2019年04月16日

非正規化進む学校現場

【横浜の私立校で大量退職 「非正規教員を使い捨て」】
 元経団連会長の故土光敏夫氏が理事長を務めた学校法人橘学苑(横浜市鶴見区)が運営する中高一貫校で、非正規雇用の教員の雇い止めが相次ぎ、大量の退職者が出ていることが13日、学校関係者への取材で分かった。学苑側は昨年度までの6年間で72人が退職したとしている。一方、複数の学校関係者は退職者は120人近いと訴えている。
 改正労働契約法には、非正規労働者の雇用安定を図るため、有期契約が5年を超えれば無期に移行できる「無期転換ルール」がある。私立校教員も対象。私立の労働問題に詳しい労働組合関係者は「非正規の使い捨てとも呼べる状況」と指摘している。
(4月13日、共同通信)

臨時任用を含む非正規教員の割合は、小中学校ですでに2割近くになっており、私立の割合が高い高校ではさらに高くなるとみられている。
諸経費がかさむ中で、経営層が積極的に人件費削減を進めた結果であろう。労働集約型産業の典型である教育の場合、経営の観点から利益を出すためには、人件費を削減するほか無い。将来的には相当部分がAIにとって代わられ、あるいは学校という閉鎖空間に生徒を集めて教えるという方法自体がなくなるかもしれないが、それはもう少し先の話になりそうだ。それだけに、人件費削減は正規教員の非正規化という形になって現れる。

記事の学校の場合も、いわゆる底辺校ではないが、偏差値が50に届かない程度の学校であり、経営者が企業経営者であるということからも、学校を市場原理と収支の側面から捉える傾向が強かったのだろう。
だが、非正規教員を増やした場合、技術、経験、知識の蓄積が不十分となり、生徒と教員間の信頼関係も低下してゆくことになる。収支面では改善されるとしても、教育の質としては低下は免れず、学校としての評価もさらに下がってゆくところとなる。ただでさえ少子化によって、生徒獲得競争が厳しくなっているだけに、学校の評価は死活問題だが、「背に腹はかえられない」ということかもしれない。
結果、経営層は教員を叩いて精神主義的に「成果」を強要することになるが、もはやバンザイ突撃しか命令しない旧軍指揮官と同じだ。そして、教員の士気も低下、正規教員が辞めると、非正規教員が補充され、ますます士気と質が低下してゆく構造になっている(ようだ)。

これから子どもを学校にやる保護者はそんなことまで考えないといけないのかと思うと、ますます萎えてしまう。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | 教育、法務、司法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする