2019年10月03日

『Uボート ザ・シリーズ 深海の狼』

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西独ドラマ/映画の名作『Uボート』の続編が38年を経て制作された。



1981年のそれは3本のTVドラマと、それを編集してつくられた映画から成っているが、本作は8本編成のTVドラマとして作られ、制作費35億円が投入された。日本では今夏WOWOWで放送された。
ただ続編とは言え、前作と直接的な関係はなく、むしろ新作と言える。
1942年、ドイツ軍に占領されたフランスの港町ラ・ロシェル。ドイツ海軍史上に名を残す英雄の息子であるホフマン海軍大尉はUボート“U612”の艦長に昇進し、初めての出撃を迎える。しかしホフマンは、周囲から親の七光りで昇進したと見下されていると感じ苦悩する。
そんな“U612”に、急遽、通信兵として乗り込むことになった青年フランクは、ドイツ秘密国家警察の通訳になった姉シモーヌに、ある取引の代理を頼み封筒を渡す。中に入っていたのは回路図で、取引相手はドイツに抵抗するレジスタンスだった。基地から出航した“U612”の艦長ホフマンは、司令部から極秘任務を言い渡される……。

ストーリーはUボート側の視点(弟)と軍港側の視点(姉)から描かれ、それぞれ異なる物語が相関的に描かれる。構造的には名作『ジェネレーション・ウォー』に近いが、相変わらずドイツ人の作るドラマはリアルすぎて、見ているだけでMP(精神力)がゴリゴリ削られるイメージ。Uボートの話などは、敢えて爽快さを無くしている感じだし。
展開速度が速く、8時間分も見たとは思えないスピードだったが、いささかプロットを盛り込み過ぎで、展開に着いていくのが大変だ。ロシア・ドラマのように人間関係がわかりにくいということはないのは救いだが。

Uボートの描写は最新技術が駆使されたことで、一層リアリティが増しており、増している分だけ見ていて大変。
軍港における銃後の描写もリアルで、ドイツ海軍とゲシュタポとフランス警察とレジスタンスの関係が十二分に描かれている。ここは敢えて一つのドラマに入れる必要があったのか議論の余地が残りそうだし、いささか無理を感じるところもあるのだが、ゲシュタポが絶対悪として描かれていないところやアルザス人への差別など興味深いところが多いことも確かだ。

早速続編の制作も決定しており、楽しみにしたい。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | サブカル、音楽、アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする