2019年08月01日

関東軍化するNHK

【NHK、受信契約巡りサイトに警告文「違法行為に対処」】
 NHKは30日、受信設備があるのに受信契約をしないのは違法だと警告する文書を公式サイトに掲載した。今月の参院選では「NHKから国民を守る党」(N国)が、受信料を払った人だけがNHKを視聴できるようにするスクランブル放送の実現を訴え、議席を得ている。NHKは文書とN国との直接の関連を否定し、掲載の理由を「最近、誤った理解を広めるような発言が頻繁に聞かれるため」としている。
 文書は「受信料と公共放送についてご理解いただくために」というタイトルで、「『NHKを見なければ受信契約はしなくていい、受信料は支払わなくてもいい』と発言する人たち」を問題視。「『受信料を支払わなくてもいい』と公然と言うことは、法律違反を勧めること」と主張し、「誤った認識を広めるような行為や発言」にはきちんと対応し、「明らかな違法行為」には厳しく対処するとしている。
(7月30日、朝日新聞)

N国の政党化などを受けて、NHK批判が加速する中、NHKが視聴者に対して法を盾に恫喝を始めている。
これは「戦争に協力しないのは法律違反(国家総動員法)だ」という旧軍の主張と何ら変わらない。

NHKは民法に比して過大な資金と人脈を有し、霞が関との繋がりも深いため(東大卒が多い)、放送法やNHK予算などについて大きな影響力を行使し、自分たちに都合の良い制度をつくってきた。
形式上は国会で審議されるため、一見公平な制度に見えるかもしれないが、国会議員は日本最大級のメディアであるNHKを敵に回すと不利になることが多すぎるため、国民の利益が反映されることは殆ど無く、ほぼほぼNHKの要求通りに実現してきた。事実、NHKの予算案などが否決されたことは一度も無く、これは議会の監督機能が機能していないことの証左である。NHKの受信料と放送法の関係について質問しているのは、ケン先生が質問をつくってやってもらった前ボスくらいなものである。
現在では、NHKは一方的にネット配信してネットに繋がるもの全てから料金を徴収しようと画策しているが、これに反対する勢力は国会に無い。
野党は「消費税減税・廃止」よりも「NHK民営化」(年間2万5千円、地上波のみなら1万5千円)を訴えるべきだろう。

放送法と国家によって守られているNHKは本来視聴者であり、購入者である国民に対して謙虚でなければならない。
NHKは民放と異なり、法律によって実質的に料金を強制徴収でき、経営努力の必要が殆どないためだ。
「契約は双方の意思の合致によってのみ成立する」(契約の自由)という近代私法(日本国憲法)の根幹に反してまで、放送法第64条「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない」と規定させたのは、旧軍同様の影響力を有するNHKの権威と、「公正中立な放送をあまねく全国民に提供する」建前だった。
だが、昨今の報道を見れば分かるとおり、「公正中立な放送」は既に死文化、いまや大本営発表を垂れ流す一機関となっている上、コンテンツの多様化から「生活に不可欠な放送」でもなくなっている。
にもかかわらず、いや恐らくは「であるからこそ」、NHKは権威主義と不適切な(時代にそぐわなくなっている)法律を盾に国民を恫喝するほかなくなっているのだろう。

本来であれば、NHKの民営化と放送法の廃止を視野において法改正の議論を進めるべきところだが、NHKと癒着する総務官僚や「NHK討論に出られないと困る」「NHKに弱み(スキャンダル)を握られている」政治家によって、放送法やNHK改革に関する議論は完全に封じられている。
これも議会制民主主義の機能不全(政官業の癒着)の表れであろう。

【参考】
NHK受信料をめぐる決定的課題
posted by ケン at 12:00| Comment(0) | 労働、経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする