2019年07月29日

立民は敗北感でいっぱい

【顔色冴えぬ立民・枝野代表 参院選終え党内から不満】
 21日投開票の参院選で議席を「倍増」させた立憲民主党の枝野幸男代表の顔色がさえない。枝野氏ら幹部が推した目玉候補が相次ぎ落選し、比例代表の得票数も平成29年の衆院選に比べ激減したからだ。強さが「張り子の虎」だったことが露呈した今、党内で枝野氏への不満がくすぶり始めた。
 「参院選では議席倍増という結果が出た。衆参両院ともに野党第一党として、さらに大きな責任を負うことになった」
 枝野氏は25日の常任幹事会で、参院の勢力が改選前の9議席から17議席に伸びたとして胸を張った。とはいえ、トップの「勝利宣言」とは裏腹に出席者の表情は総じて暗かった。
 それもそのはず。党幹部は投開票日直前、「選挙区・比例代表合計で20議席は固い」と踏んでいたが、蓋を開ければ、有名弁護士や元アイドルら目玉候補は軒並み落選。比例得票数も29年衆院選の約1100万から約316万減の約791万に落ち込み、与党の土台は揺らぎもしなかった。
 立憲民主党は29年衆院選での比例得票数と、野党で最も高い政党支持率を売りに勢力拡大を図ってきた。それだけに、中堅は「幹部は比例得票数が800万を下回ったことに衝撃を受けている。政党の地力がバレて、枝野氏の求心力は落ちていくだろう」と解説した。若手も「お偉いさん方は認めたくないだろうが、今回の参院選は明らかに負けだ」と強調した。
 野党の主役の座は、初の国政選挙で約228万の比例票をたたき出した山本太郎代表率いる「れいわ新選組」に奪われつつある。山本氏は21日深夜の記者会見で「他の野党と手を組まなければ政権交代までいけない。力を合わせていく必要がある」と述べた。
 枝野氏は選挙前まで党勢拡大を優先し、野党が一つの政党にまとまることに否定的だった。しかし、参院選での伸び悩みやれいわの躍進、国民民主党系無所属を含めれば勢力を維持したともいえる国民民主の粘りを目の当たりにし、独自路線からの転換を迫られる可能性もある。
(7月25日、産経新聞)

ケン先生が立民にいる旧知の何人かに尋ねたところでも、敗北感と執行部への不満が充満していた。
目標としていた前回衆院選並みの1100万票に遠く及ばず(投票率低下を考慮しても)、国民民主は意外と健闘してしぶとく残り、22人も候補者を出して8人しか当選させられず、供託金と経費(選挙運動の公費負担にならなかった分)だけでも1億近くなるのではないかと言われている。
立民の戦略目標を整理すると、以下のようになる。

1.1100万票以上とって野党の主導権を握る → 791万票
2.国民民主を完膚なきまでに叩いて、立国対立に終止符を打つ → 国民348万票
3.当選者のジェンダーバランスを限りなく等しくする → 比例当選8人中女性は労組の2人

このうちの一つも実現することなく終わったのだから、「俺たちは負けてない!」と強弁するのは難しいだろう。
とはいえ、立民と国民をあわせると、少なくとも比例票は前回2016年の民進党並には取っている。全体の議席では32から23になってしまい、選挙区での敗北が痛すぎる。要は弱小政党が分裂してさらに弱くなっただけだった。

立民は今回の選挙では、全く運動員を確保できず、労組の動員すら進まず、もっぱら秘書が証紙張りからポスター貼りまでしていて、「電話かける暇すらなかった」というのだから、全く組織の体をなしていなかった。
これは組織の純化を図った結果、旧民進系の自治体議員が国民や無所属になってしまったことも影響している。その後、立民は統一選挙で候補を擁立したものの、その多くは素人だったため、国政選挙についていけなかったこともある。こうした新人議員を教育するだけの組織がないため、どうにもならないのだ。
つまり、立民は候補の頭数だけ揃えたものの、手足が全く機能せず、選挙運動にならなかったようだ。

政策についても、「民主リベラル」の焼き直しと年金問題に象徴される追及型の主張ばかりで、大きな問題提起も「物語」も提示できないまま、「お前は何がしたいんだ?!」という話になってしまったところがある。
結果、「消費税廃止」「打倒安倍」と主張が非常に明快な「れいわ」に政権批判票が流れてしまった。無党派中の一定数は政権批判が激しく、劇場的なスタンスを好むものであり、それは2017年の衆院選で枝野氏が自分で起こした「風」だったはずだ。にもかかわらず、一度「勝って」しまったことで、変に政権奪取に色気を持ち、主張を「現実的」にしてしまったことも失敗の一端だった。

候補擁立過程についても、参院選選対を組みながら、実質的には「枝野=福山ライン」で決めていたことが多く、事務方も知らないうちに候補が決まっていたケースが多かったそうで、結果当初2人のはずだった「芸能人枠」が倍以上になり、秘書の間では評価の高かった奥村氏や斉藤氏が落選、「上手く使われただけ」「使い捨てかよ」などの不満が高まっている。
無駄に多く擁立した比例候補についても、党本部の職員が少なすぎて、大半の人は運動らしい運動ができず、他の議員秘書が補佐して街頭活動の調整をするだけというケースが多く、地方に行っても「行くところが無い」という状況にあったという。
要は「運動できないなら擁立するな!」という話だった。

立民内は「これではとても次の衆院選は戦えない」「次はれいわに食われるだろう」「もう終わりだ」「ケンちゃん、良いときに辞めたね」といった話ばかりで、相当に深刻である。
posted by ケン at 12:00| Comment(6) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする