2019年10月04日

小泉「性感」発言が意味するもの

【小泉環境相、初外遊先のニューヨークから帰国】
 小泉環境大臣が就任後、初の外遊先となるニューヨークから27日、帰国しました。
 小泉大臣は、国連気候行動サミットに出席するため、先週末からニューヨークを訪れていました。滞在中は各国の環境大臣や国際機関の代表者らと精力的に会談し、海洋プラスチックごみ問題などについて意見を交わしました。
 6日間の日程を終え、午後3時前、成田空港に到着した小泉大臣は・・・
Q.大臣一言ぶらさがり、よろしいですか
 「もうないです」(小泉進次郎 環境相)
 気候変動問題への対応について、「セクシーでなければ」と発言したことなどが注目された小泉大臣ですが、記者団の問いかけに応じることなく、空港を後にしました。
(9月27日、TBS)

海外出張から帰国しただけでTVニュースになってしまう環境大臣など、かつていなかったのではなかろうか。
その中身の無さは以前から定評があり、米国留学時代の彼を知る後輩からも彼のバカッぷりと遊びっぷりを聞いていただけに、驚くことは無いが、あっという間に大臣という点と、選挙区における圧倒的人気と全国的なアイドル扱い
には呆れさせられる。この辺も「中身の無さ」と「偶像的人気」が同居していたナチスあるいはヒトラーの時代を思わせるに十分だ。

「言語明瞭、意味不明」は昔から政界に存在する政治家のあり方の一つで、最も有名な竹下登首相は、消費税導入をめぐる国会論議の中で、
「元来私の答弁、よくぐるぐる回りすると言われるんでございますが、このいろいろぐるぐる回りながら到達したところは、非常に端的に皆さん方が大型間接税という言葉からくる懸念というものは、結局ぐるぐる回りしてみますと、ああいうものではないかと」

と答弁、「言語明瞭、意味不明」の名を永遠のものにした。
個人的には、帝国国策遂行要領決定時に杉山元(はじめ)参謀総長の昭和帝に対する奉答が気に入っている。

「もし日米開戦となった場合、どのくらいで作戦を完遂する見込みカ?」と対米戦の見込みを問う昭和帝に対し、杉山は「太平洋方面は3ヶ月で作戦を終了する見込みでございます」と返答。帝は少々色を成して「汝は支那事変勃発当時の陸相である。あのとき事変は2ヶ月程度で片付くと私にむかって申したのに、支那事変は4年たった今になっても終わっていないではないカ」と問いつめた。すると、杉山は「支那は奥地が広うございまして、予定通り作戦がいかなかったのであります」と言い訳、帝は「支那の奥地が広いというなら太平洋はなお広いではないか。いったいいかなる成算があって3ヵ月と言うのカ?」と一喝したという。
(「カ」をカタカナにしているのは昭和帝の疑問形の発音が少々特殊らしいことを再現している)

ここからうかがえることは、日本型組織では無能ながら弁だけは立つものをトップに置きたがる傾向があるということだ。ただ、彼らは単なる無能では無く、相応の特殊能力を持っており、それを武器にしてのし上がっていることも確かだ。
竹下は、出会った政治家や官僚の顔と名前を全て記憶するだけでなく、その妻子の名まで調べて記憶し、(夫すら忘れている)妻の誕生日には必ず贈り物が届けられたという。官僚にしても、突然「今年はお子さんが大学受験で大変でしょう」などと話を振られ、感動する者と恐怖する者に二分されたと言われる。
杉山は、恐ろしく事務処理と調整能力が高く、「軍内の面倒ごとは杉山にやらせておけば大丈夫」的なポジションにあり、同時に恐ろしいメモ魔で全てのことをメモしていたため、いつの間にか上層部全員の弱みが握られていた感じらしい。陸軍三長官を全て担ったのは杉山の他に上原勇作しかいない。
この杉山の「同僚」だった海軍の永野修身軍令部総長も同様で、会議中は常に居眠りしていると言われたほどだが、発言順が回ってくると、必ず自ら起きて「それっぽい(でも中身は無い)」ことを述べて、また寝るということを繰り返していたという。対米戦争をしようという時期の日本軍の司令塔である。
この手の連中をトップに据えておけば、下は楽なもので、好き勝手できるのかもしれない。

もう一つの問題点は、現代の「コミュニケーション重視」教育の弊害であろう。
英語の授業では、言うべき内容も教えずに、ひたすら「英会話」の練習ばかり繰り返し、企業は企業で定義不明な「コミュニケーション能力」を求めてきた結果であろう。連中の求めるコミュニケーション能力とは、相当部分が「上司をヨイショする」「上司のゴルフに付き合う」「上司にお酌する」レベルの話で、会社経営とは何の関係も無いスキルだと考えられる。
件の小泉氏も、同時期に留学していた者の話では、勉強しているところなど見たことが無く、本すら読んでいないようだが、中身の無い会話スキルだけは異様に高く、付き合いの広さだけは凄かったらしい。どちらかと言えば、(芸能人では無く)芸人向きの才能であろう。

「青年宰相」と言われた近衛文麿もまた同系列の人間なので、人材が払底する自民党にあって、小泉氏も個人的人気だけで総理に上り詰める可能性はゼロでは無い。もっとも、史上最年少総理は初代の伊藤博文だが、伊藤は軽いところがあったことも確かだが、決して同列にはできない。
いずれにせよ、一応とは言え選んでいるのは有権者であり、自己責任の範疇であろう。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする