文化や慣習面においても堕落、腐敗していることの現れと言えよう。
posted by ケン at 12:00| Comment(6) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月03日

逆転する日中海軍力

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この五年間における1千トン以上の大型巡視船の生産量は、中国96隻に対し日本11隻だった。もはや日中間は太平洋戦争時の日米と同水準の国力差なっている。日本の選択肢は対米従属を強化して中国に対抗するか、あるいは対米従属を脱して中露に接近するか、の二択になりつつある。

代議制民主主義が本来の機能を発揮していれば、日本には「親米反中」「親中反米」「独立独自」の三路線を代表する政党が議会に議席を持って、議論を戦わせなければならないはずだが、ハッキリしているのは政府の「親米反中」と共産党の「独自路線」くらいなもので、後は真面目に議論する気もない感じ。ある意味では、昭和初期より危機感が無いのかもしれない。
「EUの是非」や「反ロシアの是非」が議会や選挙のテーマになるヨーロッパは、今のところまだ代議制民主主義の原則が保たれているが、日本ではもはや失われている。

海保長官は安倍総理に問われて、「それは是非やれと言われれば初め半年や1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば全く確信は持てぬ」とでも答えているのだろうか。
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

太平天国の興亡

年末はゲームカフェでゲーム三昧。
30日は、Xさんがデザインした「太平天国の興亡」をプレイ。
その名の通り、1851年に起きてから十年以上清朝を苦しめ、その衰退の発端ともなった太平天国の乱をシミュレートしている。日本人的にはあまり馴染みの無いテーマであり、私も陳舜臣の小説を読んだことがある程度だ。

プレイヤーは太平天国と清朝の二人で、主なアクションは兵の動員と移動・戦闘である。
中国全土がマップ化されており、戦略級なのだが、史実でも華東全域を抑え、西討軍と北伐軍を組織、西は武漢など華中を一時的に占領、北は天津まで迫っている。
乱全体の死者は2500万人に及ぶというから、日本人の想像を絶する(太平洋戦争における日本の死者は310万人)。私も杭州を訪れた際、そこここの歴史的建築物に「太平天国の乱で破壊されたが、後に再建された」と書いてあるのを見て、「日中戦争じゃないんだ!」と驚いたことがある。
動員兵力も清朝が200万人、太平天国側が300〜400万人と桁が違いすぎて想像を絶するものになっている。

ルール自体はシンプルなのだが、イニシアチブの奪い合い、移動の際の損耗、戦闘解決などの処理が重く、ややプレイしづらい感じがある。せっかくシンプルなルールにしたのだから、もう少しプレイアビリティに配慮しても良かったのではないか。とはいえ、慣れれば半日で一シナリオを終わらせることぐらいはできる。

シナリオは前半シナリオで乱冒頭の金田蜂起から始まる。
私は清朝を持つが、アヘン戦争と白蓮教徒の乱(雲南・四川)で兵力はほぼ枯渇しており(史実では乱鎮圧中にアロー戦争も勃発)、一から募兵しないと何もできない感じ。だが、そもそも反乱が頻発するレベルなのだから、募兵しても全然集まらない。「俺に何しろと?」という話。しかも、初期に募兵できる八旗や緑営は戦力的にも役立たずに近く、太平天国軍に劣るほど。

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太平天国側は広東の片田舎で蜂起したものの、勝利条件を満たすためには大都市を占領、制圧する必要がある。勝利条件を考えると、華中・華東地域を拠点にするのが効率的であるため、天父の洪秀全を連れて全軍が流浪の民あるいはイナゴのように北上、東上することになる。史実への誘導と言える。

清朝側は拠点に守備兵を置いて時間稼ぎをし、唯一勝っている水軍力を用いてゲリラ戦を行うが、本当に時間稼ぎしているだけにしか見えない。
これに対して、太平天国側は見る見る間に兵が増えてゆくのだが、移動しては損耗し、戦闘で勝っても損耗するので、実際すごい勢いで増えているのだが、戦線を拡大しようと兵を分散させるとビミョーな感じになってくる。

太平天国がどこかの省都を落として建国を宣言すると、ステージが変わり、清朝の動員も進むようになり、淮軍や湘軍のような郷勇も募兵できるようになる。が、これで一軍をつくって戦線に投入するまでにはしばらくかかるので、気の長い人でないと清朝側は務まりそうにない。

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史実通り、南京が陥落して建国が宣言され、蘇州、上海、杭州などの近隣も制圧される。だが、太平天国側のプレイヤーも初めてだったこともあり、首都の南京をガラ空きにしていたため、こちらが水軍部隊で長駆・制圧し、天父・洪秀全を殺害したところで、投了となった。
仮にこれがなかったとしても、太平天国側は出遅れており、規定の7ターンまでに20VPという勝利条件は満たせそうになかった。太平天国側も、どこで頑張るか判断が難しいように思える。

全体的に見て、史実再現性は高そうだし、雰囲気も悪くないのだが、いささか爽快感(やってる感)に欠け、あえて言うならダラダラ大河ドラマを見ているような印象のゲームである。まぁ前半シナリオだからこうだっただけで、後半シナリオだったらもっとガチで潰し合うのだろうが。。。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月01日

2019年を中国で迎えて

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

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十二年ぶりに海外で正月を迎えました。
とは言っても、今いるところはゲーム仲間もおり、晦日と大晦日は夜半までゲーム三昧で昼近くに起きてきたところです。
近所のスーパーで売ってるサトウの切り餅を買って、中国製小豆で汁粉をつくり、後はきなこ餅にしてささやかにお祝いです。両方とも甘くしてしまったのはちょっと失敗かもしれませんが、連日頭を使って甘いものが食べたくなっていた模様。

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とはいえ、明日から授業で明後日からは一部試験が始めるので、あまり正月という気もしません。
何せ明日は朝7時のシャトルバスで出勤だし。

何分今年は寒く、華東地域でも一昨日は雪が降り、最低気温がゼロ度近い日が続いています。
風呂がないことも影響してそうですが、持病の腰痛も発症しており、一度帰国するには丁度よい頃合いのようです。

なお、話が飛びますが、中国では「逍遥軒」という号を名乗っています。
莊子の「逍遥游」から取っているわけですが、気持ち的には武田信廉と共有するものがあるような気がします。
莊子のそれは、固定観念や既成の枠組みなどを捨てることによってのみ、人は本当の意味での人間たりうるという考えを指します。
が、信廉の場合は、どうやら本当は芸術や文学の徒になりたかったのに、時代と生まれ故に、才能がないことを分かっていながら武将を務めざるを得なかった己の分や思いを表しているものと思われます。
まぁこの話はまた別の機会にするかもしれません。

それでは、読者の皆さんも良い年となりますように。

【追記】
なお、本年は亥年ですが、ケン先生は辛亥生まれです。今年は己亥にあたりますが、唐代の詩人である曹松の「己亥歳」が思い出されます。

澤國江山入戰圖
生民何計樂樵蘇
憑君莫話封侯事
一將功成萬骨枯

「一將功成萬骨枯」は「一将功成りて万骨枯る」として知られますが、昨今の日本の風潮を見ると、どうにも功欲しさに戦争したがる輩が増えているような気がしてなりません。
もっとも、中国の大学で本詩を紹介しても学生の反応は鈍く、この辺も日本と同じく非常に将来が危ぶまれる状況です。
posted by ケン at 15:27| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする