2019年09月09日

非居住地で出馬当選の問題点

【N国党新宿区議の当選無効 選管、居住実態なしと判断】
 東京都新宿区選挙管理委員会は2日、NHKから国民を守る党で4月21日投開票の同区議選に当選した松田美樹氏(32)について、公選法が定める区内での居住実態が認められないとして、当選無効を決定した。21日以内に都選管に審査を申し立てなければ正式に決まり、次点候補が当選者となる。
 区選管によると、松田氏は2018年12月21日に同区への転入届を提出。以降毎月の水道とガス使用量は0〜1立方メートルで、電気も室内の冷蔵庫の消費電力と同じ程度だった。
 松田氏は区選管の聞き取りに「寝泊まりしていた」と説明したが、ペットの世話など生活の多くが転入前の住所で行われていた。
(9月2日、共同通信)

非居住地で自治体選挙に出馬して、当選後、「実態無し」として問題になるケースは意外と多い。
勢いがあった時の民主党でも散見されたし、その後、「みんな」「維新」などでも同様のケースが、自分が覚えている限りでも複数件見られた。全体で言えば、かなり少数ではあろうが、多くの問題をはらんでいる。

地域の権益の代弁者として、地域居住者の主権を代行するために代議員が選出されるわけだが、非居住者がいきなり居住地外の自治体に来て立候補して、多数の票を得て「選出されてしまう」ということである。従来は、良くも悪くも、顔の見える候補者が地域を回って投票を依頼し、あるいは地域ボスや関係者が投票を依頼することで、自治体選挙は成り立っていた。
ところが、都市部を中心に地域と生活が必ずしも一体をなさなくなり、地域コミュニティとは無縁、あるいは縁の少ない住民が増え、むしろ地域ボス的なものへの拒否感が強まって、「顔の見えない候補」への投票が増える傾向にある。

ケン先生の場合、地域代表を選出するタイプの小選挙区制は国会議員を選出するものとしては不適当であると断じているが、さすがに自治体選挙で同じことは言えない。
確かに自民党のような地域ボスを選出するタイプの選挙戦術が弱まっていることは、ある意味では好ましいと言えるわけだが、では「地域ボスでは無い自治体議員」像となると、どうなのかというイメージがいまだ見えてこないところがある。

私の知り合いにも何人か自治体議員がいて、みな職業政治家であるわけだが、自民党議員を除くと地域ボスではなく、では誰を代表しているかと言えば、主流は居住地近隣で後援会を組織して、政党票などを上積みするといった傾向の者が多いように見受けられる。
それはもちろんそれで良い。しかし、アメリカ・ヨーロッパの場合、居住地と社会階層がほぼ一体化しており、これが支持政党に直結してきたわけだが(今日では崩れてきている)、日本の場合、社会階層と支持政党が一致しておらず、「たまたま某党から出馬した者が、たまたま選挙が上手く、当選してしまう」ケースが非常に多い。
これは、自民、KM、NK党以外の政党が自前の組織を持たず、候補者の資質(いかに上手く後援会を組織できるか、いかに上手く選挙を演出できるか)に依存していることに起因している。

その結果、ある政党が流行すると、その勢いだけで何もせずに当選してしまう者と、自前の組織で当選したがために、政党の理念や政策に全く従わない者が続出するところとなっている。
自前の組織を持たない政党は、自前で候補者を育成できないため、「カネを自前で用意して議員になりたい者」を優先的に公認し、その結果、記事のような「居住実績の無い自治体議員」が誕生することになる。

さらに言えば、自治体議員選挙の投票率も低迷しており、都市部では「40%あればマシ」という状態になっていることも、ちょっとした人気のみで当選できてしまう素地をつくっている。
もっともデモクラシーの観点から言えば、「誰でも代議員になれる」状態は非常に好ましいわけだが、その結果、丸山某や小泉某が我が物顔で議員をやっていると考えると、やはりデモクラシーの黄昏を思わざるを得ない。

まぁ結論は無く、あくまで戯れ言の独り言である。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 憲法、政治思想、理念 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする