2019年11月30日

さらに加速する権威主義

【ウィーン芸術展、公認撤回 原発事故や政権批判を問題視か】
 日本とオーストリア国交150年の記念事業として同国の首都ウィーンで日本の芸術家らの作品を展示していた「ジャパン・アンリミテッド」について、在オーストリア日本大使館は5日までに公認を取り消した。東京電力福島第1原発事故や安倍政権を批判的に扱った作品などが問題視されたとみられる。
 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」に参加していたグループも出展。放射線防護服に日の丸の形に浮かんだ血が流れ落ちるようなオブジェや、安倍晋三首相に扮した人物が韓国、中国に謝罪する動画も展示されていた。昭和天皇を風刺する作品もあった。
(11月6日、共同通信)

こういうものは一度やり始めると、加速させることはあっても、止めることは至難となる。
そもそも「表現の不自由展」なる名称が付けられる時点で、いかに現在の日本で表現の自由が脅かされているか、少なくともその危機を覚える人が相当数いることを示している。
そして、「表現の不自由」が象徴するものは、歴史問題であったり、政権批判であることは、それがタブーとなっていることを意味する。より具体的に言えば、大日本帝国が行ったネガティブな行為を暴露し、批判すること、そして安倍政権や現行政府を批判すること、その中には東京電力のようなものまで入っている。

差別のように言動そのものが公共の福祉や公共善に反するものは、表現の自由の対象にならないことは、概ね国際的合意がなされており、日本政府も一応肯定はしているものの、現実には野放しになっており、「差別の意図はなかった」と声明すれば許されるのが一般的だ。

しかし、この間の問題は歴史問題や体制批判が対象となっている。
これを権力が咎め始めると、止めるのは難しいだろう。「何が問題なのか」「誰が決めるのか」「法律上の根拠」といったものが、全て境界線が失われるからだ。
これは、戦前の治安維持法が当初は共産党を弾圧する法律だったものが、恣意的に解釈される中で対象者を拡大させ、最後は自由主義者、宗教家、反戦・平和主義者などにまで適用されていったことに象徴される。
現時点では「助成金を出さない」「後援を止める」程度で済んでいるが、遠からずその手段は過激化していくことだろう。

私も今のところは一時帰国が黙認されているが、いつ拘束され、パスポートを取り上げられるかわからない。
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2019年11月29日

野党の攻撃箇所はそこじゃない

【英語民間試験 下村氏「東大に活用するよう指導を」党内会議で】
 今月導入が延期された英語の民間試験について、東京大学は去年4月、それまでの慎重な姿勢を転換し、活用へとかじを切りました。
 今回、NHKは、その直前に開かれた自民党の会議の音声データを入手しました。そこでは大臣経験者が、東京大学に民間試験を活用するよう、文部科学省に指導を求める発言などをしていたことが分かりました。専門家は「大学が萎縮する発言だ」と指摘しています。これについて、東京大学は外部からの影響はなかったとしているほか、大臣経験者は「発言は当たり前で議院内閣制の意味も無くなる」と話しています。
大学入学共通テストの英語の民間試験について、文部科学省は今月、導入の延期を決めましたが、その決定過程などが不透明だと批判されています。
 NHKは、去年4月13日に開かれた自民党の教育再生実行本部の音声データを入手しました。この会合には、自民党の国会議員に加えて、文部科学省の幹部や、大学の関係者なども呼ばれ、英語の民間試験をテーマに意見が交わされました。
 当時、文部科学省は、民間試験を大学入学共通テストに導入すると公表していましたが、多くの大学はそれを活用するか、態度を表明せず、東京大学が去年3月に、現時点では入試に活用することは拙速だと会見で表明したことが注目を集めました。会合では、主査を務めた遠藤利明元オリンピック・パラリンピック担当大臣が、東京大学の五神真学長らが訪ねてきて、会見の内容を説明したと報告しています。
 さらに、下村博文元文部科学大臣が、東京大学の名前を挙げて、「間違ったメッセージを国民や他大学に対して、与えている。文部科学省は、よく東大に指導していただきたい」などと発言していました。東京大学は会合の2週間後に、民間試験の活用を検討すると方針を転換しました。大学入試の方法や内容は、憲法が保障する学問の自由に基づいて、大学の権限で、決めることになっています。取材に対して、東京大学は、「文部科学省や政治家からの指導や問い合わせはありません」と回答しました。
(11月19日、NHKより抜粋)

立民がダメだ(先がない)と思うのは、「桜を見る会」や前夜祭のようなブーメランにしかならないテーマにばかり食いついて、腐敗の本丸を見逃してしまう点にある。腐敗の根がより深く、より市民に実害を与えているのは、文科利権の方であり、さらには日米貿易交渉や在日米軍駐留費問題であろう。

ゲーマーに喩えるなら、全く筋違いのところを攻撃して時間と資源を食い潰してしまう下手を打っている有様だ。
素人ゲーマーは、マップ上の見た目や勝利得点の高さ、あるいは単純に攻撃しやすい場所であることなどにつられて、長期的視点を欠いた攻撃をしてしまうことが多いが、立民はまさにそれだろう。
桜を見る会などはせいぜいが助攻の対象であって、主攻勢軸はあくまでも文科省と公文書管理に絞るべきだ。そして助攻はゲリラ戦を得意とするNK党に任せるべきだろう。

そもそも園遊会や桜を見る会は、「権力への近さ」を競争させ、誇らせ、権力の藩屏を構築するための手段であり、存在自体が封建的あるいは権威主義的なものであって、自由、平等、公正の原則に反するものだ。本来は憲法原理に照らし合わせて、全て廃止するくらいの主張をしなければ、憲法原理を理解しているとは言えないだろう。安倍総理は道具の使い方がまずかっただけで、本来はその道具そのものが「悪」なのだ。

こういう点でも前の前のボスは本当に偉かったと思うが、まともな人ほど政治から遠ざかってしまう現状は本当に末期的だと思う。
同時に派手な獲物に食らいついて全体が見えなくなっている野党もまた未来が無いと言えるだろう。
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2019年11月28日

神童の子は神童にあらず

少し前の週刊文春の記事に「灘高校1979年卒の神童は、大人になってどうなったのか?」というものを発見、面白く読ませてもらったが、「灘校卒、東大現役合格」というだけで神童扱いか!
1979年でも。だとすると、1963年新宿高校卒、東大理三に現役合格した母は、何と呼ばれるべきか。恐ろしいのは、「なぜ東大を受けたの?」という質問に対して、「先生に言われたから」で終わってしまったことだ。
もともと医学部か法学部志望で、それは「女性でも自立した仕事ができる」という当時ならではのものではあった。しかし、そこで医学部になったのは理系科目に強いからで、国立になったのは苦手科目がなかったからということらしい。

当時理三合格者100人の内、女性は3人で、現役は母一人だった。
新宿高校同期には、池辺晋一郎、蟹江敬三、紺谷典子がいて、先輩は中村敦夫、岩佐恵美、梅澤忠雄、後輩には緒方靖夫、長谷川三千子、小林節といったラインナップ。代々木が近いせいか、上田兄弟を含めて共産党議員の輩出率が恐ろしく高い。灘校ほどじゃなくても、十分イケると思うのだが。。。

いずれにせよ東大出の母を持つ子は大変です、特に自分の出来が悪いだけに(笑)
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2019年11月27日

アメリカ人が偉いと思うワケ

帰還兵ら、米軍のアフガン撤退を訴え(The New York Times)

アメリカ人の偉いところはこうしたことを堂々と発言し、大手メディアが報道するところにある。
それは当然限界があるのだが、少なくとも試みがなされる時点で、あらゆゆ不正が放置されてしまう日本とは大きく異なると言える。

ソ連が最大15万から17万人、アメリカが最大14万人を投入して制圧できないアフガニスタンは覇権国にとっての鬼門とも言える。しかも、殆どの人にとって不幸しかなく、喜ぶのは軍需産業だけだろう。

ラビリンス」や「A Distant Plain」をプレイしてみれば、何の益もないことは良くわかると思うのだが。。。
posted by ケン at 12:00| Comment(5) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月26日

薬の出し過ぎ問題

【医療機関 かぜ患者の30%余に効果がない抗菌薬を処方】
 かぜで医療機関を受診した患者に対して、実際には効果がない抗生物質などの抗菌薬が30%余りの人に処方され、処方される割合は地域によって20ポイントを超える差があることが、全国健康保険協会の調査で明らかになりました。 抗菌薬は細菌には効果がある一方で、ウイルスが原因のかぜやインフルエンザなどには効かず、不必要な処方が薬が効かない耐性菌を増やすことにつながっているとして、国は抗菌薬を適正に使用するよう求めています。中小企業の健康保険を運営する全国健康保険協会は、およそ4000万人の加入者の診療報酬明細書を分析し、「急性上気道炎」、いわゆる「かぜ」の患者に対してどれだけ抗菌薬が処方されているか調べました。その結果、処方された割合は昨年度は31.4%と、43.6%だった2015年度よりは12ポイント余り減っていましたが、依然不必要な処方が多いことが明らかになりました。
 また、都道府県別のデータがある2017年度で分析すると、処方の割合が最も低かった福井県は26.6%でしたが、最も高かった奈良県は48.9%で、20ポイントを超える差がありました。結果について全国健康保険協会は「かぜに対して抗菌薬が使われる割合は依然多く、地域によって大きな差があることが明らかになった。耐性菌の出現を減らし健康を守るためにも、抗菌薬の適切な使用を促していきたい」と話しています。
(10月28日、NHK)

そもそも風邪で医者に行くこと自体が無駄で、むしろ他者にうつしたり、自分が別の病気をうつされたりするという点で、むしろ害悪の方が大きい。風邪に対してできるのは、栄養を取って、暖かくして、安静にすることだけだ。医療技術は関係ない。

しかし、医者の方は患者に来てもらわないと儲からないし、来たからには薬の一つも出さないと「ヤブ」扱いされるし、自分も儲からないので、「何でもいいからだしとく」ということにしかならない。

将来的には一次診断はAIに任せ、人間が診療するのは二次以降(AIの診断後)ということになるのだろうが、もう少し時間がかかりそうだし、それで人が納得するのか疑問もある。まぁそこは人間による一次診断の料金を高く設定すれば良いだけだが。
逆を言えば、人間が診察するから「不正」「無駄遣い」が横行するわけで、「不正・無駄撲滅」という立場に立てば、医療業界へのAI導入を加速すべきなのだ。

いずれにせよ、高齢者が増えれば、風邪などの患者も増えるのが道理(免疫力が低下するから)であり、医療費のさらなる高騰は不可避の情勢だ。早急に手を打つ必要がある。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 財政、社会保障 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月25日

4年間で4度の総選挙をやったスペインだが・・・・・・

【スペイン、極右政党が第3党に 再選挙、左派が首位維持】
 スペインで4月に続き今年2度目となる総選挙が10日行われ、即日開票の結果、下院(定数350)では、北東部カタルーニャ自治州の独立問題で強硬姿勢を示す極右政党ボックス(VOX)が52議席を獲得、前回の24議席から2倍超に増加させ第3党に躍進した。前回下院に初進出したVOXは、国内での政治基盤を一層強化した。
 第1党は、サンチェス首相率いる穏健左派の社会労働党(PSOE)が維持したが、議席を120(前回123)に減らし過半数がさらに遠のいた。2015年以降、総選挙を4度も行った政治の不安定さが解消するめどは立たないままだ。
(11月11日、共同通信)

正確な数字は確認できなかったが、スペイン社会労働党の得票率は約30%、VOXの得票率は15%程度の模様。
一方、今年七月に行われた日本の参院選挙(比例代表)における自民党の得票率は34%、日本維新の会の得票率は8%だった。得票率が直接議席に反映されるスペインと、必ずしも得票率が議席に反映されない日本との、制度上の違いが原因だ。

比例代表に重きを置く欧州大陸諸国では、過半数を得る政党が現れず、どうしても連立交渉が難航する傾向が強くなる。特に南欧において顕著だ。
比例代表を重視するスタンスは、民意の議席反映度を重視する姿勢を示しており、民主主義を重要視する姿勢が強いことを意味する。これに対して、小選挙区制度のように「勝者総取り」に重点を置く制度の場合、民意の反映より意思決定の迅速性を重視する姿勢が強いことを意味する。

両制度を併用する日本はその中間にあるわけで、一見圧倒的な強さを誇る自民党もKM党の支援無くしては連立を維持できない程度の強さしかない。もちろん野党が弱すぎるところにも助けられているのだが。
また、日本の場合、有権者の半数が投票しないため、利権に直結して税金を分配する立場にある政権党がどうしても強くなるという面もある。

選挙は民意を反映させる重要な手段であるが、選挙を行えば行うほど議会の権威と政治的信頼が低下するという欠点もある。
いずれにしても、自由主義諸国において「民意の分裂」が加速していると言えよう。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | ロシア、中国、国際関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月23日

いよいよ始まった学徒動員

【中学高校にボランティア参加人数を割りふり 東京五輪・パラ】
 強制ではないということですが、果たしてボランティアといえるのでしょうか。
 来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都は、ボランティア体験を希望する中学生と高校生を募集していますが、実際は具体的な人数が学校ごとに割りふられ、学校によっては半ば強制的に参加を求められていることがわかりました。専門家は「ボランティアに大事なのは、自発性だ」と批判しています。
 東京オリンピック・パラリンピックの期間中は「大会ボランティア」や、「都市ボランティア」として、合わせて10万人を超えるボランティアが活動します。
 こうした中、東京都は町なかで観光案内などをするボランティア体験として、都内の中学2年生から高校3年生を、およそ6000人募集する計画を立てています。
 これについて都の教育委員会は、あくまで任意の参加と説明していますが、実際は中学校の場合、5人の生徒と引率する教員1人が割りふられていて、学校によっては半ば強制的に参加を求められていたことが関係者への取材でわかりました。
(中略)
 取材に応じた都内の教員が勤める学校は、先月、校長から「区内の校長が集まる場で都教委が指定した人数を必ず出すように通達された」と説明を受けたということです。
 その場で、教員からは「必ず出すというのでは、ボランティアの趣旨に反するのではないか」といった意見が出されたということですが、すでに校長会の決定事項だとして生徒5人をボランティアとして出すことを決めたということです。
 この教員は「興味がある生徒が参加するのはとても貴重な経験なので、活動自体は否定しません。ただし、それが強制的となると趣旨は変わると思います。このやり方だと無償で使える人間を効率的に集めるために学校が使われていると感じ、動員じゃないかという疑念が拭えません」と話していました。
(後略)
(11月13日、NHKより抜粋)

JOCは五輪ボランティアについて、「定員の2倍を上回る約24万人の応募があった」と発表しているが、それが正しければ子どもを動員する必要などないだろう。つまり、虚偽発表の疑いがある。
そして、「強制ではない」と言いつつ、学校や教員ごとにノルマが課されているとか、もはや旧軍の特攻や学徒動員などと同じ構造ではないか。
さすが明治帝政後継の面目躍如と言ったところか。新帝即位に際し、朗報と言えようか。

普通にボランティアを求めるなら、通常の募集に際し、学生枠を設けて配慮すれば十分だったはずであり、それを別枠にして上意下達で徴集するとなれば、それはすでに志願制ではなく、強制徴用或いは動員である。

JOCと日本政府はいよいよ成人だけでは戦力と労働力が足りなくなり、中高生の動員まで開始した。
東京五輪は始まる前から末期戦の様相を呈している。

一刻も早い明治帝政の終焉が望まれる。そうなれば、ケン先生も安心して帰国できるのだが。
posted by ケン at 12:00| Comment(4) | 政治、社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする