2019年07月02日

【補足】トランプ氏が日米安保破棄の意向?

6月26日の記事「トランプ氏が日米安保破棄の意向?」の補足。
オリジナルの英文記事には、日本語に直されなかった部分が少しある。
その一つがこれだ。
James Carafano, vice president of foreign and defense policy studies at the Heritage Foundation, said he doubts the U.S. will withdraw from the treaty with Japan.

“There’s nothing that says we have to abide by treaties for all eternity,” Carafano said. “I just doubt we will revisit U.S. policy on the U.S.-Japan strategic alliance,” which he also referred to as the “cornerstone” of U.S. foreign policy in Asia.
"Trump Muses Privately About Ending Postwar Japan Defense Pact"(Bloomberg, 2019.06.25)

要するにヘリテージ財団のカラファノ外務・防衛政策担当副理事長は、アメリカが日米安保を破棄する可能性を指摘、「永遠に続く同盟など無い」として、米国の外交政策の基礎をなしている日米同盟についても再検討する時期に来ていると述べている。

同報道後、トランプ大統領は「破棄」とは言わないまでも、「日米同盟」の見直し=根本的修正に堂々と触れるようになった。恐らく、「破棄」とさえ言わなければ、「根本的見直し」程度ならOKと判断したのだろう。
実際、大統領が指摘する「日米同盟の片務性」に対して、日本側は「アメリカに基地を提供している」「思いやり予算を出している」程度の返答を出すに止まっており、トランプ氏の問題提起に対してゼロ回答のまま、「日米同盟は強固である」という空疎な「宣言」を出すだけに終わっている。

こうした日本側の対応は、1945年7月のポツダム宣言に対する「黙殺」と同じ効果しか生まない。
宗主国であるアメリカ側が問題提起を行っているのに、衛星国である日本が「外交問題は存在しない」と突っぱねてしまっては、軋轢が深まるばかりだ。恐らくは、トランプ氏は日本側の反応を見越した上で、「カード」を突きつけているのであって、日本側は術中にはまってしまっている。とはいえ、憲法9条がある状態で、「アメリカの対外戦争に全面協力します」とも言えず、現実の選択肢は非常に少ない。

日本としては、憲法9条を破棄してアメリカと攻守同盟(正規の軍事同盟)を締結するか、対米従属を止めて、中露日などで東アジアにおける新たな安全保障体制を構築するか、選択が迫られているわけだが、現状の自民党と外務省にはハードルが高すぎる話になっている。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 外交、安全保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする