2019年06月18日

ランド・パワーvs.シー・パワーの時代へ

【中ロ、上海機構で米けん制 インドと連携、多国間主義強調】
 中国、ロシア、インド、パキスタンと、中央アジア4カ国で構成する上海協力機構(SCO)は14日、キルギスの首都ビシケクで首脳会議を開いた。米国との対立を深める中ロ両国は、主導するSCOの枠組みでインドなど加盟国との連携を国際社会に誇示。多国間主義を強調し、保護主義的な政策を取る米国をけん制した。
 中国の習近平国家主席は演説で、米国の通商政策を念頭に「多国間主義と自由貿易を促進し、国際秩序を公正で合理的な方向に発展させなければならない」と指摘。SCO諸国に「共同で世界の平和や繁栄の促進に努力すべきだ」と協調を求めた。
(6月14日、共同通信)

冷戦期の対立は、シーパワーをもって世界支配を目指す自由主義陣営と、ランドパワーをもって対抗しようとした共産主義陣営の戦いだった。しかし、共産主義側はその閉鎖性からランドパワーの優位性を生かすことができず、それどころか内部分裂し中ソ対立に発展、互いの資源と市場の優位性を生かすことなく、ソ連崩壊を迎えた。
ソ連崩壊を経て、自由主義が世界を支配するという見方が一時期広まったものの、一度たりとて実現すること無く、むしろ中国が権威主義体制のまま米国に次ぐ経済規模を実現、十年後には米国を追い越す勢いにある。これに対して、自由主義陣営ではまず盟主たるアメリカが自由貿易の理念を放棄、欧米日などの各国ではデモクラシーが機能不全に陥りつつあり、階級対立を先鋭化させている。ソ連崩壊によって自由主義陣営に取り込まれた旧東欧諸国では、権威主義体制が復活しつつあり、日本でも権威主義への移行が進行しつつある。つまり、自由主義陣営とは言いつつも、内実は非常に厳しいものになっている。

インドは冷戦期にあっても、ソ連寄りの中立を保ち、ソ連崩壊後は米国寄りの中立となったが、印パ対立もあって自由主義陣営に参画するには至っていない。基本的には非同盟主義を伝統としているわけだが、そのインドも中露寄りの中立に移行しつつあるように見える。
インド経済の先行きを考えれば、ロシアの資源と中国の市場は不可欠であり、中印対立は互いにとって得るところが薄すぎるし、いまさら米英から利益が得られるようにも思えない。やはり中露寄りの中立に傾いていくのだろう。

日本の自民党はこの流れを肌では理解しているが、これまでの主張や利害関係があって、そう簡単に転換できるわけでは無い。霞が関は「日米同盟」の買弁状態にあるため、「日米同盟は日本の生命線」と考えている。この点もあって、安倍首相は内閣人事局をつくって官僚統制の強化に乗り出していると考えられるわけだが、見た感じでは必ずしも上手くいっていない。
何か結論があるわけではないが、今後も(中国から)観察していきたい。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする