2019年01月03日

太平天国の興亡

年末はゲームカフェでゲーム三昧。
30日は、Xさんがデザインした「太平天国の興亡」をプレイ。
その名の通り、1851年に起きてから十年以上清朝を苦しめ、その衰退の発端ともなった太平天国の乱をシミュレートしている。日本人的にはあまり馴染みの無いテーマであり、私も陳舜臣の小説を読んだことがある程度だ。

プレイヤーは太平天国と清朝の二人で、主なアクションは兵の動員と移動・戦闘である。
中国全土がマップ化されており、戦略級なのだが、史実でも華東全域を抑え、西討軍と北伐軍を組織、西は武漢など華中を一時的に占領、北は天津まで迫っている。
乱全体の死者は2500万人に及ぶというから、日本人の想像を絶する(太平洋戦争における日本の死者は310万人)。私も杭州を訪れた際、そこここの歴史的建築物に「太平天国の乱で破壊されたが、後に再建された」と書いてあるのを見て、「日中戦争じゃないんだ!」と驚いたことがある。
動員兵力も清朝が200万人、太平天国側が300〜400万人と桁が違いすぎて想像を絶するものになっている。

ルール自体はシンプルなのだが、イニシアチブの奪い合い、移動の際の損耗、戦闘解決などの処理が重く、ややプレイしづらい感じがある。せっかくシンプルなルールにしたのだから、もう少しプレイアビリティに配慮しても良かったのではないか。とはいえ、慣れれば半日で一シナリオを終わらせることぐらいはできる。

シナリオは前半シナリオで乱冒頭の金田蜂起から始まる。
私は清朝を持つが、アヘン戦争と白蓮教徒の乱(雲南・四川)で兵力はほぼ枯渇しており(史実では乱鎮圧中にアロー戦争も勃発)、一から募兵しないと何もできない感じ。だが、そもそも反乱が頻発するレベルなのだから、募兵しても全然集まらない。「俺に何しろと?」という話。しかも、初期に募兵できる八旗や緑営は戦力的にも役立たずに近く、太平天国軍に劣るほど。

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太平天国側は広東の片田舎で蜂起したものの、勝利条件を満たすためには大都市を占領、制圧する必要がある。勝利条件を考えると、華中・華東地域を拠点にするのが効率的であるため、天父の洪秀全を連れて全軍が流浪の民あるいはイナゴのように北上、東上することになる。史実への誘導と言える。

清朝側は拠点に守備兵を置いて時間稼ぎをし、唯一勝っている水軍力を用いてゲリラ戦を行うが、本当に時間稼ぎしているだけにしか見えない。
これに対して、太平天国側は見る見る間に兵が増えてゆくのだが、移動しては損耗し、戦闘で勝っても損耗するので、実際すごい勢いで増えているのだが、戦線を拡大しようと兵を分散させるとビミョーな感じになってくる。

太平天国がどこかの省都を落として建国を宣言すると、ステージが変わり、清朝の動員も進むようになり、淮軍や湘軍のような郷勇も募兵できるようになる。が、これで一軍をつくって戦線に投入するまでにはしばらくかかるので、気の長い人でないと清朝側は務まりそうにない。

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史実通り、南京が陥落して建国が宣言され、蘇州、上海、杭州などの近隣も制圧される。だが、太平天国側のプレイヤーも初めてだったこともあり、首都の南京をガラ空きにしていたため、こちらが水軍部隊で長駆・制圧し、天父・洪秀全を殺害したところで、投了となった。
仮にこれがなかったとしても、太平天国側は出遅れており、規定の7ターンまでに20VPという勝利条件は満たせそうになかった。太平天国側も、どこで頑張るか判断が難しいように思える。

全体的に見て、史実再現性は高そうだし、雰囲気も悪くないのだが、いささか爽快感(やってる感)に欠け、あえて言うならダラダラ大河ドラマを見ているような印象のゲームである。まぁ前半シナリオだからこうだっただけで、後半シナリオだったらもっとガチで潰し合うのだろうが。。。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ゲーム、囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする