2019年10月08日

議事録の意味ない議事録

【会長注意、議事録に残さず=番組介入の批判意識か−NHK経営委】
 日本郵政傘下のかんぽ生命保険の不適切販売問題を報道した昨年4月のNHK番組をめぐり、日本郵政側の抗議を受け、NHK経営委員会が上田良一会長を厳重注意した問題で、経営委が公開している議事録にこの事実を記載していないことが30日、分かった。放送法が禁じる経営委による個別番組への介入と批判されることを恐れ、非公開の扱いで注意した可能性がある。
 放送法は経営委委員長(石原進JR九州相談役)に議事録の作成と公表を義務付けている。ただ、公表対象は経営委の裁量に委ねられており、公表基準は公開されていない。
 経営委は、不適切販売を報じた番組の関連動画について日本郵政側が「犯罪的営業を組織ぐるみでやっている印象を与える」と抗議したことに対し、番組関係者が「制作の責任は会長にない」と説明したことを問題視。昨年10月23日、上田氏に「ガバナンス(企業統治)体制の強化」を求めて厳重注意した。NHKは当初予定していた続編の放送を見送っており、郵政側の抗議が影響した可能性が指摘されている。
(9月30日、時事通信)

議事録というのは、言うまでも無く、ある組織の意志決定過程を明確にし、後日検証できるようにした上で、組織改善と歴史検証の基礎資料とするために存在する。同時に、組織的ミスが発生した場合、責任を追及するための資料にもなる。

本ブログでも例えば「ソ連は何故ポーランドに軍事介入しなかったのか」では、各政治家の手記、回顧録と党機関の議事録を参照しつつ、「誰が何を言っているか」あるいは「言っていないか」を確認している(ただし私は二次資料を使っている)。特にポーランドの政治家の回顧録とソ連・ポーランドの党公式記録には大きな隔たりが確認されるわけだが、そこは両論併記の上で、読者の判断に委ねている。これが歴史検証だ。

しかし、日本の場合、政府の最高意思決定機関である閣議では議事録は採っておらず、政府機関の多くも「議事概要」を記すだけで、まともに議事録を残しているところは非常に少ない。
NHKのような準公的機関で、行政のコントロール下に置かれている組織の場合、政治介入があったかどうか、どのような介入があったのか、後日確認できる資料が必ず必要になる。それが無ければ、検証できず、NHKの公平中立性を担保できないからだ。同時に、議事録に残るからこそ、安易な介入ができなくなっているという、抑止力にもなっている。いわば、腐敗防止機能が効力を発揮しないよう、自分たちでシステムを曲げているのだ。

天皇を頂点とする無責任体制が再び日本をドン底に突き落とそうとしている。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする