2020年01月15日

イラク議会が米軍撤退を要求

【イラク議会、米軍撤退を要求 イラン司令官殺害で】
 イラク議会は5日、イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官がバグダッドで米軍の空爆により殺害されたことを受け、米軍主体の対テロ有志連合を撤退させることを政府に求める決議を採択した。決議は「米軍を含むすべての外国軍」の退去を求めている。イランの部隊についての扱いは不透明だ。
 議会のハルブシ議長は「有志連合に対するIS(過激派組織『イスラム国』)掃討支援要請を破棄するよう政府に求める表決を行った」と述べた。これに対し、米国務省のオルタガス報道官は声明で、決議に「失望している」と表明。有志連合の駐留継続の重要性について再考を求めると述べ、決定を見直すよう要請した。
 イラク各地の基地には米軍約5200人が駐留。米軍を中心とする有志連合は2014年、イラク政府の要請により駐留を開始した。
(1月6日、時事通信)

同決議案をめぐっては、撤退を要求するシーア派と慎重なスンニ派が対立するのかと思われたが、意外とすんなり「全ての外国軍の撤退」ということでまとまった模様。ここで対立すれば、そのまま内戦に突入してしまう恐れが強かっただけに、まずは回避された格好。
とはいえ、アメリカの傀儡議会が「飼い主に噛みつく」ことにかわりはなく、アメリカもすんなり「はいそうですか」と言うわけも無く、今度は「傀儡議会 vs.占領軍」という構図に移っていくことになる。

GMT「ラビリンス」(確か拡張セット)はこうした可能性もきちんとシミュレート(イベントカード化)しており、驚くほど再現性が高い。


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2020年01月14日

正当化の余地が無いのは誰か?

【森法相、ゴーン被告逃亡に初の公式コメント 「正当化される余地はない」】
 森雅子法相は5日、保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告に関し初めて公式コメントを発表し、同被告が「不正な手段」を用いて「不法」に出国したとみられると説明した。森氏は、「わが国の刑事司法制度は、個人の基本的人権を保障しつつ、事案の真相を明らかにするために適正な手続きを定めて適正に運用されており、保釈中の被告人の逃亡が正当化される余地はない」と指摘。
 さらに、「ゴーン被告が日本を出国した旨の記録はないことが判明しており、何らかの不正な手段を用いて不法に出国したものと考えられる」とし、こうした事態に至ったことは「誠に遺憾」だと述べた。森氏はコメントの中で、ゴーン被告の保釈が取り消され、日本が国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)に要請した同被告に対する「赤手配書」が出されたことを認めた。
(1月5日、AFP)

相変わらず出来の悪いジャパニーズ・ジョークである。
法相が言う「正当化される余地はない」のは、果たしてゴーン氏なのか日本の司法制度なのか。

「わが国の刑事司法制度は、個人の基本的人権を保障し」

と強弁しているが、そもそもゴーン氏が逃げ出したのは「基本的人権が保障されないから」との理由だったはず。
ゴーン氏の場合は、(入手手段は別にして)巨額の資金と特異な人脈を駆使して日本の司法地獄から抜け出すことに成功したが、それ以外の人間は「中世並みの」「基本的人権が保障されない」「不公正な」司法によって日々、有無を言わさずに裁かれているのだ。
現在の日本司法は、大逆事件から横浜事件に至る無数の罪なき社会主義者を不法に虐殺してきた明治帝政の後継であり(一切反省ない)、それは「天皇を頂点とするヒエラルキー」を護持するための装置であって、市民や国民を守るためのものではない。それは例えば、

・連続23日間拘束可能
・1日最低6時間、上限は無限の尋問(同じことを「自白」するまで何万回でも聞かれる)
・自白しなければ何度でも延長可能
・弁護士との接見は非常に限定的
・証拠は原則不開示

だけを挙げるだけで十分だろう。また、「和歌山カレー事件」に象徴されるように、科学的証拠なくしても平気で死刑判決が下されるという点でも、恐ろしく中世的な司法体系を有している。
そこで検察との「取引」(多くの場合、「協力者」になること)に応じれば起訴されないが、これを拒否すれば起訴されて、有罪率99.8〜99.9%の裁判にかけられることになる。
政治との癒着も深刻で、政権や官邸あるいは天皇に近いものは、そもそも起訴されずに終わり、その記録は全て廃棄され、「無かった」ことにされる。

日本の司法について言えるのは、せいぜい「北朝鮮や中国よりはマシ」という程度だろう。
だからこそ、政府関係者と政府支持者(昔のナチ党員のようなもの)以外は概ね沈黙を守り、「結局カネと権力か」という絶望に打ちひしがれて、ますます厭世的になっていくのである。
これは安倍政権の問題ではなく、昭和帝政の問題なのだ。
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2020年01月13日

ストを支持して抵抗するフランスのダンサー

【仏政府、スト支持のオペラ座ダンサーらに譲歩案 年金改革】
ランスの年金制度改革案に抗議する大規模なストライキで国内の交通機関がまひする中、ストへの支持を表明しようとパリのオペラ座前でバレエを披露したダンサーらに対し、仏政府が譲歩案を示した。仏経済紙レゼコー(Les Echos)が28日、報じた。
 レゼコーによると、同国のフランク・リーステール(Franck Riester)文化相と、年金制度改革案の計画を率いるローラン・ピエトラシェフスキ(Laurent Pietraszewski)連帯・保健大臣付 年金担当副大臣は、オペラ座の代表者に書簡を送った。
 AFPが内容を確認した12月23日付の書簡でリーステール氏とピエトラシェフスキ氏は、年金制度改革案が2022年1月1日以降に雇用されたダンサーらに対してのみ適用されるとする案を提示。また退職するダンサーに、職業転換プログラムを提案した。
 定年が一般よりも早いオペラ座のダンサーに関しては、42歳で退職することが可能な特例年金制度がある。この制度は1698年にルイ14世(King Louis XIV)が導入したもので、フランス最古の年金制度の一つだ。
 パリのオペラ座前では24日、ストライキへの支持を表明しようとバレエダンサーたちが「白鳥の湖(Swan Lake)」の一幕を披露。この様子を撮影した映像は今週、瞬く間に拡散された。
 政府は、フランスで最も名高い国立劇団コメディ・フランセーズ(Comedie Francaise)にも書簡を送り、同劇団とオペラ座の代表者らは、来年初めの協議に招待された。
 オペラ座に所属するダンサーらや、コメディ・フランセーズの俳優らはすでに、ストライキの一環として公演をキャンセルしている。
 オペラ座が公開したデータによると、ダンサーのストライキだけで800万ユーロ(約10億円)を超える経済的損失が出ている。
(12月29日、AFP)

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ストライキを支持してイベントを打ち、自らも公演をキャンセル(実質スト)を演じるフランスのダンサー。
やはり階級意識のなせる業だろう。
「資本と国家が一体化して、労働者の諸権利を剥奪、収奪しようとしている」という認識があるからこそ、業種を超えて労働者が連帯し、自らも立ち上がるのだ。

日本では階級意識そのものが失われ、ストライキはおろか労働運動そのものが否定的に理解されている。
その結果、6000万人からの労働者は「労働者」としての意識を持たず、一方的に資本によって収奪され、政府によって諸権利を奪われる立場に堕している。
いわゆる先進国において日本だけが相対的に賃金が低下しているのは、その証左だろう。
他方、政府や自民党は、国民に階級意識を持たせないために、国家主義と民族主義を称揚し、東京五輪などをもって盛り上げようとしている。
本来であれば、左翼政党が階級意識の啓蒙に努め、危機意識を持つように善導する役目を担うわけだが、旧式左翼は全くその役割を果たしていない。

フランスの場合、共産党のような前衛的指導政党がほぼ存在せず、社会党もエリート化して階級政党としては全く機能しなくなっているにもかかわらず、個人レベルで階級意識が強く残っているところが、日本と全く異なるところであり、フランスのフランスたる所以であろう。
だからこそ、収拾がつかなくなっているわけだが、それを健全とみるか、アナーキーとみるかは価値観の違いである。









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2020年01月11日

ソレイマニ司令官殺害で中東に火の手?

【トランプ氏、イラン政府転覆の意図否定 司令官殺害で声明】
 ドナルド・トランプ米大統領は3日、米軍の空爆により死亡したイラン革命防衛隊の精鋭部隊「コッズ部隊」のガセム・ソレイマニ司令官について、米外交官を攻撃しようとしていたところを殺害されたと表明した一方で、米国はイラン政府転覆を画策してはいないと強調した。
 トランプ氏はフロリダ州で報道陣を前に声明を読み上げ、「ソレイマニは、米外交官・軍人に対して差し迫った邪悪な攻撃を画策していたが、われわれはその現場を押さえ、彼を殺害した」と述べた。ただ、トランプ氏はソレイマニ司令官を「病的」と非難した一方で、イランとの戦争は望んでいないと強調し、緊張の緩和を試みた。トランプ氏は「われわれは昨夜、戦争を止める措置を取った。戦争を始める措置ではない」と説明。「われわれは政権交代を求めてはいない」と述べた。
(1月4日、AFP)

「テロリストのリーダーを殺害しただけで、体制転換までやる予定はない」とか、完全にGMT「ラビリンス」の世界である。
「ラビリンス」では、ジハーディスト勢力の伸張を抑え、時には軍事力を用いて武力行使しつつ、中東の政治的安定を実現することが、USの勝利目標となる。実際には、武力行使と支援活動(民生安定)はトレードオフの関係にあり、米軍がどれだけ頑張って「お掃除」しても、それだけでは勝てない。
一方、ジハーディストは「中東がダメなら、アフリカもあるし、フィリピンもあるし」「ヨーロッパでテロやって一儲けしておくか」など、手段はいくらでもあって、大して痛くない。アメリカばかりが「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と胃が痛くなるゲームなのだ。

実際の展開は、ゲームほどにはジハーディストに有利な展開になっていないものの、「アメリカが全然勝てていない」情勢にあることだけは間違いない。
事実、ビン=ラディン師もバグダーディー師も米軍によって殺害されたものの、その効果は一時的、限定的なものでしかなく、アメリカの勝利に貢献していない。

他方、ゲームプレイヤーとしてUSを見た場合、大統領はどうしても国内向けに宣伝できる「明確な成果」が欲しくなる。特にトランプ氏の場合、再選の選挙を控えており、「ポイント」を稼いでおきたい気持ちがどうしても強くなるだろう。人間が政治をやっている以上、避けられない話だ。そして、「最も低コストで最も効果が高い」方法が、今回の無人機による現地司令官殺害だったのだろう。
とはいえ、無人機によるテロリスト攻撃を最も好んだのは、オバマ前大統領だと言われており、その頻度は凄まじく高かったとされる。彼らにとっては「自軍兵士を危険にさらさずに、ポイントだけ稼げる効率的な方法」なのだ。

イランの自重した「報復」により、破滅的な結末は避けられたものの、イラクや中東におけるアメリカの地位はむしろ悪化していくと考えられる。アメリカは一時的なポイントは稼いだものの、全体情勢は一層不利になっていきそうな感じだ。
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2020年01月10日

ゴーン問題の根は明治帝政から〜蟹工船英訳者の場合

堀邦雄「英訳された『蟹工船』」などによると、

旧制一高の英語教師だったW・ビカートンは、1933年に小林多喜二『蟹工船』を英訳、米英で出版した後、1934年3月に特高に逮捕される。その容疑は、日本共産党に対する資金援助(カンパ)と同党文書の英訳・宣伝などの協力を行った旨の治安維持法違反だった。
ビカートンは、拘置所の中で、日本人党員よりはマシなものの、欧米基準では非人道的な接遇と暴力を受けた。一か月の拘留後、英領事館の奔走によって保釈金200円(当時の小学校教員の月給は40〜60円)が納められ、保釈。そのまま英当局の手引きで国外に脱出し、イギリスに帰国したという。帰国したビカートンは、英紙に日本当局による拷問の数々を発表(“Third Degree in Japan”)、英国内で一大センセーションを引き起こした。
なお、ビカートンは党へのカンパやソ連、欧州への渡航などについては供述したものの、他の党員が不利になるようなことは一切言わなかったという。

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要は明治帝政の本質は、GHQ改革=通称「民主化」を経ても大きくは変化しなかったのである。
NK党は改めてビカートンを表彰した上で、戦後帝政に対する積極的闘争を再開すべきであろう。

ゴーンは労働者から収奪したカネをもってPMCを雇って、日本の暗黒司法からの離脱を図ったが、ビカートンはコミンテルンやその協力者の支援(当時は米英ともに共産党の力が強く、政府内にも協力者がいた)を得て脱出することができた。この違いは、21世紀のさらなる暗黒を示唆しているのかもしれない。
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2020年01月09日

GMT Stalingrad '42を初プレイ

GMT社の新作「Stalingrad '42」を初プレイ。
いまや中国にいても、日本と同じくらいの早さで外国ゲームが到着するので、殆ど時間差を感じない。
とはいえ、自分の場合は日本語ルールがあるのですぐにプレイできるわけだが。
中国語訳の方はまだできていないようで、日本同様、有志による翻訳が進められているという。
本作の場合は、Ardennes '44やHolland '44の系譜を引く、シモニッチ・システムなので、基本的なところは変わらない。とはいえ、逆に「違うところ」に気をつける必要があるわけだが。
今回も色々細かいルールがあるので、注意しながら進める必要がある。

基本的には、移動、戦闘、回復、補給チェックのシークエンスだが、戦闘結果によって突破が生じると、1スタックだけ戦闘後前進の後に突破戦闘が行える。「俺を踏み台に〜〜」という声が聞こえてきそうだ。

マップはフルマップ2枚に変形マップ1枚というビッグゲーム並の大きさ。
1へクスは16kmでユニットは大隊〜師団。
マップは大きいが、キャンペーン用なので、ブラウ作戦やウラヌス作戦のシナリオなら1枚で済む。
キャンペーンだと1942年6月末から冬まで30ターン以上あり、数日かかるだろう。

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「キャンペーンは無理だよ」とケン先生がたしなめるも、若者たちは「是非並べてみたい!」とのことで、全マップ繋げてプレイすることに。
「ワシはダメだと言って居るのだが、若い者たちがどうしてもと言ってきかんのでな」
という昭和軍部の幹部の気持ちはこんな感じだったかもしれない(笑)

案の定、ソ連側は手が届かず、両軍とも同じ側に座ってプレイすることに。
ケン先生がドイツ軍を担当し、Xさんと広東から遊びに来たという学生さんがソ連軍を担当する。

Holland '44は特に顕著だったが、シモニッチ・システムは下手が攻撃側を担当すると、何も起きずに終わってしまいがちなので、特に初手は頭をフル回転させて、パズルチックに考える必要がある。
ブラウ作戦の場合、ソ連軍の初期の陣容もそれなりに揃っているため、確実に初期段階で包囲殲滅しないと、すぐに手が詰まってしまう恐れがあるためだ。
南部は特に固いため、平押しにしかならず、北部での突破にかかっているが、北部は北部でソ連軍の戦車部隊が充実しており、その予備戦力をできるだけ早く捕捉、包囲するようにしたい。

今回もまたぞろ6月末から始まり、400〜500kmも進撃、「8月中にはスターリングラードに突入せよ」との総統閣下のご命令である。毎度ながら「だったら、もっと早く始めろよ!」と言いたくなってしまう。

ドイツ軍の第一撃は、まずまずのダイス目が出て、各所に穴を開け、北部では装甲師団が進出して穴を広げることに成功した。
ソ連軍は北部を若い学生が担当、若者らしく「全部守ろう」として予備戦力をつぎ込んで反撃まで行うも、ドイツ軍にわずかな損害を与えたのみで、予備戦力が次々と包囲されていく展開。史実では一年前に失敗した展開だ。

南部も穴はあいたが、すぐに防げる程度なので、ソ連プレイヤー二人は「結構頑張れるんじゃね?」と思ったようで、部隊を全て前線につぎ込んでいる。
確かに防御力は総じて高いのだが、ドイツ軍は砲兵と航空の支援でシフトしてくるので、全てを守ることは不可能なのだ。結果、第二ターンでも突破が起こり、ソ連軍は次々と包囲されていく。
第三ターンには、北部にでかい「ポケット」ができてしまい、第四ターンまでに40ユニット近くが除去され、ソ連側は動かせるユニットが殆どいなくなってしまう展開になり、投了。
1ターン=1週間なので、いくら何でも早すぎる展開だ。

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四ターン終了時のロストフ周辺

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スターリングラード正面に敵影無し!

最近の作戦級のゲームにはありがちなのだが、防御側は頑張りすぎると、攻撃側によって文字通り「一網打尽」にされてしまうので、注意が必要なのだが、「では、どの辺で守れば良いのか」となると、非常に高度な「読み」が必要になってくるので、難しい。
逆に攻撃側は「防御側を一網打尽」にできないと、ただ平押しするだけになってしまい、いつまで経っても「目の前に大壁」があり続ける話になり、やはりゲームにならない。どちらの側にも熟練を要するという点で、非常にプレイの難易度が高いゲームになっている。

ソ連側を担当したお二人は色々納得がいかなかったようだが。。。
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2020年01月08日

秋元議員と小泉大臣が象徴する日本

【IR汚職で逮捕の秋元司議員が披露していた土地錬金術 口銭稼ぎの達人は単なる守銭奴】
 カジノ事業を巡る汚職事件で、内閣府の前副大臣としてIR(統合型リゾート)を担当していた秋元司衆議院議員(48)[東京15区]が収賄容疑で逮捕された。そして彼を「不動産取引情報の達人」だったと指摘したフェイスブックが話題になっている。ご覧になっていない方でも、「そういう政治家だったんだなあ」と腑に落ちるに違いない。その内容をご紹介する前に、秋元容疑者の経歴や逮捕容疑などを確認しておこう。
 秋元容疑者は1971年生まれ。鹿児島市内の市立小学校と中学校、そして県立高校を卒業、92年に大東文化大学の経済学部に入学した。大東大は東京都の板橋区に本部を持つほか、埼玉県東松山市にキャンパスを擁している。大学生となった秋元容疑者は93年、東京10区などで衆議院議員を務めた小林興起氏(76)の大学生秘書として事務所に入所する。96年に卒業すると、2000年には小林氏の公設第1秘書に就任した。04年の参院選で比例区から自民党公認候補として出馬、初当選を果たす。翌年の郵政民営化法案の採決で反対票を投じて処分を受けたことが話題になった。
 09年に母校の大東文化大で理事に就任するが、10年の参院選で落選。12年には衆院に鞍替えして東京15区で出馬、落選するも比例復活を果たした。こうして衆院議員となった秋元容疑者だが、IRやカジノに理解を示す議員として知られていたという。
(1月7日、デイリー新潮より抜粋)

「はした金はもらわねえよ。あり得ねえよ。ほんとばかたれ」
「1億、2億なら別だが俺は正面から堂々ともらうんだから」

いわゆる三バンを持たない議員は多くをカネに依存せざるを得なくなる。東京選出なのにやくざっぽさ丸出しの秋元氏と、横須賀選出で「小泉組」の曾孫である小泉大臣のスカスカ感は、現代日本の何かを象徴すると同時に、立候補者個人と個人後援会に選挙の殆どを依拠せざるを得ない選挙区型選挙の不可避な結果でもある。

議員というのは一回だけならサイの出目が良ければ(09年の民主党や12年の自民党のように)、あっさり当選して議員になれることもあるのだが、連続当選となると「実力」が問われる。
この「実力」は、伝統的には三バンと言われる、地盤(人脈)、看板(名声)、カバン(資金力)が重要とされている。自民党の旧田中派系列では、特に地盤とカバンを重視しており、戸別訪問を何万件こなしたか、いくらカネを集めたかで候補者の「質」を計っている。
有り体に言えば、一万軒訪問した候補者より三万軒訪問した候補者の方が強く、500万円集めた候補者より2000万円集めた候補者の方が強い、という話だ。これは絶対的な要素ではないが、相対的には正しく、候補者の基礎力としては否定できない。
日本で女性議員がいつまで経っても増えないのは、ここに起因するところが大きい。女性議員を増やしたいのであれば、現在の選挙区制度は完全に廃止すべきだろう。

さらに自民党の中でのし上がっていくためには、さらなる付加価値を付ける必要がある。
小泉氏のように名声だけであっという間に大臣に据えられるケースがある一方で、秋元氏のように殆ど徒手空拳で自民党に入ったものの場合、カネでブイブイ言わせるほかない。それは田中角栄の系譜でもある。
秋元氏の場合、東京という自民党が強くない選挙区でもあるため、なおさらカネでモノを言わせるほか無かったのだろう。

いわゆる三バンを親から受け継いで、コロンビア大学でアメリカの忠犬として仕込まれた小泉大臣(普通は関東学院大学からコロンビア大学の修士課程など入れるものではないが、同学の政治学科は特殊な意図がある)。
徒手空拳で地方から上京して三流大学を出て自民党の国会議員にまでなり、不動産とカジノ(パチンコ)の利権で周囲をブイブイ言わせてきた秋元氏。

現代日本政治の縮図である。
posted by ケン at 12:00| Comment(2) | 政局ほか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする