2019年08月23日

アガリスクエンターテイメント『発表せよ!大本営!』



アガリスクエンターテイメントさんの舞台『発表せよ!大本営!』を観劇。
1942年6月。行け行けドンドンの楽勝ムードで臨んだミッドウェー海戦にて歴史的な大敗を喫した日本軍。
戦勝パーティーまで準備していた海軍は、ショックも冷めやらぬまま新たな問題に直面する。

ーーーこの結果を国民にどう発表する?

「真実を伝えるべき」
「いや、国民の士気を落とすわけにはいかない」
「逆に危機感を煽ることによって戦意高揚を図るっていう…」
まとまらない意見。責任をなすりつけ合う各部署。

こうして、海軍報道部員のいちばん長い日がはじまった…!

虚偽の大本営発表はミッドウェー海戦に始まり、そこから坂道を転げ落ちるように嘘の上塗りを重ねたとされている。
そのミッドウェー海戦の敗戦と損害をどのように発表するのか。

敗北を認めれば責任が問われる軍令部(作戦部)は「国民の士気が下がる」として虚偽報道を主張。
「従来通りそのまま発表すれば良い。その方がむしろ士気が鼓舞される」とする海軍省軍務局。
「俺らの報告が間違っていると言うのか!」とねじ込んでくる現地部隊。
「海軍に敗戦の責任を認めさせよう」と企む陸軍。
その狭間に立って、各部から「そんな発表は認められない」と言われて窮地に立たされる報道部。
各部に良い顔をして、人を立て、妥協に妥協を重ねた結果、部分最適化には成功したものの・・・・・・

という話をブラックコメディーの舞台にした一作。

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脚本も面白く、俳優も熱演しており、なかなか時宜にかなった舞台だった。
ただ、市井のカップルが「大本営発表があったら告白するのどうの」という流れは本筋と殆ど絡んでおらず、何のために入れたのか不明だった。
無用の「パンしゃぶの構造」(性欲と食欲を同時に満たす必要は無い)であろう。
全体で130分と非常に長く、この部分をカットすれば、100分ちょっとに収まったはずだ。
私が見た回はほぼ満席で大人気だっただけに、非常に惜しいところである。。

虚偽の発表や統計偽装は、今の霞が関でも横行しており、もはや昔話では済まされなくなっている。


posted by ケン at 12:00| Comment(0) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする